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「風俗関連諸法(売春防止法)質疑応答 その2」

先に公開した「風俗関連諸法(売春防止法)」に対し質問を頂きましたので解答いたします。
(解答:KEN氏)


【質問】

 伝言ダイヤル等を利用して相手が女子高生や未成年の場合は逮捕されるなどよくニュースでみますが成人女性の場合は聞いたことがありません。成人ですと援助でも客・女性共に罪に問われないのでしょうか?
 伝言のオープンBOX(不特定多数の男性が聞くメッセージ)に録音されている女性のメッセージを聞いていますと、「割り切った交際で会える人を募集しています。条件などを返して下さい」という風に援助という事や金銭に関する部分を言い換え、返事があった 男性に対し個別に電話で金額等を決める場合が多いようですがこの場合でも女性は売春勧誘ということになるのでしょうか?その場合相手の客も罪に問われるのでしょうか?

【解答】

 売春の際の客に対する刑事罰はありません。仮に現金の受け渡しの現場と実際に性交渉を持った現場を押さえられても,客は逮捕さえされません。
 参考人として事情を聴取されるのが精一杯の司法警察にできることです。
 一応は売防法で禁止されているのですが、罰則はないのです。女性に対しては「勧誘」についてのみ罰則が定められているだけで,やはり売春自体については処罰されません。
 ただし、民事上売春は不法行為を目的とする契約(不法条件といいます)となり無効な契約とされます。当然色々な問題が予想されますがここでは割愛します。
 一つ注意しなければならないのは、女性が18歳未満の場合ですこの場合は「児童買春」となり、客は当然処罰対象です。逆に女性に対しての罰則はありません。
 お気づきかと思いますがあくまで18歳“未満”です。18歳以上(すなわち満18歳より年の行ってる子です)であれば処罰対象とはなりません。たとえ女性が高校3年生でも18才をすぎていれば問題ないのです。
 また,売春勧誘の際の客についてですが,児童買春以外は方法等問わず処罰(逮捕)されることはありません。法に規定がない以上間違っても手錠を掛けることはできません。
 女性についてですが・・・以前名古屋で初めてネット上の掲示板に売春の勧誘をした夫婦が逮捕された事があります。
 このときは時間・料金・売春である旨の明示がありました。
 上記のような勧誘はどうか?と言われますと,私的には売防法に言う「勧誘」に当たると思います。「割り切った交際」と「条件を」と言うことで通常の注意義務を有する成人ならそれが容易に「売春」の申し出をしていると分かるからです。また不特定の人間が聞くことが出来ると言うことは売防法の勧誘に該当すると考えていいでしょう。
 しかし逮捕出来ることと実際に逮捕することは全く異なる次元の問題です。
正直言ってこの内容では被疑者(この場合は女性のことです)が否認すれば,例えば割り切った交際は不倫関係の事で,条件は逢える時間や日にちの事です,などと言えば一から立証しなければならなくなります。犯罪は故意すなわち意思がなければ成立しません。本犯のような場合は意思が犯罪を立証する上で大きなウェイトを占めています。こういった事件の立証は否認されるとかなり捜査は厄介な事になります。よほど別件で大きな事件でもなければ警察が動くことはないと思います。

 ただ,最近は各自治体警察もネット(伝言ダイアルなどの通信メディアも対象です)犯罪専門の部署を設立して,規制の強化に乗り出していますので,3年間くらいは警察も暗中模索の状態であろうと思います。