風俗愛好者のための法律講座 〜その5〜

 

風俗関連諸法(風適法)Ver.2.0 by KEN氏


3 営業の許可・届出
 風俗営業を営もうとする者は許可を,性風俗特殊営業を営もうとする者は届出をしなければならない。

◎許可(法2章)

 風俗営業の種別に応じ(性風俗特殊営業ではない),営業所ごとに当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(=警察と思えばよい)の許可を受けなければならない。許可は「営業所」ごとであり,法人等の営業者単位で取得するものではない。つまり一法人が本店のほか3つの支店を有するとすれば,4つの許可が必要なのである。(法3条1項)
 公安委員会は許可の申請があった場合は,欠格事由に該当しない限り許可するのが原則となる。ただし必要な限度において条件を付し(附款付許可),これを変更することができる。これも必要な限度に於いてで無条件に附款を付すことはできない。(法3条2項)
 すなわち,許可に条件を付し、又はこれを変更することができるのは、法令又は条例を遵守していても、具体的な事情により、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為が行われるおそれがある場合に限られ、付される条件も、これらの行為を防止するため、必要最小限度のものでなければならない。条件が必要最小限度であるためには、次の条件が満たされなければならない。

1 条件が、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為に関するものであること。

2 その条件を付したことにより、そのような行為を防止することができること。(合理的な関連性があること。)

3 比例原則の範囲内であること。

4 営業者が受忍すべき範囲のものであり、営業者に無用の負担をかけるものでないこと。

 

 許可は許可証の返納によりその効力を失う(法10条2項)。

 

○欠格事由

●人的欠格事由(法4条1項1号ないし9号)

1 禁治産者,準禁治産者,復権を得ていない破産者

2 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

3 次の罪を犯し一年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
* 風適法違反(49条1項)無許可営業、不正許可・承認、名義貸し、営業禁止・停止違反
* 公然わいせつ罪
* わいせつ物頒布等罪
* 淫行勧誘罪
* 賭博罪若しくは常習賭博及び賭博場開帳等図利罪
* 売春防止法違反
* 職業安定法違反(63条2号)有害業務周旋
* 出入国管理及び難民認定法(出管法)違反(73条の2第1項)不法就労助長、就労目的支配、不法就労周旋
* 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)違反(58条)有害業務派遣
* 労働基準法違反(62条2項,労働者派遣法44条2項の規定により適用される場合を含む。)未成年者有害業務就労
* 労働基準法違反(62条2項,労働者派遣法44条4項の規定により労働基準法62条2項の規定に違反したものとみなされたとき)不法事業所派遣
* 児童福祉法違反(34条1項5号、6号若しくは9号)15歳未満酒席接待業務、児童淫行、無権利者児童支配
注!)執行猶予の言渡しを受けた者は執行猶予の期間内に新たに罪を犯さず,その期間が満了した時点で刑の言渡しを受けなかったものとみなされ欠格事由には該当しない。ただし期間内は当然該当する。

