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「風俗店における積極的行動とストーカー行為の境界問題」

ピンサロ研究会
Pink salon rearchers labo.

1.はじめに


 近年、風俗産業における顧客の行き過ぎた行動が問題視されている。警視庁の報告によれば、風俗嬢を強引に店外デートに誘ったり、女の子の住所を調べ、自宅に近づくといった凶悪な事件は増加の一途を辿っている。「一般恋愛満足理論の構築」(1999,日本ピンサロ研究会)において証明されているように、風俗が恋愛の1形態である以上、顧客が自分の印象を良くしようと積極的行動にでることは当然であるが、度が過ぎるとストーカーと呼ばれる迷惑な行為になってしまうのである。
 では、どこまでが積極的行動でどこからがストーカー行為なのであろうか。実はストーカー行為に厳密な定義は存在しない。ある女の子が好意を抱く行為でも別の子にとっては迷惑極まりない場合も多々あるのである。しかし、それを恐れて積極的な行動を起こさなければ、風俗嬢との関係は一向に進展しない。そこで、本論分では、相手と自分との相互心理作用に着目し、積極的行動とストーカー行為の境界線を明確にすることを試みる。

2.風俗ミスマッチ問題


 迷惑行為の多くは、相手と自分との心理状態の差違が原因で発生する。風俗嬢が自分に好意を抱いて、自分も相手に好意を抱いていれば、積極的行動はプラスの効果をもたらすであろう。また、風俗嬢に一切愛を求めずに、逆に風俗嬢も一切の恋愛感情を持たない場合も、プラスの効果をもたらす。しかし、風俗嬢が恋愛感情を持っていないにも関わらず、顧客が過大な愛情を求めようとして積極的な行動に出れば、それはマイナスの効果をもたらすのである。風俗嬢の言葉を借りれば「重過ぎる」、「恐い」と受け取られてしまうのである。

 ここで、この心理状態の差を厳密に表すために、以下の風俗ミスマッチ変数という概念を導入する。

 風俗ミスマッチ変数 M=|Lt − Lg|

   Lt = 顧客が風俗嬢に対し期待する愛(0 〜 1.0)
   Lg = 風俗嬢が顧客に対して与える愛 (0 〜 1.0)

 M=0の状態は、両者の認識が一致しており、恋愛としては理想の状態である。一方、Mが最大(1.0)となる状態は、もはや恋愛としては成就不可能な領域である。なお風俗においては、Lt<Lgとなる、いわゆる「風俗嬢に愛されて困ってしまう」状態は99.9%ありえないので注意されたい。

3.積極的行動の引起こす愛情変化


 さて、先に心理状態の差によって、同じ行動がプラスの効果をもたらす場合とマイナスの効果をもたらす場合とがあることを延べた。そこで、ミスマッチ変数と積極的行動の効果との関係を表す以下のモデルを提案する。

 ΔLg= (1−2M)k

   ΔLg:愛情の増加
   M:ミスマッチ変数
   k:その行為のおこす定常状態における愛情増加係数(0 〜 1.0)

 例として風俗嬢に花束をプレゼントする場合を考える。仮に、花束をあげるという行為の愛情増加係数を0.2としよう。ここで、風俗嬢がまったく恋愛感情を持っていないにもかかわらず(Lg=0)顧客側が風俗嬢に対し最大限の愛情を求めている(Lt=1.0)とすれば、M=1.0、ΔLg=-0.2となり、結果的に風俗嬢の愛情は-0.2と減少してしまうのである。

4.ストーカー臨界点の定義


 愛情が負になり嫌悪感へと変わると、殆どの全ての行動が迷惑な行動と取られてしまう。すなわちストーカー行為とは、嫌悪感の限界値を超えた人物より与えられる全ての行為と定義できる。では、嫌悪感の臨界点とはどの程度であろうか。これについては厳密な定義は存在しない。そこで、1つの指針として以下のような境界を提示したい。

     Lg > 0.9 :愛している
 0.9 ≧ Lg > 0.5 :好き
 0.5 ≧ Lg > 0.0 :好意を抱いている
 -0.1 ≧ Lg > -2.0 :嫌い
 -2.0 ≧ Lg > -5.0 :大嫌い
 -5.0 ≧ Lg     :恐い(ストーカー)

 もちろん、ここで述べた境界値は1つの指針であり、今後風俗嬢に対するヒアリングを通して、より現実性の高い数値へと調整する必要があろう。

5.実験


 以下にコンピュータを利用して、一般顧客がストーカーへと変貌をとげる過程をシミュレートした結果を示す。また、高度な学習機能を備えたAIシステム”涼子”より出力された風俗嬢の心の声も併記しておく。

(1)風俗店で、とある風俗嬢に一目ぼれ
    Lt=1.0,Lg=0.2 (なかなかいい人かもしれない)

(2)プレゼント1(k=0.2)をあげる
    Lt=1.0,Lg=0.08 (もらっちゃっていいのかな)

(3)プレゼント2(k=0.4)をあげる
    Lt=1.0,Lg=−0.26 (うわー、困っちゃうな)

(4)電話番号を聞き出す(k=1.0)
    Lt=1.0,Lg=−1.78 (ちょっと待ってよー)

(5)家まで会いに行く(k=1.0)
    Lt=1.0,Lg=−6.34 (誰か助けてー)

6.まとめ


 本稿は、風俗店における積極的行動を否定するものではない。むしろ、風俗嬢との関係を前進させるための1つの方法論として提案したつもりである。関係を良い方向に進展させるためには相手の心理に近い位置に自分の気持ちを置くことが大切なのである。時には自分の想いを抑え、相手が与える以上のことを望まない(ミスマッチを0にする)ことが、悲願達成への近道ではないだろうか。

7.謝辞


 この論文を執筆するにあたり、貴重なご意見を聞かせて頂いた雄琴某ソープのN嬢、大阪某クラブのA嬢及び和歌山某ソープのY嬢に深く感謝いたします。