〜日本ピンサロ研究会〜

論文「男性および女性のオーガズムに関する学術的研究」

by ぱるる氏


1:はじめに

 最近,グローニンゲン大学のHolstege教授を始めとするグループが,「女性にオーガズムのある理由」と題する研究を行い,日本でもlivedoorニュース等で取り上げられたのは記憶に新しい.ヒトと快楽との関連は非常に深いものであるにも関わらず,宗教的な倫理観などの理由などにより,ヒトが性交渉等によりオーガズムを得るメカニズムについて多くの研究がなされているとは言い難い.本論文では,少ないながらもこれまでに脳科学の分野から得られているオーガズムに関する知見を概観し,ヒトの経験則として知られている「オーガズムを得る方法」との関連性について議論したい.それにより,よりよい風俗ライフおよび性生活を送る上での助けが得られることが期待される.加えて本論文は,風俗姫がより少ない労力でより大きな満足を顧客に与えるための一助となるであろう.

2:女性のオーガズムに関する先行研究

 グローニンゲン大学のHolstege教授を始めとする研究グループは,女性13名/男性11名の実験協力者を集め,パートナーとオーガズムに至るまでの脳の状態を,PETスキャナ(Positron Emission Tomography)を利用して調査した.その結果,女性がオーガズム演技をする場合(すなわち偽のオーガズム状態の場合)には大脳皮質をはじめ全脳に活動が見られたのに対し,真のオーガズムに達した場合には全脳の活動が低下した.特に扁桃体(ヒトの恐怖や不安の中枢とされる)の活動が有意に低下した.この結果について,グローニンゲン大学のHolstege教授は「オーガズムの間,扁桃体が機能停止することで,恐怖やストレスによって行為が中断されることを防いでいるのでしょう」「逆に言えば,扁桃体の機能を停止させるために女性にオーガズムがあるのかもしれません」と指摘した(本研究グループはこの知見を「世界で最初の研究」と主張しているが,実際には数年前から,オーガズム時の脳活動計測の試みは行われている).

3:男性のオーガズムに関する先行研究

 ちなみに今回のHolstege教授のグループの研究では,男性のオーガズムについては「PETでの脳活動計測に必要な時間,持続しない」という理由により残念ながら測定がなされていない(ようするに,PETの時間解像度では,射精する一瞬だけの快感に起因した脳活動を測定できないのである).しかし過去の研究事例を見ると,Tiihonenら(1994)のPETを用いた測定で,「基本的に全脳の活動レベルは低下するものの,右前頭葉の活動は有意に上昇する」ことが報告されている.このことは,基本的には男性のオーガズムの存在理由も女性のそれと同一であることを示唆する.すなわちオーガズムとは脳活動を低下させることにより,射精という無防備な瞬間に対する恐怖を麻痺させるための機能である可能性を示唆するだろう.

 しかしTiihonenら(1994)によれば,右前頭葉の活動のみはオーガズム時に有意に高くなることが報告されている.このことは何を示しているのだろうか.一般的に右前頭葉は,異種(多種)感覚情報を統合することに寄与していると信じられている.たとえば表情・ジェスチャー(視覚)と声(聴覚)の情報を用いて相手の情動を判断するような課題をヒトに行わせると,右前頭葉に大きな活動が見られることが報告されている.このことは,男性がオーガズムに達する際の引き金としては,視覚を介して得られる情報(エロ顔)および聴覚を介して得られる情報(喘ぎ声)を統合し,女性の快感が上昇していると判断できることが必要不可欠である可能性を示唆するものであろう.

4:考察

 このレビュー論文では,2本の先行研究をレビューすることにより,女性および男性のオーガズムについて検討した.これらの知見は,これまでに経験則として知られている事柄,および風俗のお嬢様が一般的に用いているテクニックと合致するものである.たとえばTiihonen (1994) を例にとれば,喘ぎ声を出さないいわゆるマグロ嬢と行為に及んだ場合よりも,感度の良い嬢と行為に及んだ場合の方が,男性はよりオーガズムに達しやすいことは良く知られている(ただしすべての知見は定性的な経験則であり,今後の定量的な研究は必要不可欠である).すなわち男性のオーガズムとは,性器への単純な物理的刺激だけにより引き起こされるのではなく,それと一致した視聴覚情報により引き起こされているのである.多くの男性諸氏がシックスナインを愛好されるのも,物理刺激と視覚および聴覚刺激を複合させることにより,大きな快感を得られることと関連しているのではないだろうか(これについては,日本ピンサロ研究会より発表されている論文(高樹陣内,2004)を参考にされたい).また経験豊富な風俗嬢は,客をより早く射精に導くために擬似喘ぎ声を利用したり,「○○も気持ちよくなってきちゃったぁん」との言葉を発したり,音を立てたフェラチオを利用する場合が多いのも,経験則としてTiihonen (1994)で得られたような結果を身につけていることによるものであろう.

 それではこれらの科学的な知見は,我々の風俗ライフにどのように反映させることができるだろうか.