4 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で以下のものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者(いわゆる暴力団関係者のことを言っている)
注!)ここでは逮捕・起訴等が要件となっていない。「違法行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由」があればよい。通常刑法,刑訴法等での相当とは60%程度の心証(有罪と推定される確証)を得られれば良いとされる。ちなみに「十分」とは80%程度の心証とされている。
*爆発物取締罰則違反(1条ないし3条)爆発物使用、同未遂、製造・輸入・所持・注文
* 商法違反(197条第2項ないし4項)総会屋
* 公務執行妨害及び職務強要罪
* 強制執行妨害罪
* 偽計競売等妨害罪
* 犯人隠匿等罪
* 証拠隠滅等罪
* 証人等威迫罪
* わいせつ物頒布等罪
* 強姦罪、同未遂罪
* 強姦致死傷罪、同未遂罪
* 賭博罪
* 常習賭博及び賭博場開帳等図利罪
* 富くじ発売等罪
* 殺人罪、同未遂罪
* 殺人予備罪
* 傷害罪
* 傷害致死罪
* 暴行罪
* 凶器準備集合及び結集罪
* 逮捕及び監禁罪
* 逮捕等致死罪
* 脅迫罪
* 強要罪
* 威力業務妨害罪
* 不動産侵奪罪
* 強盗罪、同未遂罪
* 強盗予備罪
* 強盗致死傷罪、同未遂罪
* 強盗強姦罪、同致死罪、同未遂罪
* 公用文書等毀棄罪
* 私用文書等毀棄罪
* 建造物等損壊及び同致死傷罪
* 器物損壊等罪
* 暴力行為等処罰に関する法律違反
* 盗犯等の防止及び処分に関する法律違反(2条ないし4条)常習強窃盗罪、常習累犯強窃盗罪、常習強盗傷人・強盗強姦罪
* 労働基準法違反(117条又は118条1項)強制労働
* 職業安定法違反(63条又は第64条1号、2号若しくは4号)就労強要、有害就労周旋、無許可紹介、兼業禁止違反、労働者供給事業違反
* 児童福祉法違反(60条1項又は2項)禁止行為違反
* 風適法違反(49条3項9号)客引き、児童立入、不法酒類提供
* 大麻取締法違反(24条又は24条の2)大麻栽培・輸出入、大麻所持・譲受
* 競馬法違反(30条3号又は33条2号)ノミ行為
* 自転車競技法違反(18条2号又は20条3号)ノミ行為
* 建設業法違反(45条1項1号若しくは3号又は46条1項1号、2号若しくは3号)無許可営業、不正許可、申請書不実記載、書類未提出・不実記載、欠格事由該当時未不届
* 弁護士法違反(77条)汚職行為
* 火薬類取締法違反(58条1号ないし4号又は59条2号,4号若しくは5号)無許可製造業、無許可製造、無許可販売,無許可輸入,貯蔵方法,火薬庫設置義務,火薬庫検査義務,屋外販売禁止,不法所持,取扱者制限,保安責任者等設置義務,保安責任者代理専任義務,不良火薬類措置,混包等禁止,無許可火薬庫等設置,不法譲受
* 小型自動車競走法違反(24条2号又は26条3号)ノミ行為
* 毒物及び劇物取締法違反(24条1号)不正製造,不正輸入,不正販売・授受
* モーターボート競走法違反(27条2号又は29条3号)ノミ行為
* 覚せい剤取締法違反(41条、41条の2、41条の3第1項1号、2項(同条1項1号に係る部分に限る。) 3項(同条1項1号及び2項に係る部分に限る。)又は41条の11)不正輸出入,不正所持・授受,不正使用,営利目的の使用禁止行為・同未遂,不正授受周旋
* 旅券法違反(23条1項1号)不実記載,不正交付
* 宅地建物取引業法違反(79条1号,2号、第82条1号、2号(12条2項に係る部分に限る。)3号,83条1項1号(9条及び53条(63条の3第2項において準用する場合を含む。)に係る部分に限る。))不正免許,無免許営業,不正表示・広告,無届変更
* 麻薬及び向精神薬取締法違反(64条,65条及び66条(小分け、譲渡し、譲受け及び所持に係る部分に限る。))不正輸出入・製造,不正授受・小分け・所持・同未遂,無許可処分・同未遂,無許可栽培
* 武器等製造法違反(31条又は第31条の2第1号若しくは4号)無許可製造・同未遂,事業停止命令違反,無許可修理
* 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)違反(5条)高利貸し
* 売春防止法違反(6条、7条2項,3項(同条2項に係る部分に限る。)、8条1項(7条2項に係る部分に限る。)、10条又は12条)売春周旋・周旋目的勧誘等,売春強要・同未遂,ピンハネ,売春契約,管理売春
* 鉄砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反(31条から31条の4まで、31条の7から31条の9まで、31条の11第1項1号若しくは2号若しくは2項、31条の12,31条の13、31条の15、31条の16第1項1号から3号まで若しくは2項、31条の17、31条の18第1号、32条1号、3号若しくは4号又は35条2号(22条の2第1項及び22条の4に係る部分に限る。))発砲、無許可輸入・同未遂、無許可所持・同実包所持等、無許可譲渡・譲受、無許可実包輸入、無許可実包所持、無許可実包譲渡・譲受・同未遂、無許可部品輸入・同未遂、(囮捜査の)無許可所持・無許可譲渡・譲受・実包所持、無許可譲渡・譲渡周旋、無許可部品譲渡・譲渡周旋、登録銃砲移転届出義務違反、刀剣類不法所持、譲渡制限違反、模造刀剣類不法所持
* 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)違反(25条1号若しくは6号又は26条2号の2若しくは5号)無許可営業、不法投棄、不法業務委託
* 火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反(2条又は3条)火炎びん使用・製造・所持
* 貸金業の規制等に関する法律(貸金業規制法)違反(47条2号、48条3号又は49条2号若しくは4号から6号)無許可営業、取立規制違反、貸付条件掲示・広告義務違反、法定帳簿設置義務違反・法定帳簿虚偽記載、白紙委任状規制違反、過剰貸付
* 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)違反(59条1号(4条3項に係る部分に限る。))非適用業務派遣事業
* 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(麻薬特例法)違反  不法輸出入・譲渡・譲受、不法収益隠匿、不法収益収受、(囮捜査の下での)輸出入・譲渡・譲受、薬物犯罪教唆
* 特定債権等に係る事業の規制に関する法律(特定債権規制法)違反(75条1号、76条7号,80条13号,14号)無許可営業,貸付・媒介等禁止違反,標識非表示,類似標識表示
* 不動産特定共同事業法違反(52条1号,2号、55条1号(5条1項に係る部分に限る。),56条1号,3号)無許可営業,不正許可,許可申請書虚偽記載,無変更届・虚偽届出,標識・類似標識表示

