風俗愛好者のための法律講座 〜その5〜

 

風俗関連諸法(風適法)Ver.2.0 by KEN氏


4 規制及び遵守事項等(法3章,4章)
 本法の核心部分,旧法では対応できなかった部分も現状に応じ,また,将来へ対応するため,改正により更に詳細に規定されている。

◎深夜における飲食店営業の規制等(法4章2節)

○遵守事項

深夜において飲食店営業を営む者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

1 営業所の構造及び設備を、次の技術上の基準に適合するように維持すること。

2 室の床面積は、一室の床面積を九・五平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。

3 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

4 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備(規則43条に規定する営業に係る営業所にあつては、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を含む。)を設けないこと。

5 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

6 照度測定部分基準表に定めるところにより計つた営業所内の照度が二十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

7 規則23条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法32条2項において準用する法15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

8 ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。

9 深夜において客に遊興をさせないこと。

照度測定基準表
  2条1項1号又は3号に掲げる営業 2条2項2号、5号又は第6号に掲げる営業 2条1項4号に掲げる営業 2条1項7号又は8号に掲げる営業
ダンスをさせるための客室の部分 客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある営業所にあつては、当該設備の上面及び当該上面の高さにおける客の通常利用する部分 ダンスをさせるための営業所の部分 営業所に設置する遊技設備の前面又は上面
客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある営業所にあつては、当該設備の上面及び当該上面の高さにおける客の通常利用する部分
前号に掲げる営業所以外の営業所にあつては、次に掲げる客席の区分に応じ、それぞれ次に定める客席の部分
いすがある客席 遊技設備に対応するいすの座面及び当該座面の高さにおける客の通常利用する部分
いすがない客席 客の通常利用する場所における床面(畳又はこれに準ずるものが敷かれている場合にあつては、その表面)
 
前号に掲げる営業所以外の営業所にあつては、次に掲げる客席の区分に応じ、それぞれ次に定める客席の部分
いすがある客席 遊技設備に対応するいすの座面及び当該座面の高さにおける客の通常利用する部分
いすがない客席 客の通常利用する場所における床面

 

前号に掲げる営業所以外の営業所にあつては、次に掲げる客席の区分に応じ、それぞれ次に定める客席の部分
いすがある客席 遊技設備に対応するいすの座面及び当該座面の高さにおける客の通常利用する部分
いすがない客席 客の通常利用する場所における床面(畳又はこれに準ずるものが敷かれている場合にあつては、その表面)
    ぱちんこ屋及び令第十一条に規定する営業にあつては、通常賞品の提供が行われる営業所の部分

 

騒音振動基準表(令9条関係)
  1 住居集合地域その他の地域で、良好な風俗環境を保全するため、特に静穏を保持する必要があるものとして都道府県の条例で定めるもの 2 商店の集合している地域その他の地域で、当該地域における風俗環境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要があるものとして都道府県の条例で定めるもの 1及び2に掲げる地域以外の地域
昼間 55デジベル 65デジベル 60デジベル
夜間 50デジベル 60デジベル 55デジベル
深夜 45デジベル 55デジベル 50デジベル
備考一 「昼間」とは、日出時から日没時までの時間をいう。
備考二 「夜間」とは、日没時から翌日の午前零時までの時間をいう

 

○禁止行為

飲食店営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。

1 当該営業(深夜における営業に限る。)に関し客引きをすること。

2 営業所で午後十時から翌日の日出時までの時間において十八歳末満の者を客に接する業務(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)に従事させること。

3 十八歳未満の者を営業所(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)に客として立ち入らせること(保護者が同伴する十八歳未満の者を客として立ち入らせる場合を除く)。

4 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供すること。

5 3及び4で定める営業は、次のいずれかに該当する営業とする。
(1)営業の常態として客に通常主食と認められる食事を提供して営む飲食店営業(法第32条1項に規定する飲食店営業)
(2)前号に掲げるもののほか、営業の常態としてコーヒー、ケーキその他の茶菓類以外の飲食物を提供して営む飲食店営業(酒類を提供して営むものを除く。)

 

○深夜における酒類提供飲食店営業の届出等

1 酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該届出書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した正副二通の届出書を深夜において当該酒類提供飲食店営業を開始しようとする日の十日前までに提出しなければならない。
(1)氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
(2)営業所の名称及び所在地
(3)営業所の構造及び設備の概要

2 上の届出書を提出した者は、当該営業を廃止したとき、又上の各項((2)に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に掲げる事項に変更(総理府令で定める軽微な変更を除く。)があつたときは、当該届出書に係る営業所の所在地の所轄警察署長を経由して公安委員会に、廃止又(様式第十四号)又は変更(様式第十五号)に係る事項その他の総理府令で定める事項を記載した正副二通の届出書を廃止又は変更の日から十日(当該変更が法人の名称、住所又は代表者の氏名に係るものである場合にあつては、二十日)以内に提出しなけばならない。なお、一の公安委員会に対して同時に二以上の営業所について届出書を提出するときは、それらの営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して提出すれば足り、二以上の営業所のうちいずれか一の営業所の所在地の所轄警察署長を経由して届出書を提出する場合において、これらの申請書又は届出書に添付しなければならないこととされる書類のうち同一の内容となるものがあるときは、当該同一の内容となる書類については、一部をこれらの届出書のいずれか一通に添付するものとする。

