◎接客業務受託営業に関するもの(4節)
本営業は許可,届出等の規定が無い。つまりいつでも自由に営業をすることが可能でまたいつでも自由に営業を止めることも可能。本法により規制される営業の中でも最も自由度の高い営業形態である。
○禁止行為
受託接客従業者に対する拘束的行為の規制(法35条の2)
1 当該接客業務受託営業を営む者の使用人その他の従業者で法2条9項に規定する業務の一部に従事するもの(受託接客従業者)に対し、受託接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させること。
2 その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた受託接客従業者の旅券等を保管し、又は第三者に保管させること。
○指示(法35条の3第1項)
営業者等が禁止行為(拘束的行為)をした場合で,善良な風俗若しくは清浄な風俗環境を害し,又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは,事務所の所在地の管轄公安委員会は,その行為を防止するため必要な指示ができる。
指示することができるのは,禁止行為(従業者に対する拘束的行為)を犯し,かつ,風俗環境を害す等した場合であり,そのいずれか一方のみであれば指示はできない。
○命令(法35条の3第2項)
以下の場合は,6月を超えない範囲を定めて,接客業務受託営業に該当する営業の全部又は一部を営んではならないことを命ずる事ができる。
・刑法223条(強要)に当たる違法行為をしたとき
・善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を行わせる手段となるおそれがある重大な不正行為で以下の行為をしたとき。
1 労働基準法56条1項(15歳未満使用)、61条1項(未成年深夜業使用、労働者派遣法第四十四条第二項の規定により適用される場合を含む。)又は62条2項(未成年有害福祉業務使用、労働者派遣法44条2項の規定により適用される場合を含む。)の規定のいずれかに違反する行為
2 児童福祉法34条1項5号(15歳未満酒席接待業務)、6号(児童淫行)、7号(有害行為推知者児童引渡)又は9号(無権利者児童支配)の規定のいずれかに違反する行為
3 大麻取締法3条1項(無許可所持・譲渡)、4条2号(大麻原料医薬品施用・施用目的交付)、13条(栽培者譲渡)又は16条(研究者譲渡)の規定のいずれかに違反する行為
4 毒物及び劇物取締法24条の2第1号(使用・所持・不正販売・不正収受)の罪に当たる違法な行為
5 覚せい剤取締法14条1項(不法所持)、17条1項(製造者譲渡)若しくは3項(不法譲渡)、19条(他者施用)、30条の7(原料所持)、30条の9(不法譲渡)若しくは30条の11(他者施用)の規定のいずれかに違反する行為又は同法41条の11(譲渡受周旋)若しくは41条の13(譲渡受周旋)の罪に当たる違法な行為
6 麻薬及び向精神薬取締法12条1項(譲渡・交付・所持・他者施用)、24条1項(不法譲渡)若しくは3項から10項まで(不法譲渡)、25条(不法譲渡)、27条(他者施用・施用目的交付)若しくは28条1項(不法所持)若しくは3項(許可外所持)の規定のいずれかに違反する行為又は同法68条の2(譲渡受周旋)の罪に当たる違法な行為
7 あへん法7条(譲渡)若しくは8条(所持)の規定のいずれかに違反する行為又は同法54条の3(譲渡受周旋)の罪に当たる違法な行為
8 刑法136条(あへん煙販売又は販売目的の所持に係る部分に限る。)、137条(あへん煙吸食器具販売又は販売目的の所持に係る部分に限る。)、139条2項(あへん煙吸食場所提供)、140条(あへん煙等所持)、176条から179条まで(強制わいせつ・強姦・準強制わいせつ・準強姦)、181条(強制わいせつ等致死傷)、185条から187条まで(賭博・常習賭博・賭博場開帳図利・富くじ発売等)、224条(未成年者略取・誘拐)、225条(わいせつ目的略取・誘拐)又は227条1項(未成年者及びわいせつ目的略取・誘拐ほう助)若しくは3項(わいせつ目的被略取者等収受等)の罪のいずれかに当たる違法な行為
9 売春防止法2章(5条を除く。)に規定する罪に当たる違法な行為
10 職業安定法63条2号(公衆道徳上有害な業務に就かせる目的のための労働者の募集)の罪に当たる違法な行為
11 出入国管理及び難民認定法73条の2第1項(不法就労・不法就労目的支配・不法就労周旋)の罪に当たる違法な行為
12 労働者派遣法58条(公衆道徳上有害業務目的派遣)の罪に当たる違法な行為
・指示に反したとき