4 規制及び遵守事項等(法3章,4章)
本法の核心部分,旧法では対応できなかった部分も現状に応じ,また,将来へ対応するため,改正により更に詳細に規定されている。
◎風俗営業に関するもの(法3章)
○遵守事項
・店舗の構造・設備の維持に務める(法12条)
・営業時間は日出時から午前零時(ただし都道府県の条例で定める地域内に限り午前1時)までとする。また必要があるときは,都道府県は,条例により地域を定めて営業時間を制限できる(法13条)
・店舗内の照度を国家公安委員会規則で定める数値以下にしてはならない(法14条)
・都道府県の条例で定める数値以上の騒音・振動を生じさせてはならない(法15条)
・周辺の風俗環境を害するおそれのある方法で,広告・宣伝をしてはならない(法16条)
・国家公安委員会で定める種類の料金を客の見やすいように表示しなければならない(法17条)
・店舗の入り口に18才未満立入禁止(20時以降立入禁止)の表示しなければならない(法18条)
・従業員でなくなった場合に直ちに債務(借金)を返済することを条件とし,支払能力を超える高額な債務を負担させてはならず,また,支払能力を超える高額な債務を負担させた従業者の旅券・運転免許証等を保管し,第三者に保管させてはならない(法18条の2)
・国家公安委員会規則で定める遊技料金・賞品価格の最高限度に関する基準に従わなければならない(法19条)
・著しく射幸心(ギャンブル欲?)をそそるおそれのある遊技機を設置してはならない(法20条)
・その他,都道府県(市区町村ではない)は条例により必要な制限を定めることができる(法21条)
・構造及び設備の維持
風俗営業者は、営業所の構造及び設備を、第四条第二項第一号の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。(別表ファイルあり)
・営業時間の制限
風俗営業者は、午前零時若しくは都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日として条例で定める日にあつては当該事情のある地域として当該条例で定める地域内は午前零時以後において当該条例で定める時、当該条例で定める日以外の日にあつては午前一時まで風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域として、以下に従い都道府県の条例で定める地域内に限り午前一時から日出時までの時間においては、その営業を営んではならない。
1 一時まで風俗営業を営むことが許容される特別な事情のある地域(営業延長許容地域)の指定は、次のいずれにも該当する地域内の地域について行うこと。
(1)住居が多数集合しており、かつ、風俗営業並びに深夜(午前零時から日出時までの時間)において営まれる酒類提供飲食店営業(法2条9項3号に規定する酒類提供飲食店営業)及び興行場営業(興行場法1条2項に規定する興行場営業)の営業所が一平方キロメートルにつきおおむね三百箇所以上の割合で設置されている地域であること。
(2)次に掲げる地域に隣接する地域でないこと。
@住居集合地域
Aその他の地域のうち、住居の用に併せて商業等の用に供されている地域で、住居が相当数集合しているため、深夜における当該地域の風俗環境の保全につき特に配慮を必要とするもの
2 営業延長許容地域の指定は、風俗営業の種類、営業の態様その他の事情に応じて良好な風俗環境の保全に障害を及ぼすこととならないよう配慮するとともに、当該地域における法44条の規定による団体(風俗営業者団体)の届出の有無及び当該団体が関係風俗営業者に対して行う営業時間の制限その他の事項に関する法又は法に基づく命令若しくは条例の規定の遵守のための自主的な活動にも配意すること。
また都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、上記の規定によるほか、以下に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、風俗営業の営業時間を制限することができる。
1 13条2項の制限(営業時間の制限)は、地域及び風俗営業の種類ごとに、営業を営んではならない時間を指定して行うこと。
2 営業時間を制限する地域の指定は、次に掲げる地域内の地域について行うこと。
(1)住居集合地域
(2)その他の地域のうち、住居の用に併せて商業等の用に供されている地域で、住居が相当数集合しているため、早朝における当該地域の風俗環境の保全につき特に配慮を必要とするもの
3 営業を営んではならない時間の指定は、次に掲げる地域の区分に従いそれぞれ次に定める時間内において行うこと。
(1)前2−(1)に掲げる地域に係る地域であつて、13条1項(営業時間制限)の規定に基づき都道府県が習俗的行事その他の特別な事情のある日を定める条例で当該事情のある地域として定める地域(特別日営業延長許容地域)に該当するもの = 日出時から午前十時までの時間及び午後十一時から翌日の午前零時(当該翌日につき、当該特別日営業延長許容地域を定める条例において当該特別な事情のある日として定められている場合にあつては、当該条例で定める時)までの時間