5 精神病者又はアルコール,麻薬,大麻,あへん若しくは覚せい剤の中毒者(原文のまま)

6 法26条1項の規定(営業の停止等)により風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)

7 26条1項の規定(営業の停止等)による風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に法10条1項1号の規定による許可証の返納をした者(風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で当該返納の日から起算して五年を経過しないもの
 注!)脱法行為防止のための規定

8 7に規定する期間内に合併により消滅した法人又は10条1項1号の規定による許可証の返納をした法人(合併又は風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)の前7の公示の日前六十日以内に役員であつた者で当該消滅又は返納の日から起算して五年を経過しないもの

9 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者。ただし、その者が風俗営業者の相続人であつて、その法定代理人が前各号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。

10 法人でいずれかの欠格事由(未成年者を除く)に該当する者があるもの

 

●物的欠格事由(法4条2項1号ないし3号)

1 営業所の構造・設備が(法4条4項に規定する遊技機を除く。9条、10条の2第2項3号、12条及び39条2項7号において同じ。)が風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準(別表1)に適合しないとき

2 営業所が、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして次の基準に従い定められる都道府県の条例で定める地域内にあるとき。

(1)風俗営業の営業所の設置を制限する地域(制限地域)の指定は次の地域について行うこと。

@住居が多数集合しており、住居以外の用途に供される土地が少ない地域(住居集合地域)

Aその他の地域のうち、学校その他の施設で学生等のその利用者の構成その他のその特性にかんがみ特にその周辺における良好な風俗環境を保全する必要がある施設として都道府県の条例で定めるものの周辺の地域内の地域

(2)前(1)−Aに掲げる地域内の地域につき制限地域の指定を行う場合には、当該施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲おおむね百メートル(水平面で測る距離についていうものであり、例えば、営業所がビルの2階以上又は地下にある場合でも、営業所の存在する位置から垂直に地面に下ろした位置について測るものとする。)の区域を限度とし、その区域内の地域につき指定を行うこと。

(3)前(2)の規定による制限地域の指定は、風俗営業の種類及び営業の態様、地域の特性、(1)−Aに規定する施設の特性、既設の風俗営業の営業所の数その他の事情に応じて、良好な風俗環境を保全するため必要な最小限度のものであること。

