〜©日本ピンサロ研究会〜

研究メモ「風俗雑感」

by 旅人2.0氏


 俺の名前は旅人2.0だ。
 年齢不詳、職業旅人、生れついての自由人。それが俺だ。
 今回から少しだけキャラを変えていこうかと思っている。だが生まれながらの旅人で根無し草。こればかりは変えられるものじゃない。

 今回は日本中を旅したからこそ見えてくる、思い出話を研究ノートとしてまとめてみた。参考にと言うよりも長いこと遊んでいる親父の小言として受け止めてほしい。

 俺は東京に長く住み、疲れ果てて福島に帰った。不思議と敗北感は無いが家族が去っていった事よりも、衰退していく風俗産業に淋しさを感じてしまった。
 かつては今ほどクリーンなイメージは無くとも面白おかしく成立し、賑わっていたのが気付いた頃にはネオンが消えてすっかりと街は浄化されていく。

talk.1「浄化」
 浄化という表現は聞こえはいいが、ただ単に目隠しをして地上から地下へと欲の捌け口を移そうとしているだけじゃないか?
 五輪前には東京で浄化がされるという話も、過去の四方山話からは信憑性を感じこそすれど具体的に何処がどう浄化されるのかをしっかり話せる者は居ない。
 WEBや日常の居酒屋話では、吉原や鶯谷といった伝統的な風俗街、あるいは池袋や渋谷という外国人から見えやすい地域。そんな話を聞くことはあるが、いまひとつ決め手になる話は出てこない。
 だが、店長ブログやツイッターなどでスタッフや在籍嬢が意見発信が容易にできるようになっているがどの口も綺麗である。偽善者や嘘つきなどと批判したいわけでは無く、法律を守る意思は立派だ。だが、その法律に迎合する事を意識してクリーンなイメージを持たれたいが為に発信しているのならばいずれ不本意な理由で潰されかねない。そう危惧しているのだ。

 都心以外を見渡すと、ある意味ではメッカにもかかわらず梅田あたりでは露骨に看板を出せないらしい。だが、営業そのものを制限はしていない。むしろ関西の性風俗文化を語る上で外せないのは新地の方かもしれない。浄化に勝てるのは新地。新地最強説を唱えたい。
 横綱で例えるなら、梅田や難波のホテヘルは白鵬など割合近い年代の強い横綱。飛田をはじめとする新地は、千代の富士などのレジェンド級の横綱。ホテヘルが今は王道だが新地文化あっての関西だと思うのだ。
 そのレジェンドが、サミットの時期に自粛をしたのだ。情報戦術においては料亭だという名目の為か、ホテヘルやらデリヘルやらにリードされているが社会に迎合して古来の遊廓遊びを守っているのはあっぱれとしか言えない。
 情報は常に現場にあり、綺麗なイメージなどは存続と維持という目的の前では何の意味も無いのだ。こういう潔さは他地域にもあまり無い稀有な例だと感ずるのだ。
 浄化に対抗できるのは口先の綺麗さでは無く、隠すべきものは隠した上での潔さだろうと思う。法律を守っているというアピールや、「法律で決まっているので」という論法には何か違和感を感じることは少なからずあるのである。

talk.2「栄枯盛衰」
 少なくとも2つのムーヴメントがあった筈だ。
 まずは「NK流」の台頭と摘発、衰退。ほぼ同じ時期に「名古屋流」の暗躍や誤解、そして終焉だ。
 NKは40以上の男なら誰でも知っているかと思うが、西川口である。雨上がりの竹林のように、本サロが出来ては消えていたがこれは全国的なものだろうか?〇〇流という表現には様々なものがあるが、一般男性からは熱い支持を得ながら当局にはかなり隙を見せてしまっただろう。何しろ、西川口流やNK流と掲げればもれなく本番が出来る店だと触れ回っているのに等しい。
 当時の男は、子孫が得るはずだった美味い汁を先行して啜り切ってしまったのかもしれない。ピンサロはNK流かそうではないかに関わらず、減ってしまう契機だったと感じているのだ。

 名古屋流。この言葉から某団体の某氏を思い出すのは、俺が歳をとってしまった証拠かもしれない。名古屋にあった「ブルーグループ」は言わずと知れた、某団体による企業だった。だった、というのは既に無くなったからだ。
 ブルーグループは名古屋流の火付け役というか、都心部や各地で名古屋流と言われた風俗店は軒並みこの団体の舎弟達だ。過激なサービスと安さを前面に押し出し、在籍嬢のレベルには目を瞑る。輩な店員が多いイメージがあるが、無論今は既に無くなったので安心して欲しい。
 愛知県はこの団体の根城ではあるが、それ故に目を光らせているのでこの団体は名古屋で派手な商い,それも風俗店だなんて今はできないのだ。
 ブルーグループは某氏の逮捕をキッカケに崩れ、名古屋に平和が訪れる。はずだったのだが、再開発により店が次々に廃業。先日久々に行ったが、かつてはヘルス王国だったが今はだいぶシャレオツになってしまった。

 清濁併呑の2000年頃が懐かしい。
 何しろ、西川口や名古屋には本来ポテンシャルがあるのだ。そうじゃなければあれほどのムーヴメントはなかった。名古屋に関しては某団体が絡まなければ、「デイトナ」という高級ヘルス(今は新栄に移転したらしいが)がある。本来ならヘルス発祥の地として教科書に載せたいくらいだ。
 おそらくだが、いっときはピンサロ、ヘルスの合計店舗数は日本一だったのではないだろうか?それが平成の30年ちょいで駆け上がって転落した。そのくらい浮き沈みの激しい世界なのだろう。

 ただ、この2つのムーヴメントに言えるのは、過激なサービスは時として自滅を招いてしまいかねない。いわゆる諸刃の刃なのだ。だがしかし、また同じようなムーヴメントを期待してしまうのは罪なのだろうか。

 (R02.03.09)

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