(2)前2−(1)に掲げる地域に係る地域(上に掲げるものを除く。) = 日出時から午前十時までの時間及び午後十一時から翌日の午前零時までの時間
(3)前2−(2)に掲げる地域に係る地域 = 日出時から午前十時までの時間
4 ぱちんこ屋その他の都道府県の条例で定める種類の風俗営業については、前2に定めるもののほか、客の頻繁な出入り、営業活動に伴う騒音の発生その他の事情による良好な風俗環境への影響が大きいと認められる地域につき、次に掲げる地域の区分に従いそれぞれ次に定める時間内において営業を営んではならない時間を指定することができること。
(1)当該風俗営業の種類に係る営業延長許容地域に該当する地域 = 日出時から午前十時までの時間
(2)特別日営業延長許容地域に該当する地域(イに掲げるものを除く。) = 日出時から午前十時までの時間及び午後十一時から翌日の午前零時(当該翌日につき、当該特別日営業延長許容地域を定める条例において当該特別な事情のある日として定められている場合にあつては、当該条例で定める時)までの時間
(3)4−(1)又(2)に掲げる地域以外の地域 = 日出時から午前十時までの時間及び午後十一時から翌日の午前零時までの時間
・照度の規制
風俗営業者は、次表(照度測定部分基準表)の上欄に掲げる営業の種別の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める営業所の部分における水平面について計った営業所内の照度を、下記以下としてその営業を営んではならない。
1 2条1項1号から3号まで及び5号に掲げる営業 五ルクス
(キャバレー・カフェ・ナイトクラブ・低照度バー)
2 2条1項4号及び6号から8号までに掲げる営業 十ルクス (ダンスホール・見通し困難なバー・まあじゃん屋・パチンコ屋・ゲームセンタ)
2条1項1号又は3号に掲げる営業 | 2条2項2号、5号又は第6号に掲げる営業 | 2条1項4号に掲げる営業 | 2条1項7号又は8号に掲げる営業 | |||||||||||||
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1 | ダンスをさせるための客室の部分 | 客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある営業所にあつては、当該設備の上面及び当該上面の高さにおける客の通常利用する部分 | ダンスをさせるための営業所の部分 | 営業所に設置する遊技設備の前面又は上面 | ||||||||||||
2 | 客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある営業所にあつては、当該設備の上面及び当該上面の高さにおける客の通常利用する部分 |
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|||||||||||||
3 |
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ぱちんこ屋及び令第十一条に規定する営業にあつては、通常賞品の提供が行われる営業所の部分 |
・騒音及び振動の規制
風俗営業者は、営業所周辺において、次表(騒音振動基準表)の上欄に掲げる地域ごとに、同表の下欄に掲げる時間の区分に応じ、それぞれ同欄に定める数値を超えない範囲内において、都道府県の条例で定める数値(55デシベルを超えない範囲内において定める)以上の騒音又は振動(人声その他その営業活動に伴う騒音又は振動に限る。)が生じないように、その営業を営まなければならない。なお、騒音の測定は営業所の境界線の外側で測定可能な直近の位置について、日本工業規格C一五〇二に定める普通騒音計又はC一五〇五に定める精密騒音計を用いて行う日本工業規格Z八七三一に定める騒音レベルの測定方法とする。この場合において、聴感覚補正回路はA特性を、動特性は速い動特性を用いることとし、騒音レベルは、五秒以内の一定時間間隔及び五十個以上の測定値の五パーセント時間率騒音レベルとし、振動の測定は営業所の境界線の外側で測定可能な直近の床又は地面(緩衝物がなく、表面が水平であり、かつ、堅い床又は地面に限る。)について、日本工業規格C一五一〇に定める振動レベル計を用いて行う日本工業規格Z八七三五に定める振動レベルの測定方法とする。この場合において、振動感覚補正回路は鉛直振動特性を、動特性は日本工業規格C一五一〇に定める動特性を用いることとし、振動レベルは、五秒間隔及び百個の測定値又はこれに準ずる間隔及び個数の測定値の八十パーセントレンジの上端値とする。