 

3 営業所に管理者を選任すると認められないことにつき相当の理由があるとき

 

●不適格許可(例外的許可)
 公安委員会は、法3条1項の許可(風俗営業許可)又は法7条1項(相続)若しくは法7条の2第1項(合併)の承認を受けて営んでいた風俗営業の営業所が火災(「火災」には、営業者に故意又は重大な過失があり、その者の責めに帰すべき事由によって生じた火災は含まれない。)、震災その他その者の責めに帰することができない事由で

1 暴風、豪雨その他の異常な自然現象により生ずる被害又は火薬類の爆発、交通事故その他の人為による異常な災害若しくは事故(当該風俗営業者の責めに帰すべき事由により生じた災害又は事故を除く。)であつて、火災又は震災以外のもの

2 消防法29条1項から3項までの規定(消防対象物等使用等制限)その他火災若しくは震災又は一に規定する災害若しくは事故の発生又は拡大を防止するための措置に関する法令の規定に基づく措置によるもの

3 火災若しくは震災又は前二号に掲げる事由により当該営業所に滅失に至らない破損が生じた場合において、関係法令(建築基準法等の建築物に関する法令をいう。)の規定を遵守するためには当該営業所の除却を行つた上でこれを改築することが必要であると認められる場合における当該除却

4 消防法5条(防火対象物改修等命令)、建築基準法10条1項(保安上等除却等命令)若しくは11条1項(基準法適用外建築物除却等命令)若しくは高速自動車国道法14条3項(特別沿道区域内除却等命令)の規定による命令又は密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律13条1項の規定(延焼等危険建築物除却勧告)による勧告に従つて行う除却

5 土地収用法その他の法律の規定により土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業(土地収用法又は公共用地の取得に関する特別措置法による認定事業のほか、都市計画法に基づく都市計画事業、住宅地区改良法に基づく住宅地区改良事業等土地又は建物の収用又は使用の手法が用いられる事業のすべてをいう。なお、このような事業の施行に伴うものであれば、現実に当該営業所の敷地等について収用裁決又は使用裁決までに至らない段階で営業所の建物を除却した場合でも、本号の除却に当たる。)の施行に伴う除却

6 土地区画整理法2条1項に規定する土地区画整理事業その他公共施設の整備又は土地利用の増進を図るため関係法令の規定に従つて行われる事業(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法に基づく住宅街区整備事業、都市再開発法に基づく第一種市街地再開発事業等換地又は権利変換の手法が用いられる事業のすべてをいう。なお、このような事業の施行に伴うものであれば、現実に当該営業所の敷地等について換地又は権利変換の処分にまで至らない段階で営業所の建物を除却した場合でも、本号の除却に当たる。ただし、当該風俗営業者を個人施行者とするものを除く。)の施行に伴う換地又は権利変換のための除却

7 建物の区分所有等に関する法律62条1項に規定する建替え決議の内容により行う建替え

により滅失したために当該風俗営業を廃止した者が、当該廃止した風俗営業と同一の風俗営業の種別の風俗営業で営業所が条例による制限区域の地域内にあるものにつき、風俗営業の許可を受けようとする場合において、当該許可の申請が以下のいずれにも該当するときは、不許可相当であっても、許可をすることができる。

1 当該風俗営業を廃止した日(火災、震災又は令第6条の2各号に掲げる事由により営業所が滅失した日をいう。)から起算して五年以内にされたものであること。

2 次のいずれかに該当すること。

(1)当該滅失した営業所の所在地が、当該滅失前から条例による制限区域の地域に含まれていたこと。

(2)当該滅失した営業所の所在地が、当該滅失以降に条例による制限区域の地域に含まれることとなつたこと。

(「営業所の所在地が、…の地域に含まれ」るとは、当該滅失した営業所の敷地の全部又は一部が営業制限地域内にあることをいう。)