 まず客側(男性側)で,「お嬢様をオーガズムに導きたい」という方は,如何にムードを作るかということが重要であろう.なぜならHolstegeらの研究結果を信じれば,オーガズムに達することを阻害する要因は,恐怖を感じることだからである.加えて男性が気持ちよくオーガズムに達するためにはどうすればよいだろうか.テクニックの良いお嬢様を選ぶことはもちろんのこと,Tiihonenら(1994)によれば以下の2点に留意する必要があるだろう.(1)視覚的な満足度の高いお嬢様を選ぶこと,(2)よく声を出してくれるお嬢様であること.しかし現実には,本指名やマジックミラー指名の場合を除いて,期待していたのとは全く異なるお嬢様が現れることも多い.この場合,どのようにしてなんとか気持ちよく放出できるであろうか.ヒトの脳は幸いにも,視覚入力を無視して,過去の経験を利用した視覚イメージを生成することができる.この場合,閉眼時には視覚入力がないにも関わらず視覚入力があるかのような脳活動が生成されうることや,幻覚/幻聴時にはあたかも目の前に視覚入力があるかのような脳活動が現れることが報告されている.つまり,視覚を介した入力がなくても,逞しく妄想を膨らませれば,あたかもそれを「見ている」かのように脳を騙すことができるわけである.これを利用して,視覚イメージのみならず音声イメージもフルに活用し,過去のオキニ嬢や憧れのあのコに脳内でガンガンとあんなことやこんなことをしてしまうことにより,より早くそして深くオーガズムに達することができるだろう.可能であれば,視覚入力と視覚イメージの競合をさけるために,閉眼になることが望ましい.

 それではお嬢様側としてはどうだろうか.お客に大きな満足を与えるためには,視覚情報(例えば表情)および聴覚情報(喘ぎ声など)を用いて,「自分が快感を得ている」ことを客に十分に伝えることが重要である.それはいわゆる「擬似」であっても問題はない(著者という立場を離れて,一客として考えると由々しき問題ではあるが).これにより男性を,より簡単により大きなオーガズムに到達させることができるだろう.ただし,「擬似快感」を表現する場合には,ヒトの異種感覚統合能力が極めて高いことに注意する必要がある.ヒトは,2つ以上の感覚器からの情報が同時に入ってきた際に,それらの間に乖離があるか否かを非常に高い精度で判断することが可能である.例えば,盛大な喘ぎ声を上げているにも関わらず,顔や体の動きが不自然な場合がそれにあたるであろう.練習を繰り返すことにより自然な演技を身に着け,さらに高レベルの接客を目指したいものである.また前述の通り,音声を利用したフェラチオ技などを身に着けることも,男性を容易にオーガズムへ導くテクニックとして有効だろう.この場合も,前述の「視聴覚感覚統合により誘発されるオーガズム」という概念にしたがえば,ジュブジュブ音のみならず,その音の生起因,すなわち唾液が垂れているところを男性客に見せ付けることが有効であると思われる.

 現段階では,ヒト男性が何の情報を主に利用して女性の快感を判断しているのかは明らかになっていない.これが明らかになれば,風俗のお嬢様は,より容易に客をオーガズムへと導くことが可能になることが期待されるだろう.これは今後の検討課題としたい.

5:まとめ

 男性および女性を問わずオーガズムに達するためには,脳活動を部分的に低下させることにより,オーガズム時への不安感を除去することが重要であるらしい.つまりSMプレイでたまに見かける「首を絞める」という行為も,一応は,意味のある行為であると考えることができる(ただし危険が大きいため,筆者は推奨しない).加えて,男性の場合には,視聴覚情報の双方により女性の快感を知覚することが,オーガズムを得るための有効な手段であることが明らかになっている.これらの知見は,これまでに人々が経験則として得ていた知識と全く合致するものである.これからも皆さんが風俗を介して「経験則」としてよりよいオーガズムを得るための知識を積み重ねていかれることを期待するとともに,その経験則に裏づけを与える研究が進んでいくことを期待する.

 

謝辞

貴重な発表の場を与えてくださった,日本ピンサロ研究会に感謝する.また,世間の冷たい視線に耐えつつもこの手の研究を推し進めている,Prof. Holstege of University of Groningenにも深い敬意を表する(完全に予断であるが,Holstege氏がこの研究を学会発表する際に最初に共同研究者に相談したことは,「面白い研究だろうか」とか「旅費はどうするのか」とかいうことではなく,「俺は変人扱いされはしないだろうか」ということだった).

参考文献

[1]http://www.physicsforums.com/archive/topic/t-8685_PET_scan_during_orgasms_(like_heroine_shots)..html

[2]http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2002/11/18/MN212373.DTL

[3]http://www.rug.nl/bibliotheek/catalogibestanden/elekpubrug/keur/1_holstege?lang=en

[4] Tiihonen, Kuikka, Kupila, Partanen, Vainio, Airaksinen, Eronen, Hallikainen, Paanila, Kinnunen et al. “Increase in cerebral blood flow of right prefrontal cortex in man during orgasm”, Neurosci. Lett., 1994, Apr 11; 170(2): 241-3. [Pubmed利用: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/
uery.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=8058196&query_hl=2]

[5] 高樹陣内.“シックスナイン最強論〜長野県風俗からの考察〜”,日本ピンサロ研究会,2004.(論文はここから)

※注釈:筆者は日本ピンサロ研究会の一研究員に過ぎません.いろいろと誤解があろうかと思いますがそこは水に流してください.

 西日本本部 直轄主席研究員 ぱるる (H17.09.03)

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