本規制は風俗営業に係る騒音及び振動について、現下のカラオケ騒音の問題等にかんがみ、騒音規制の規定の内容を明確にするため、数値により規制することとしたものである。
1 住居集合地域その他の地域で、良好な風俗環境を保全するため、特に静穏を保持する必要があるものとして都道府県の条例で定めるもの | 2 商店の集合している地域その他の地域で、当該地域における風俗環境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要があるものとして都道府県の条例で定めるもの | 1及び2に掲げる地域以外の地域 | |
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昼間 | 55デジベル | 65デジベル | 60デジベル |
夜間 | 50デジベル | 60デジベル | 55デジベル |
深夜 | 45デジベル | 55デジベル | 50デジベル |
・広告及び宣伝の規制
風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。
1 外形等
(1)16条(広告等規制)は、主として清浄な風俗環境の保持を図るために設けられたものであるが、憲法上、表現の自由及び営業の自由が保障されていることにかんがみ、視覚に訴える広告又は宣伝を規制する場合は、公衆の目に触れやすいものの規制に限る。
@ 公道、駅前広場等多数の人間が通行する場所で行われる場合にあっては、当該広告物等が、付近(数メートル程度離れた場所)にいる人間に判別できる程度のものとする。ただし、プラカードを持って移動する場合のように広告物自体を移動させる場合にあっては、すぐ近くで判別できるものであれば足りる。また、ビラ配り等公衆の各人に手渡す場合は、ビラ等の大きさを問わない。
A 公衆電話等公衆が特定の目的のために利用する場所における広告又は宣伝は、当該場所を利用する人間が利 用の際に広告物等の内容を判別することができるものであれば足りる。
(2)聴覚に訴える広告又は宣伝を規制する場合は、通常周囲の騒音との関係で、付近にいる公衆が聞くことのできる程度のものを規制の対象とする。
2 内容
(1)清浄な風俗環境を害する等この法律の目的に反するものに限る。
(2)視覚に訴える広告・宣伝にあっては、典型的には衣服を脱いだ人の姿態や性交、性交類似行為、性器等を描写するもの、営業所内でひわい行為が行われていることを表すもの等が規制の対象となる。
(3)また、聴覚に訴える広告・宣伝にあっては、その内容がひわいな場合等が規制の対象となる。また、著しく大きな騒音を発生させている場合は、騒音に関する遵守事項の違反となりうるほか、本条の違反ともなる。
(4)なお、単に店名及び料金のみを表示する広告・宣伝、単に色彩が派手である広告・宣伝は規制の対象とならない。
・料金の表示
風俗営業者は次のいずれかの方法で、その営業に係る料金で次表の上欄に掲げる営業の種別の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定めるのものを、営業所において客に見やすいように表示しなければならない。
1 壁、ドア、ついたてその他これらに類するものに料金表その他料金を表示した書面その他の物(料金表等)を客に見やすいように掲げること。
2 客席又は遊技設備に料金表等を客に見やすいように備えること。
3 前二号に掲げるもののほか、注文前に料金表等を客に見やすいように示すこと。
2条1項1号に掲げる営業 | 2条1項2号に掲げる営業 | 2条1項3号に掲げる営業 | 2条1項4号に掲げる営業 | 2条1項5号又は6号に掲げる営業 | 2条1項7号に掲げる営業法 19条に規定する遊技料金 |
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1 | 入場料金、飲食料金その他名義のいかんを問わず、当該営業所の施設を利用して客がダンスをし、又は接待を受けて飲食をする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金 | 遊興料金、飲食料金その他名義のいかんを問わず、当該営業所の施設を利用して客が接待を受けて遊興又は飲食をする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金 | 入場料金、飲食料金その他名義のいかんを問わず、当該営業所の施設を利用して客がダンスをし、又は飲食をする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金 | 入場料金その他名義のいかんを問わず、当該営業所の施設を利用して客がダンスをする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金 | 飲食料金その他名義のいかんを問わず、当該営業所の施設を利用して客が飲食をする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金 | ゲーム料金その他名義のいかんを問わず、当該営業所の施設を利用して客が遊技をする行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金 |