3 当該滅失した営業所とおおむね同一の場所(滅失した営業所の敷地と当該申請に係る営業所の敷地とが一致していることをいい、令6条の2第5号又は6号に掲げる事由により営業所が滅失した場合にあっては、社会通念上営業の継続性が認められる程度に隣接又は近接していることを含む。)にある営業所につきされたものであること。

4 当該滅失した営業所とおおむね等しい面積(「おおむね等しい面積」とは、申請に係る営業所の面積と滅失した営業所の面積とが、社会通念上営業の継続性が認められる程度に等しいことをいう。)の営業所につきされたものであること。

 

 法2条1項7号の営業(ぱちんこ屋その他回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、じやん球遊技機その他法23条1項3号に規定する遊技球等の数量又は数字により遊技の結果を表示する遊技機を設置して客に遊技をさせる営業で、当該遊技の結果に応じ賞品を提供して営むものに限る。)については、公安委員会は、当該営業に係る営業所に設置される遊技機が著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準(別表2)に該当するものであるときは、当該営業を許可しないことができる。

 

○手続(法5条1項ないし3項)
 公安委員会に必要事項を記載した許可申請書を提出する。この場合において、当該許可申請書には、営業の方法を記載した書類その他の総理府令で定める書類を添付しなければならない。なお、申請書を提出する場合においては、正副二通の申請書を営業所の所在地の所轄警察署長を経由して提出しなければならない。
 また、一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について申請書を提出するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して提出すれば足りる。その場合に添付しなければならないこととされる書類のうち同一の内容となるものがあるときは、当該同一の内容となる書類については、一部をこれらの申請書のいずれか一通に添付するものとする。
 許可されたときは、速やかに,申請者にその旨が通知され、許可証が交付される。許可されないときは、理由を付した書面により申請者にその旨通知される。

●申請書記載事項(法5条1項各号)
・氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名
・営業所の名称及び所在地
・風俗営業の種別
・営業所の構造及び設備の概要
・管理者の氏名及び住所
・法人にあっては,その役員の氏名及び住所

 

●許可申請書の添付書類

(1)「営業所の使用について権原を有することを疎明する書類」とは、所有権、賃借権等、当該営業所の使用方法を最終的に決定することができる権原に関するものをいう。

(2)「営業所の平面図」は、建築確認申請時に提出する青写真に、出入口の位置、いす、テーブルの配置等必要な事項を記載したもので足りる。

(3)「営業所の周囲の略図」は、条例で定める保護対象施設との関係が明らかとなるような略図をいう。

(4)誓約書は、連名で提出することを妨げない。(もちろん連名でなくてもよい)

(5)「営業所が滅失したことを疎明する書類」とは、例えば、以下の書類である

@火災、震災並びに令6条の2第1号(災害,事故等)及び2号(災害等防止措置)に掲げる事由については、消防機関(市町村等)が発行する罹災証明書その他関係行政機関が交付する書類

A令6条の2第3号(必要的除却)に掲げる事由については、@に掲げる書類に加えて、特定行政庁若しくは建築主事が行政指導の際に交付する文書又は建築士が作成した報告書

B令6条の2第4号(勧告による除却)に掲げる事由については、当該命令又は勧告に当たって関係行政機関が交付する文書

C令第6条の2第5号(強制収用)及び6号(区画整理)に掲げる事由については、当該営業所をそれらの事由により除却したことを証する起業者、施行者又は関係行政機関が発行する書類

D令第6条の2第7号(区分建物建替え決議)に掲げる事由については、建替え決議を行った集会の議事録の写し等をいう。

 

 許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を公安委員会に届け出て、許可証再交付申請書(様式第五号)を当該公安委員会に提出し許可証の再交付を受けなければならない。

 

