〜©日本ピンサロ研究会〜

緊急提言

「ピンサロにおけるサービスの多用性は性風俗業界を変革に導く事が出来るか」

by JT氏


 性風俗産業は、業態の多角化によって発展してきたのは衆知の事実である。しかし、絶対的構造不況の影響は客数の低化と共に性風俗産業をも飲み込みんでいる。それも性風俗産業は、風俗産業の中でも不景気に強い業態であるにも関わらずである。かつて、第一次オイルショックの時は、ソープランドの質的変化、つまり姫の低年齢化を生みだし、第二次オイルショックの時は、マントルから発展したファッションヘルスを生みだした。この二例には、不況を打開するキーワードが含まれている。それは次の通り、おおよそ三点に集約される。

1.姫の低年齢化。
2.低価格における、ユーザーへの訴求効果。
3.サービスにおける、多様化。

 これに現在の状況を照らし合わせると、如何に現在の状況が悲劇的か良く判る。それは、1に関しては、これ以上の低年齢化は社会通念上不可能であり、2に関しては今以上のディスカウントは、産業その物の存続に関わり、業態そのものの多様化は不可能に近い。 それでは、性風俗における現状の打破は何によってもたらされるのであろうか。一つの可能性としては、非合法的風俗の拡大である。現状における非合法的風俗は、合法的風俗でありながら非合法的サービスを恒常的に提供しているタイプと、まったくのアンダーグラウンドのタイプに分けられる。しかし、アンダーグラウンドタイプはリスク及び経費負担に見合うだけの利益を上げられるかは疑問であり、その理由は裏社会との繋がりを求められるのと、摘発である。そしてこれを逃れるために莫大な経費が必要であるからである。
 しかし、最大の問題点は、合法的風俗のアングラ化である。つまり本番と言う聖域に踏みこんでしまった時、ソープランドを除く風俗産業は壊滅的な打撃をうけると考えられる。つまり必要悪として認められている、ソープランド以外での本番行為は徹底した取り締まりの対象になるからである。それでは、現在の危機的状況を救えるのはいかなる事であろうか。私は、あえてピンサロのサービスの多用性に求めたい。それと同時にソープランドとピンサロは性風俗業界のリーダーとしての役割を勤め、健全な経営による社会的地位を得なければならない。
 この両業種は法規の拡大解釈により成立している業種ではあるが、残念ではあるがピンサロはソープランドほど社会的認知度は高くないように思われる。それは、ソープランドの営業区域が吉原、川崎堀の内といった特定区域に密集して存在していることで一般社会と隔離されており、それが社会的認知に繋がっていると考えられる。しかしピンサロの場合、一部例外はあるが殆どが、駅前の繁華街に存在しており一般社会と共生しなければならない。これが、ピンサロの宿命である。しかしそれが具現した時には社会的認知度は格段にアップすると思われる。(前発表の<ピンサロの駅前風俗としての優位性>を参照)
 現在、ピンサロは回転系とマンツーマン系に分類され、前者はピンサロ本来の姿である<抜き>を極め、後者は、風俗本来の姿である接客業を中心とし、尚且つ<抜き>が付随しており、それは正に接待の究極の形である。ここで、考えなくてはいけないのはピンサロにおけるサービスの多様化とは、接待、接客業におけるトータル的サービスの多様化である。そしてこれを具現化しているのがソープランドであり、接客と言う意味においては卓越したものがある。そのまま、ピンサロに適用できるとは思わないが、なんらかの形で取り組まなければならないであろう。
 今後ピンサロが目指さなければならないのは、接客業としての成熟である。回転系のピンサロは発射単価において他の性風俗を凌駕しており性風俗の業態として成熟していると認識できる。そして、マンツーマン系のピンサロの進むべき方向は共有する空間と時間を楽しむ究極の接待業であると考える。
 ピンサロにおけるコストパフォーマンスとは、受けたサービスに対する満足度が支払うべき対価に相応しいかどうかによって決定されるが、方法としては次の二点である。

1.徹底した経費管理をすることで、ディスカウントプライスを実現する。
2.サービスの充実による、顧客満足度のアップ。

 現在、ディスカウントプライスによる競争が盛んに行われているが、好結果が得られているとは思えない。(詳しくは、前発表の<ピンサロにおけるデフレ現象が及ぼす影響と今後の対応>を参照)そこで、前書したように究極の接待業を目指すというコンセンサスがピンサロにとって必要であるし、それを具現化することが性風俗業界に変革をもたらすと考えられる。
 とかく性風俗は、性的欲望からの開放が注目されるが、これからは精神的な癒しの部分、つまり風俗の基本をも兼ね備えていくことが必要であり、そして、それをピンサロが構築しなければならないし、それがピンサロの社会的認知に繋がり性風俗業界に変革をもたらすと信じている。

 風俗産業・経済研究室長 JT