2 | サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金 | サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金 | サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金 | サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金 | サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金 | サービス料金その他名義のいかんを問わず、客が当該営業所の施設を利用する行為について、その対価又は負担として客が支払うべき料金で前号に定めるもの以外のものがある場合にあつては、その料金 |
・年少者の立入禁止の表示
風俗営業者は、十八歳未満の者がその営業所に立ち入つてはならない旨(2条1項8号の営業(遊戯場営業)に係る営業所にあつては、午後十時以後の時間において立ち入つてはならない旨(22条4号の規定に基づく都道府県の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者につき、午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時以後の時間において立ち入つてはならない旨))を表示した書面その他の物を公衆に見やすいように営業所の入り口に表示しなければならない。
・接客従業者に対する拘束的行為の規制
接待飲食等営業を営む風俗営業者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
1 営業所で客に接する業務に従事する者(接客従業者)に対し、接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務(利息制限法その他の法令の規定によりその全部又は一部が無効とされるものを含む。)を負担させること。
2 その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた接客従業者の旅券等(出入国管理及び難民認定法2条5号の旅券、道路交通法92条1項の運転免許証その他求人者が求職者の本人確認のため通常提示を求める書類で以下に該当するものを保管し、又は第三者に保管させること。
(1)外国人登録法5条1項の外国人登録証明書
(2)道路交通法107条の2の国際運転免許証又は外国運転免許証
(3)次に掲げる者であることを証する書類
@ 健康保険法の規定による被保険者(同法69条の7の規定による日雇特例被保険者を含む。)又はその被扶養者
A 船員保険法の規定による被保険者又はその被扶養者
B 国民健康保険法の規定による被保険者
C 国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組合法に基づく共済組合の組合員又はその被扶養者
D 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者又はその被扶養者)
3 接待飲食等営業を営む風俗営業者は、接客業務受託営業を営む者が当該接客業務受託営業に関し35条の2の規定に違反する行為(拘束的行為)又は売春防止法9条(前貸し等)10条(売春をさせる契約)若しくは12条(売春業)の罪に当たる違法な行為をしている疑いがあると認められるときは、当該接客業務受託営業を営む者の使用人その他の従業者で当該違反行為の相手方となつているものが営業所で客に接する業務に従事することを防止するため必要な措置をとらなければならない。
・遊技料金等の規制
2条1項7号の営業(パチンコ屋等)を営む風俗営業者は、遊技料金、賞品の提供方法及び賞品の価格の最高限度(まあじやん屋を営む風俗営業者にあつては、遊技料金)に関し、以下の基準に従い、その営業を営まなければならない。
1 遊技料金に関する基準
(1)まあじやん屋 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定める金額を超えないこと。
@ 客一人当たりの時間を基礎として遊技料金を計算する場合は次に掲げるまあじやん台の種類の区分に応じ、それぞれ次に定める金額
(A)全自動式のまあじやん台 一時間につき六百三十円
(B)その他のまあじやん台 一時間につき五百三十円
A まあじやん台一台につき時間を基礎として遊技料金を計算する場合は次に掲げるまあじやん台の種類の区分に応じ、それぞれ次に定める金額