●相続(法7条及び7条の2)
 風俗営業者が死亡した場合で相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該風俗営業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。)が引き続き営業をする場合は,死後60日以内(これは注意が必要。民法上の相続は原則として相続の開始があったことを「知ったとき」から起算されるが,本法では死後が起算日となり,仮に死亡を覚知していなくても60日が経過すれば,営業の権利については相続できないこととなる。)に公安委員会に相続承認申請書(様式第六号)を提出して承認を受けなければならない。ただし相続人(法定相続人)に限る。遺贈(法定相続人以外の者への死亡後の寄贈)は認められない。
 なお,申請書は、当該申請書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して正副二通を提出しなければならない。また,一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所又は事務所について申請書を提出するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して提出すれば足りる。この場合,申請書に添付しなければならないこととされる書類のうち同一の内容となるものがあるときは、当該同一の内容となる書類については、一部をこれらの申請書のいずれか一通に添付するものとする。
 承認されたときは、速やかに,申請者にその旨が通知され、承認されないときは、理由を付した書面により申請者にその旨通知される。承認を受けた相続人は、被相続人に係る風俗営業者の地位を承継する。

 この相続承認申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

1 申請者が風俗営業者(法2条2項の風俗営業者であつて申請に係る公安委員会の法3条1項(風俗営業)の許可又は法7条1項の承認(許可等)を受けているものに限る。)である場合(次に該当する場合を除く。)には、府令1条4号の2に掲げる書類

2 申請者が未成年者である風俗営業者であつて、その法定代理人が申請者が現に営む風俗営業に係る許可等を受けた際の法定代理人である場合(申請に係る風俗営業及び現に営む風俗営業のいずれについても風俗営業を営むことに関する法定代理人の許可を受けていない場合に限る。)には、府令1条4号の3に掲げる書類

3 前二号に該当する場合以外の場合には、申請者に係る府令1条4号に掲げる書類

4 申請者と被相続人との続柄を証明する書面

5 申請者以外に相続人があるときは、その者の氏名及び住所を記載した書面並びに当該申請に対する同意書

 

 なお、相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした風俗営業の許可は、その相続人に対してしたものとみなされる。また、法4条1項(人的欠格事由)の規定は、法7条1項(相続)の承認の申請をした相続人について準用される。
 つまり,許可又は不許可の処分が出るまでは営業ができるということである。

 

●法人の合併
 風俗営業者たる法人がその合併により消滅することとなる場合において、あらかじめ合併承認申請書(様式第六号の二)に合併契約書の写し,合併後存続する法人又は合併により設立される法人の役員となるべき者(役員就任予定者)の氏名及び住所を記載した書面,役員就任予定者に係る府令1条4号イ及びハに掲げる書類並びに法4条1項1号から7号までに掲げる者(欠格事由)のいずれにも該当しないことを誓約する書面を添付し,正副二通の申請書を当該申請書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して当該公安委員会に合併する法人の連名により提出し,公安委員会の承認を受けたときは、合併後存続し、又は合併により設立された法人は、風俗営業者の地位を承継する。
 なお,一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について次のいずれかの申請書を提出するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して提出すれば足りる。また,二以上の営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して申請書を提出する場合において、申請書に添付しなければならないこととされる書類のうち同一の内容となるものがあるときは、当該同一の内容となる書類については、一部をこれらの申請書のいずれか一通に添付するものとする。
 承認されたときは、速やかに,申請者にその旨が通知され、承認されないときは、理由を付した書面により申請者にその旨通知される。
 なお、法4条1項の規定(欠格事由該当不許可)は、7条の2第1項(合併)の承認について準用される。

 

○取消し(法8条)  取消事由に該当する事が判明した場合は許可を取り消すことができる(相続又は法人の合併の承認を受けた者を含む。)。取消は必要的取消ではなく任意的取消で ある。つまり取り消すことが「できる」に留まり,取り消さなければ「ならない」訳ではない。

 これは欠格事由に該当する場合の不許可と大きく異なる点である。(欠格事由該当の不許可は「必要的」なもので行政庁に裁量の余地はない(覊束(きそく)行為)が取り消しは行政庁の裁量による(裁量行為)。

 

●取消事由
1 偽りや不正な手段で許可を受けたこと
2 欠格事由に該当していること
3 許可を受けてから6月以内に営業を開始しない又は6月以上営業を休止していること
4 3月以上所在不明

 

○構造等の変更(法9条1項ないし3項及び5項)

