by ぱるる氏
概要-日ピン研の合同調査に参加された調査員諸氏が上梓するレポートには、「大阪は安い!」なる文面が散見される。本当に大阪の風俗料金は、その他の地域と比較して安いのであろうか?本調査では、東京、大阪、そして名古屋のホテルヘルス店におけるプレイ料金を比較した。プレイ料金としては、初来店でパネル指名して60分を遊ぶ場合を想定した。調査の結果、大阪のプレイ料金は東京および名古屋のそれと比較して有意に安いことが明らかになった。
方法
本調査では、ホテルヘルスに初来店してパネル指名後に60分を遊ぶ場合のプレイ料金を、プレイ料金の代表値として抽出した。大阪および東京はホテルヘルスの料金のみを抽出したが、名古屋はホテルヘルスの件数が少ないためその一部のデータは店舗型ヘルスのものである。料金は http://www.fuzoku-townpage.com/ を参考にして、割引等を利用しない通常価格でもっとも安い時間帯の金額とした。またホテル代金が明記されている場合にはホテル代金を上乗せして計算し、明記されていない場合にはホテル代金はプレイ代金に含まれていると仮定した。この方法でプレイ料金を計算した場合、ホテル代金がプレイ料金に含まれない可能性があり、プレイ料金が低く見積もられる傾向がある。しかし本調査では、このようなプレイ料金を低く見積もる傾向には地域差は存在しないとの仮定をおいた。また店舗によっては、50分や70分といったプレイ時間のみが設定されている。この場合にはプレイ料金とプレイ時間の関係は1次関数(福原関数)で十分に近似されるとする黒川の論文[1]に基づいて、前後のプレイ時間に対する料金から線形近似することにより、60分でのプレイ料金を計算した。
本調査ではまず地域ごとに50店舗のプレイ料金情報を抽出し、その情報を元にブートストラップ法にてプレイ料金情報を1000点計算した。分散を過小評価することのないように、ブートストラップ集合を生成する際にはSitterによるMM法[2]を用いた。その後、得られた1000点のプレイ料金情報を元に、地域ごとの平均プレイ料金を計算した。
結果
計算にはMathworks社MATLAB2006aおよびMicrosoft社Excel2003を用いた。東京、大阪、そして名古屋にてホテルヘルスで60分遊ぶ場合に必要なプレイ料金総額は、以下の通りである(平均金額±標準偏差)。
東京 :18278円±1246円
名古屋:19479円±1033円
大阪 :15256円±1120円
一元配置分散分析をおこなったところ、地域による効果が有意であった。このことは、地域ごとの平均プレイ料金が同一であるとは言えないことを示している。そこで続けて、どの地域間のプレイ料金に差があるかを、テューキーの多重比較法により検定した。その結果、東京-名古屋間、名古屋-大阪間、大阪-東京間、すなわちすべての地域間でのプレイ料金には統計的に有意な差があることが明らかとなった(有意確率P<0.001)。
考察とまとめ
本調査では、ホテルヘルス60分(新規客、パネル指名)のプレイ料金を基にして、三都(東京、名古屋、大阪)の風俗料金の高低を検討した。調査の結果、大阪の料金がもっとも安く、ついで東京、名古屋の順に平均プレイ料金が高くなっていくことが示された。この結果は、大阪での合同調査時に他地域の調査員が「大阪は安い!」という感想を報告する事例と一致するものである。今回はホテルヘルス(一部店舗型ヘルス)の料金のみを参考にして三都の風俗料金を比較したが、他業種の場合には異なる料金体系であり異なる結果が得られる可能性がある。また本研究では60分のプレイ時間のみを用いて比較をおこなったが、東京、大阪、名古屋の人間の金銭感覚に違いがあるのであれば、90分、120分とプレイ時間を延ばしていった際の金額の上昇度合いが変化する可能性がある。これはすなわち、黒川による福原関数[1]の傾きの変化により考察可能であろう。これらについては今後の調査課題としたい。
参考文献
[1] 黒川洋介 (2006). ‘福原ソーププレイ時間のお値打ち度〜福原関数による考察〜’,日本ピンサロ研究会.
[2] Sitter, R. R. (1992a). ‘A resampling procedure for complex survey data,’ JASA 87, 755-765.
研究部 風俗基礎理論研究室長 ぱるる (H19.08.23)