(A)全自動式のまあじやん台 一時間につき二千五百二十円
(B)その他のまあじやん台 一時間につき二千百二十円
(2)ぱちんこ屋及び令7条(賞品提供遊技営業)に規定する営業は当該営業所に設置する次に掲げる遊技機の種類に応じ、それぞれ次に定める金額を超えないこと。
@ ぱちんこ遊技機 玉一個につき四円
A 回胴式遊技機 メダル一枚につき二十円
B アレンジボール遊技機及びじやん球遊技機(玉又はメダルを使用するものに限る。)
次に掲げる遊技機の区分に応じ、それぞれ次に定める金額
(A)玉を使用する遊技機 玉一個につき四円
(B)メダルを使用する遊技機 メダル一枚につき七十円
C その他の遊技機 遊技機の種類及び遊技の方法並びに他の遊技機に係る遊技料金その他の事情を考慮して国家公安委員会が定める金額
(3)その他の営業は営業の種類及び遊技の方法並びに前(1)(2)に掲げる遊技料金その他の事情を考慮して国家公安委員会が定める金額を超えないこと。
2 賞品の提供方法に関する基準
(1)次に掲げる営業の種類に応じ、それぞれ次に定める物品を賞品として提供すること。
@ ぱちんこ屋及び令第七条に規定する営業で遊技球等の数量により遊技の結果を表示する遊技機を設置して客に遊技をさせるものは当該遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品
A 射的、輪投げその他これに類する遊技を客に行わせる営業は当該遊技の賞品としてあらかじめ客に表示されている物品と同一の種類の物品
B @及びAに掲げる営業以外の営業は遊技の種類及び遊技の方法並びに@及びAに定める物品その他の事情を考慮して国家公安委員会が定める物品
(2)前(1)−@に掲げる営業において提供する物品は、客の多様な要望を満たすことができるよう、客が一般に日常生活の用に供すると考えられる物品のうちから、できる限り多くの種類のものを取りそろえておくこと。
(3)賞品の価格の最高限度に関する基準は、一万円を超えないこととする。
・遊技機の規制及び認定等
1 法4条4項(パチンコ屋等)に規定する営業を営む風俗営業者は、その営業所に、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして同項の国家公安委員会規則で定める基準(別表ファイルあり)に該当する遊技機を設置してその営業を営んではならない。
2 法20条1項(パチンコ屋等)の風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該営業所における遊技機につき同項に規定する基準に該当しない旨の公安委員会の認定を受けることができる。
3 国家公安委員会は、次の遊技機の型式に関し、国家公安委員会規則で、20条2項の公安委員会の認定につき必要な技術上の規格を定めることができる。
(1)ぱちんこ遊技機
(2)回胴式遊技機
(3)アレンジボール遊技機
(4)じやん球遊技機
4 法20条3項の規格が定められた場合においては、遊技機の製造業者(外国において本邦に輸出する遊技機を製造する者を含む。)又は輸入業者は、その製造し、又は輸入する遊技機の型式が同項の規定による技術上の規格に適合しているか否かについて公安委員会の検定を受けることができる。
5 公安委員会は、国家公安委員会規則で定めるところにより、20条2項(違法遊技機非設置)の認定又は前項の検定に必要な試験の実施に関する事務(試験事務)の全部又は一部を、民法34条(公益法人)の規定により設立された法人であつて、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして国家公安委員会があらかじめ指定する者(指定試験機関)に行わせることができる。
6 指定試験機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
7 試験事務に従事する指定試験機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
8 法20条2項(違法遊技機非設置)の認定、第四項の検定又は第五項の試験を受けようとする者は、実費を勘案して国家公安委員会規則で定める額の手数料を、条例(20条5項の指定試験機関が行う試験に係る手数料にあつては、国家公安委員会規則)で定めるところにより納めなければならない。
9 8の手数料は、都道府県(20条5項の指定試験機関が行う試験に係る手数料にあつては、当該指定試験機関)の収入とする。
10 法9条1項(構造及び設備の変更)、2項(その承認)及び3項2号(軽微な変更)の規定は、20条1項の風俗営業者が設置する遊技機の増設、交替その他の変更について準用する。この場合において、同条2項中「第四条第二項第一号の技術上の基準及び」とあるのは、「第四条第四項の基準に該当せず、かつ、」と読み替えるものとする。