●承認を要する変更等
 風俗営業者は、増築、改築その他の行為による営業所の構造又は設備の変更(総理府令で定める軽微な変更をおよび特例風俗営業者が行うものを除く。)をしようとするときは、変更承認申請書(様式第八号)に府令1条1号から3号までに掲げる書類(法20条10項において準用する法9条1項の規定(遊技機の増設・交替等)により変更の承認を受けようとする場合にあつては、府令1条7号に掲げる書類)のうち、当該変更事項に係る書類を添付し,正副二通の申請書を当該申請書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して,当該公安委員会に提出し,あらかじめ公安委員会の承認を受けなければならない。公安委員会は承認の申請に係る営業所の構造及び設備が法4条2項1号の技術上の基準及び法3条2項(付款)の規定により公安委員会が付した条件に適合しているときは、法条1項(構造・設備の変更等)の承認をしなければならない。承認されたときは、速やかに,申請者にその旨が通知され、承認されないときは、理由を付した書面により申請者にその旨通知される。

 

●届出るべき変更等
 風俗営業者は、次のいずれかに該当するときは、当該届出書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に、総理府令で定める事項を記載した届出書(様式第九号)を正副二通提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、総理府令で定める書類を添付しなければならない。
 なお,一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について法5条1項1号又は6号に掲げる事項(同項1号に掲げる事項にあつては、風俗営業者の氏名又は名称を除く。)の変更に係るものについては,それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して提出すれば足りる。また,届出書に添付しなければならないこととされる書類のうち同一の内容となるものがあるときは、当該同一の内容となる書類については、一部をこれらの届出書のいずれか一通に添付するものとする。一の警察署の管轄区域内にある二以上の営業所について同時に風俗営業者の氏名若しくは名称の変更に係る届出書を提出する場合も同様である。この届出書を提出する場合において、当該届出書に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、許可証及び書換え申請書(様式第七号)正副二通を当該申請書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に提出して、その書換えを受けなければならない。

1 法5条1項各号(3号及び4号を除く。)に掲げる事項(同項2号に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に変更があつたとき。この場合,届出書の提出は,変更があつた日から十日(当該変更が法人の名称、住所、代表者の氏名又は役員の氏名若しくは住所に係るものである場合にあつては、二十日)以内に行う。

2 営業所の構造又は設備につき法9条1項の軽微な変更をしたとき。(届出を要する構造又は設備の変更は、営業所の小規模の修繕又は模様替、家具の入れ替え、照明設備、音響設備又は防音設備の変更等である。)この場合,届出書の提出は,変更があつた日から一月(当該変更が照明設備、音響設備又は防音設備に係るものである場合にあつては、十日)以内にしなければならない。

 

 特例風俗営業者が営業所の構造又は設備の変更をしようとする場合については、承認を要しない。この場合において、当該風俗営業者は、当該変更をしたときは、当該届出書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に、総理府令で定める事項を記載した正副二通の届出書を変更があった日から十日以内に総理府令で定める添付書類とともに提出しなければならない。

 

●承認・届出を要しない変更等
1 軽微な破損箇所の原状回復
2 照明設備、音響設備等の同一の規格及び性能の範囲内で行われる設備の更新
3 法2条1項8号の営業(遊技場営業)におけるゲーム機のソフトのみの入れ替え
4 営業所内の見通しを妨げない程度の軽微ないす、テーブル等の配置の変更

 

○許可証
 許可証(特例風俗営業者にあつては、認定証)は営業所の見やすい場所に掲示し(法6条),これを滅失・亡失したときは速やかに再交付を受けなければならない(法5条4項)。また記載事項に変更が生じた時は書換えを受けなければならない(法9条4項)。
 なお返納事由に該当することとなったときは遅滞なく(当該事由の発生の日から十日以内)、返納理由書(様式第十号)を添付し、許可証(滅失等による再交付の場合にあつては、発見し、又は回復した許可証)を公安委員会に返納しなければならない。この場合において、一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について許可証を返納するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して返納すれば足りる(法10条)。
    相続または合併の承認の申請をした相続人または法人は、その承認を受けたときは、遅滞なく、被相続人が交付を受けた許可証及び書換え申請書(様式第七号)正副二通を当該申請書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に提出して、その書換えを受けなければならない。

