2.営業等の種類
本法では以下の営業が規定されており,規制の対象となる。
◎接客業務受託営業(法2条9項)
専ら(該当するかどうかは、営業を営む者の意図及び営業の実態を踏まえて判断することとなる。)、次に掲げる営業を営む者から委託を受けて(請負契約、準委任契約、労働者派遣契約その他契約の形態を問わない。)当該営業の営業所において客に接する業務の一部を行うこと(当該業務の一部に従事する者が委託を受けた者及び当該営業を営む者の指揮命令を受ける場合(客に接する業務の一部に従事する者が、当該委託を受けた者及びこれらの営業を営む者の双方から指揮命令を受ける場合をいう。)を含む。)を内容とする営業をいう。
1 接待飲食等営業
2 店舗型性風俗特殊営業
3 飲食店営業(設備を設けて客に飲食をさせる(単に調理をして飲食物を販売する仕出し屋、弁当屋等は含まれない。)営業(屋台等でも、卓又はいす等を設けて客に飲食をさせる営業は含まれる。 )で食品衛生法21条1項の許可を受けて営むものをいい、接待飲食等営業又は店舗型性風俗特殊営業に該当するものを除く。)のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む(酒類を客に提供して営むことをいい、提供する酒類の量の多寡を問わない。)営業で、日出時から午後十時までの時間においてのみ営むもの以外のもの(「飲食店営業」とは、「設備を設けて客に飲食をさせる営業で食品衛生法21条1項の許可を受けて営むもの」をいう。ただし、接待飲食等営業又は店舗型性風俗特殊営業に該当するものを除く。他の営業と兼業しているかどうかは問わない。)。
食品衛生法21条1項 前条に規定する営業(飲食店営業等)を営もうとする者は、厚生省(厚生労働省)令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2項 前項の場合において、都道府県知事は、その営業の施設が前条の規定による基準に合うと認めるときは、許可をしなければならない。ただし、同条の営業を営もうとする者が次のいずれかに該当するときは、同項の許可を与えないことができる。
各号省略
ここで言う営業とは,営業の常態として、通常主食と認められる食事(社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、菓子パン類を除くパン類、めん類、ピザパイ、お好み焼き等がこれに当たる。)を提供して営むものを除く営業を言う(酒類提供飲食店営業)また,「営業の常態として」の解釈については、次の点に注意すること。
(1)営業時間中客に常に主食を提供している店であることを要し、例えば、1週間のうち平日のみ主食を提供する店、1日のうち昼間のみ主食を提供している店等はこれに当たらない。
(2)客が飲食している時間のうち大部分の時間は主食を供していることを要し、例えば、大半の時間は酒を飲ませているが、最後に茶漬を提供するような場合は、これに当たらない。
接客業務受託営業とは、専ら、接待飲食等営業、店舗型性風俗特殊営業又は酒類提供飲食店営業(日出時から午後10時までの時間においてのみ営むものを除く。)を営む者から委託を受けてこれらの営業の営業所において客に接する業務(客に接し、客にサービスを提供する等の業務をいい、接待に該当する行為のほか、談笑、お酌、水割りの調製、ダンス、ショウ、歌舞音曲等を見せたり、聞かせたりすること、客を客席等に案内すること、飲食物を客席に運搬すること、客から飲食代金等を徴収すること等がこれに当たる。)の一部を行うことを内容とする営業をいい、具体的には、コンパニオン派遣業、外国人芸能人招へい業、芸者置屋等がこれに当たると考えられる。したがって、営業所において客に接する業務に従事する者をこれらの営業を営む者にあっせんするにすぎず、あっせんされた者が営業所において行う業務について実質的な責任を負わないこととなっている形態は、客に接する業務の一部を行っているとはいえないことから、「接客業務受託営業」には当たらない。
これは本法で規制されないという趣旨であり規制が全くない訳ではない。この場合は労働者派遣法,職業安定法等他法令の規制対象となる。
旧法からかなり変更されている。風俗関連営業がより詳細に,また,新規に規制する営業を規定し性風俗特殊営業となり,ヘルス等も明文化され,インターネットの有料サイト,ホテトル等も加わった。さらに接客業務受託営業が新たに加えられた。はっきり言えば現状を追認したようなものである。基本的にあいまいな状態よりはっきり認めて規制した方がよいという考え方であろう。こちらに都合のいい解釈をすれば,法律に認知されたと見ることもできるわけである。それも一つの法律の見方なのだ。世の中悪いように解釈するより,いいように解釈した方が道は開ける・・・・