11 法20条4項の型式の検定、5項の指定試験機関その他2項の規定による認定及び前項において準用する9条1項(構造・設備の変更)の承認に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
○禁止行為(法22条各号)
風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
1 当該営業に関し客引きをすること。
2 営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせ、又は客の相手となつてダンスをさせること。
3 営業所で午後十時から翌日の日出時までの時間において十八歳末満の者を客に接する業務に従事させること。
4 十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること(法2条1項8号(ゲームセンタ)の営業に係る営業所にあつては、午後十時(同号の営業に係る営業所に関し、都道府県の条例で、十八歳以下の条例で定める年齢に満たない者につき、午後十時前の時を定めたときは、その者についてはその時)から翌日の日出時までの時間において客として立ち入らせること。)。
5 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。
○遊技場営業者の禁止行為(法23条)
法2条1項7号の営業(ぱちんこ屋その他遊技の結果に応じ客に賞品を提供して遊技をさせる営業に限る。)を営む者は、22条(禁止行為)の規定によるほか、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
1 現金又は有価証券を賞品として提供すること。
2 客に提供した賞品を買い取ること。
3 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(遊技球等)を客に営業所外に持ち出させること。
4 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
法2条1項7号のまあじやん屋又は同項8号の営業(遊技場営業)を営む者は、法22条の規定によるほか、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
1項3号(玉等持出)及び4号(玉等保管)の規定は、2条1項8号の営業(遊技場営業)を営む者について準用する。
○管理者(法24条)
営業者は店舗ごとに業務の実施を統括管理する管理者一人を選任しなければならない。(1項)
●管理者の欠格事由(2項各号)
1 禁治産者,準禁治産者,復権を得ていない破産者
2 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3 特定の罪により1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
4 いわゆる暴力団関係者
5 精神病者又はアルコール,麻薬,大麻,あへん若しくは覚せい剤の中毒者(原文のまま)
6 風俗営業の許可を取り消され,取消しの日から五年を経過しない者
7 許可の取消しのための聴聞等の期日が公示されたのち許可証を返納し,その日から5年を経過しない者
8 許可の取消しのための聴聞等の期日が公示されたのち許可証を返納し又は合併により消滅した法人で公示の日前60日以内に役員であった者でその日から5年を経過しない者
9 未成年者
●管理者の職務(3項及び4項)
店舗における業務に関し,営業者又はその代理人,使用人,従業者に対し必要な助言又は指導を行い,その他国家公安委員会規則で定める必要な業務を行う。営業者等はその助言を尊重し,従業員等はその指導に従わなければならない(営業者は「尊重」,従業員は「従う」との違いに注意)主たる業務は
1 営業所における業務の適正な実施を図るため必要な従業者(営業者の使用人その他の従業者)に対する指導に関する計画を作成し、これに基づき従業者に対し実地に指導し、及びその記録を作成すること。
2 営業所の構造及び設備が令6条に規定する技術上の基準に適合するようにするため必要な点検の実施及びその記録の記載について管理すること。
3 ぱちんこ屋及び令7条に規定する営業にあつては、営業所に設置する遊技機が第七条に規定する基準に該当しないようにするため必要な点検の実施及びその記録の記載について管理すること。
4 法22条4号の規定により客として立ち入らせてはならないこととされる未成年者を営業所内で発見した場合において、当該未成年者に営業所から立ち退くべきことを勧告することその他の必要な措置を講ずること。
5 法36条に規定する従業者名簿及びその記載について管理すること。
6 営業所における業務の実施に関する苦情の処理を行うこと。
●その他管理者に関する事項(5項ないし7項)