3 営業開始及び廃止等の届出書には、営業の方法を記載した書類その他の総理府令で定める書類を添付しなければならない。

4 都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、以下を基準とし、これに従い条例で定めるところにより、地域を定めて、深夜において酒類提供飲食店営業を営むことを禁止することができる。
(1)深夜において酒類提供飲食店営業を営むことを禁止する地域の指定は、住居集合地域内の地域について行うこと。
(2)前(1)の規定による地域の指定は、深夜における酒類提供飲食店営業の態様その他の事情に応じて、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な最小限度のものであること。

5 4の規定に基づく条例の規定は、その規定の施行又は適用の際現に第一項の届出書を提出して深夜において酒類提供飲食店営業を営んでいる者の当該営業については、適用しない。

6 酒類提供飲食店営業(日出時から午後十時までの時間においてのみ営むものを除く。)を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。

(1)営業所で客に接する業務に従事する者(「接客従業者」)に対し、接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務(利息制限法その他の法令の規定によりその全部又は一部が無効とされるものを含む。)を負担させること。

(2)その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた接客従業者の旅券等(出入国管理及び難民認定法2条5号の旅券、道路交通法92条1項の運転免許証その他求人者が求職者の本人確認のため通常提示を求める書類で以下のもの)を保管し、又は第三者に保管させること。

@ 外国人登録法5条1項の外国人登録証明書

A 道路交通法107条の2の国際運転免許証又は外国運転免許証

B 次に掲げる者であることを証する書類
a 健康保険法の規定による被保険者(同法69条の7の規定による日雇特例被保険者を含む。)又はその被扶養者
b 船員保険法の規定による被保険者又はその被扶養者
c 国民健康保険法の規定による被保険者
d 国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組合法に基づく共済組合の組合員又はその被扶養者
e 私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者又はその被扶養者

7 接待飲食等営業を営む風俗営業者は、接客業務受託営業を営む者が当該接客業務受託営業に関し35条の2の規定に違反する行為(拘束的行為)又は売春防止法9条(前貸し等)10条(売春をさせる契約)若しくは12条(売春業)の罪に当たる違法な行為をしている疑いがあると認められるときは、当該接客業務受託営業を営む者の使用人その他の従業者で当該違反行為の相手方となつているものが営業所で客に接する業務に従事することを防止するため必要な措置をとらなければならない。

 

○指示等
1 公安委員会は、飲食店営業を営む者(飲食店営業者)又はその代理人等が、当該営業に関し、法令又はこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該飲食店営業者に対し、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすることができる。

2 公安委員会は、飲食店営業者若しくはその代理人等が当該営業に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は飲食店営業者がこの法律に基づく処分に違反したときは、当該飲食店営業者に対し、当該施設を用いて営む飲食店営業について、六月を超えない範囲内で期間を定めて営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。

3 公安委員会は、接客業務受託営業を営む者に対し、第一項の規定による指示又は前項の規定による命令をしようとする場合において、当該処分に係る接客業務受託営業を営む者が事務所を他の公安委員会の管轄区域内に変更していたときは、当該処分に係る事案に関する弁明の機会の付与又は聴聞を終了している場合を除き、速やかに現に事務所の所在地を管轄する公安委員会に国家公安委員会規則で定める処分移送通知書を送付しなければならない。

4 前項の規定により処分移送通知書が送付されたときは、当該処分移送通知書の送付を受けた公安委員会は、次の各号に掲げる場合の区分に従い、それぞれ当該各号に定める処分をすることができるものとし、当該処分移送通知書を送付した公安委員会は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該事案について、これらの規定による処分をすることができないものとする。
(1) 当該接客業務受託営業を営む者又はその代理人等が、当該営業に関し、前条の規定に違反する行為をした場合(善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認める場合に限る。) 善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすること。
(2)当該接客業務受託営業を営む者若しくはその代理人等が当該営業に関し第二項の政令で定める重大な不正行為をした場合又は接客業務受託営業を営む者が第一項の規定による指示に違反した場合 六月を超えない範囲内で期間を定めて、接客業務受託営業に該当する営業の全部又は一部を営んではならない旨を命ずること。

5 第三項の規定は、公安委員会が前項の規定により処分をしようとする場合について準用する。

 

◎興行場営業の規制(法4章3節)

 公安委員会は興行場営業者等がその営業に関し,刑法第174条(公然わいせつ)175条(わいせつ物頒布等)の罪を犯した場合は,その営業者に対して,当該施設を用いての営業につき,6月を超えない範囲を定めて,その全部又は一部の停止を命ずる事ができる。(第35条)
 これは店舗型性風俗特殊営業に該当しない興行場(映画館やライブハウス等)に対する規制である。また通常衣服を脱ぐことはないがそれに近いようなショーを行っている風営法外におかれる興行場に対する一つの牽制的効果を狙っているか,若しくは脱法行為防止のための規定である。


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