 

●返納事由
・営業を廃止したとき
・許可を取り消されたとき
・再交付を受け,亡失・滅失した許可書を発見・回復したとき
・相続の不承認(返納義務者は承認申請人)
・死亡した場合(相続人が相続の承認の申請をしなかつた場合に限る。返納義務者は同居の親族又は法定代理人)
・法人が合併以外の事由により解散した場合(返納義務者は清算人又は破産管財人)
・法人が合併により消滅した場合(その消滅までに、合併後存続し、又は合併により設立される法人につき法7条の2第1項の承認がされなかつた場合に限る。返納義務者は合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者)

風俗営業を廃止し、許可証の返納があつたときは、許可は、その効力を失う。

 

○特例風俗営業者(法10条の2)
 認定事由のすべてに該当する場合で,営業者の申請により認定できる。申請は、当該申請書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に、次の事項を記載した正副二通の認定申請書を提出しなければならない。この場合において、当該認定申請書には、総理府令で定める書類を添付しなければならない。
 なお、二以上の営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して申請書を提出する場合、申請書に添付しなければならないこととされる書類のうち同一の内容となるものがあるときは、当該同一の内容となる書類については、一部をいずれか一通の申請書に添付するものとする。認定されたときは、速やかに,申請者にその旨が通知され認定証が交付される。認定されないときは、理由を付した書面により申請者にその旨通知される。
1 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
2 営業所の名称及び所在地
3 営業所の構造及び設備の概要

●認定事由(法10条の2第1項各号)

・許可(相続または合併の承認を受けて営んでいる風俗営業にあつては、当該承認)後10年を経過している

・10年以内に本法に基づく処分を受け(当該営業に関するもののみならず、およそこの法律に基づくものをすべて含む。したがって、その者が複数の営業を営む場合又は営んでいた場合にあっては、そのすべてについて過去10年以内に処分を受けていないことを要する。)かつ現に受ける事由がない

・法令及び本法に基づく条例の遵守の状況が優良な者(風俗営業者が講習を当該営業所の管理者に受けさせる義務を履行しなかったことをいい、急病、交通事故、災害による交通の途絶等相当な事由により当該管理者が当該講習を受けなかった場合において、次の講習の機会に受講させたときは、これに当たらない。)

 

認定証の交付を受けた者は、当該認定証を亡失し、又は当該認定証が滅失したときは、速やかにその旨を公安委員会に届け出て、認定証再交付申請書(様式第十号の四)を提出し認定証の再交付を受けなければならない。
また、次の事由に該当する場合は必要的に認定を取り消される

1 偽りその他不正の手段により当該認定を受けたことが判明したこと。
2 当該風俗営業の許可が取り消されたこと。
3 この法律に基づく処分(当該営業に関するもののみならず、およそこの法律に基づくものをすべて含む。したがって、その者が複数の営業を営む場合又は営んでいた場合にあっては、そのすべてについて過去10年以内に処分を受けていないことを要する。)を受けたこと。
4 行状優良者に該当しなくなつたこと。

 

次の事由のいずれかに該当することとなつたときは、遅滞なく(当該事由の発生の日から十日以内)、返納理由書(様式第十号)を添付し、認定証を公安委員会に返納しなければならない。この場合において、一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について認定証を返納するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して返納すれば足りる

1 当該風俗営業を廃止したとき。
2 認定が取り消されたとき。
3 認定証の再交付を受けた場合において、亡失した認定証を発見し、又は回復したとき。
4 死亡した場合(返納義務者は同居の親族又は法定代理人)
5 法人が合併以外の事由により解散した場合(返納義務者は清算人又は破産管財人)
6 法人が合併により消滅した場合(返納義務者は合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者)

 

○名義貸しの禁止(法11条)
 許可を受けた者は自己の名義で他人に営業させてはならない。

 


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