1 公安委員会は欠格事由に該当すると認めたとき又は法令等に違反した場合で,その情状により不適当と認めたときは営業者に解任を勧告できる。(法令等に違反しても情状により勧告されることはない場合もあると解釈できる。これは管理者といえども営業者の従業員である以上酌むべき事情もあるであろうという配慮によるものと思われる。また「勧告できる」に留まる点も注意が必要)
2 公安委員会は、第三項に規定する管理者の業務を適正に実施させるため必要があると認めるときは、以下の管理者に対する講習を行うことができる。
管理者に対する講習(管理者講習)の種別は、定期講習、処分時講習及び臨時講習とする。
(1)定期講習はすべての営業所の管理者(特例風俗営業者の営業所の管理者であつて当該営業所の管理者として選任された後定期講習を受けたことがあるものを除く。)について当該営業所の管理者として選任された日からおおむね三年ごとに一回、処分時講習は26条1項の規定により当該風俗営業の全部又は一部の停止が命じられた場合に当該営業所の管理者について当該処分の日からおおむね一年以内に一回、臨時講習は善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため管理者講習を行う必要がある特別の事情がある場合に当該事情に係る営業所の管理者についてその必要の都度、それぞれ行うものとする。
(2)管理者講習は、その種別に応じ、次表の上欄に掲げる区分により、それぞれ同表の中欄に掲げる講習事項について、同表の下欄に掲げる講習時間行うものとする。
(3)管理者講習は、その種別に応じ、あらかじめ作成した講習計画に基づき、教本、視聴覚教材等必要な教材を用いる方法により行うものとする。
3 風俗営業者は、公安委員会からその選任に係る管理者について管理者講習の実施予定期日の三十日前までに、当該管理者講習を行おうとする管理者に係る風俗営業者に、管理者講習通知書(様式第十一号)により通知を受けたときは、当該管理者に講習を受けさせなければならない。通知を受けた風俗営業者は、当該実施予定期日の十日前までに、当該管理者の選任に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して、当該公安委員会に、受講申込書(様式第十二号)又は当該管理者講習を受講させることができない旨及びその理由を記載した書面を提出しなければならない。
公安委員会は、管理者講習を受講した者に対し、受講証明書(様式第十二号)を交付するものとする。
定期講習 | 処分時講習 | 臨時講習 | |
---|---|---|---|
講習事項 | 1 法その他営業所における業務の適正な実施に必要な法令に関すること。 2 24条3項及び31条に規定する管理者の業務を適正に実施するため必要な知識及び技能に関すること。 |
1 定期講習の項中欄に掲げる講習事項 2 風俗営業者若しくはその代理人又は従業者が再び法令の規定に違反することを防止するために管理者として講ずべき措置に関すること |
風俗営業者に係る特別な事情に関する事項で,管理者の業務を適正に実施するため必要なものに関すること |
講習時間 | 四時間以上六時間以下 | 四時間以上六時間以下 | 二時間以上四時間以下 |
○指示(法24条)
公安委員会は,営業に関し,法令等に違反した営業者に対し,善良な風俗若しくは清浄な風俗環境を害し,又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは,その行為を防止するため必要な指示ができる。
注!)指示できるのは「法令又は風営法に基づき条例に違反した場合」が必要的条件であり,単に道徳的に悪質と思われる程度では,本条に基づく指示はできないと解するのが相当。
○営業の停止等(法25条)
公安委員会は以下の場合は許可を取り消し,6月を超えない範囲で期間を定め営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。また,許可の取り消し若しくは停止を命ずるときは,その店舗を用いて営む飲食店営業についても,6月を超えない範囲で期間を定め(停止の場合はその停止期間)全部又は一部の停止を命ずることができる。
1 法令等に違反した場合で「著しく」(前条「指示」の要件にはない文言)善良な風俗若しくは清浄な風俗環境を害し,又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき(法令等に違反しているのが必要条件)
2 本法に基づく処分に違反したとき
3 条件(附款)付許可の条件に違反したとき
善良な風俗若しくは清浄な風俗環境を害し,又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認める場合は「指示」に留まり,それが「著しい」場合に限り,停止又は取消の措置が執られる。指示又は停止若しくは取消のいずれの場合もその処分は行政庁の裁量により(裁量行為),必要的に為される訳ではない。