〜©日本ピンサロ研究会〜
(医学/臨床心理学 のコンバインド編)

by サブちゃん氏


 あれは熊本ソープ通いをしていた頃である。
 馴染みのXX倶楽部=A子ちゃん(22)の確認をしたらお休みとの事。仕方なく新規開拓と数軒覗いて

  「若い良い娘がいるよ」

の声で金X梅なる店へ。
 そこでB嬢と御対面。B嬢、公称24歳とのことだが、どうみても30歳は下るまい。女性の顔は童顔というだけでは隠し切れない部分があるのだ。服を脱ぐとお腹のあたりはこれまたどうみても経産婦のもの。ちらっとお腹に目をやるとB嬢曰く

  「昔太っていたから」

だって。
 受け付けのばばあと言い、B嬢と言い私が若い(当時22歳)と思ってよくいうなぁ、と思いつつも個室に入れば姫に気持ちよくサービスして欲しいから「ウンウン」とうなずく。総額15Kならこんなものと納得するのも大事である。でサービスを受けると結構気持ちよい(*^^*)。フィーリングも合う。
 以後、当時日銭稼ぎの私は懐具合に応じてA子ちゃんとB嬢の元へ通う事となった。熊本のエコノミー店はハズレが多いので冒険はしたくないのだ。スタンダード店ですらハズす事もしばしばあるのだから。あっ、XX倶楽部は1-2のスタンダード店です。
 でもって後日、本人から聞き出したらB嬢、やっぱり31歳二人の子持ちだそうな。

 そんなある日、B嬢の元から帰って来て数日すると妙に股間がかゆい。。。
 病魔に襲われたかとチェックするが、特に異常があるとも思えぬ。それから更に数日後、すでに時折かゆみで股間に手をのばすのが習慣となっていた状態でA子ちゃんの元を訪れた。
 いつものようにサービスを受けた後、無意識のうちに股間に手を伸ばす私を見て、

  「ちょっと見せて」

と私をベッドに座らせ自分は前にしゃがみ込み私の股間のチェックを始める。
 その仕種が真剣でまた可愛いし、なにより心地よい。
 数十秒で私が夢見心地になってきたころ、A子ちゃん。ちょっと得意げな顔で嬉しそうに、

  「ほら、いた!」

と、その細い綺麗な指先に付いたこれまた綺麗に手入れされた爪先で白い小さな何かを摘み上げた。そして彼女は紙の上にそれを置いて私に言った。
  「毛じらみよ」
  「ほら、良く見て。インベーダーみたいな顔してるでしょう。」

 う〜ん。コンマ数ミリしかないその物体をよ〜く目をこらして見るとスゲー憎たらしい姿をしている。当時はまだ公開されていないが、映画「プレデター」のエイリアンを彷彿させる形相である。
 やられた、B嬢である。B嬢には一度淋しい思いもさせられて(だったら行くなよ、オレ)暫くA子ちゃんに会いに行けない日を過ごさせられた事もある。
 今度、文句の一つも言ってやろう(つくづくバカ)。等と考えていたらA子ちゃん。

  「ちょっと待ってて」

と言い残しバスタオル姿で出ていった。
 数分後、何かを手にしたA子ちゃんが戻ってきて、

  「これを塗れば大丈夫」

と手にしたそれを見せてくれると、小さなチューブである。

私 :「なにそれ?」
A子:「水銀軟膏」
   「私も時々うつされるから病院でもらってきたんだ」
   「私、いつでも貰えるからコレあげるネ」
   「もし一度で駄目だったらもう一度塗ってネ」

と会話しながら私の股間に水銀軟膏を優しく塗ってくれる。まるで看護婦さんと患者のようである。そして私に塗り終わると彼女は自分の可愛いその茂みにも同じように塗り込み

  「これでお風呂に入れば大丈夫ヨ」

と言って私の手を引いて湯船に導いてくれた。
 私は彼女の仕種や優しい言葉にそれまで感じた事の無い感情を抱きつ、湯船の中で彼女の細い肩を抱きしめ一時の至福の時を過ごした。

 翌日かゆみはうそのように無くなっている。
 仕事場でトイレに行き用を足そうとすると、なにかがはらはらと落ちていく。?と思いながら個室の方へ移動してパンツを降ろすとさらにはらはらと落ちる。一つ拾ってみると毛じらみの死骸だ。
 股間をこするとそれはもう、日焼けの後剥けだした皮を擦ったように落ちる落ちる。都合数百匹は繁殖していたようだ。この狭い空間によくもまぁ、増えたものである。  その後二度とかゆみは襲ってこなかったので、卵も含めて全て死滅したようである。一撃必殺とはまさにこの事だ。

 後日B嬢を訪れ(やっぱりサル以下か!オレ)、毛じらみの話をすると
  「やっぱりうつった?」

と笑いながらショーツ脱ぐ。と、そこにはしっかり悌毛済の少女のようなXXXが! 彼女曰く

  「これが一番よ」

妙に興奮してしまい文句の一つも言おうと思っていたが、すっかりそんな気持ちは消し飛んでしまった。
 ある意味B嬢はA子ちゃんの対局にいるような姫であった。そんなところが私をリピーターにしてしまったのかもしれない。
 実のところ、B嬢とはいわゆる店外デートをしたり、サービス料を受け取らない仲だったりしたのだ。お客さん以上、友達未満と言ったところであろうか。

 程なく私は熊本を離れたがその少し前、A子ちゃんから

  「サブちゃんさん、いつも来てくれるから」

と、彼女がいつも身に付けていた18Kのブレスレットをくれた。私の記憶にあるかぎりそれを付けいてない日は見たことが無いブレスレットを、目の前で外し私の腕に付けてくれた。
 その後数年、肌身放さずブレスレットは私の腕で彼女の愛くるしい笑顔同様、輝いていた。

  「彼女からか」

と、からかう先輩や同僚には

  「違う、友達から」

と、だけハッキリ答えて。本当にはずしたのは、サウナや金を侵す温泉に入る時くらいである。

 しかし冬のある日、スキーから帰ってくるとブレスレットは私の腕から消えていた。ひどく転倒したときになくしたのであろう。その晩、一人布団の中でなぜか涙が止まらなかった。

 その後二度と熊本へ戻る事もなく、A子ちゃんに会いに行くこともなかった。 「借金があるから」と、言っていたA子ちゃん。もう、風俗は引退したのだろうか。幸せに暮らしているだろうか。

 見ず知らずの他人に、お客さんというだけで優しく接する事ができる心優しい天使達。お金の為に働いていても、少しもそれを表にださない。
 一緒にいる短い時間を本当の恋人、いやそれ以上に錯覚させてくれる。

 もちろん全ての風俗嬢がそうではないし、客の側も恋人の様に扱ってあげなければいけない。しかし、40になった今も風俗通いを止められないのは、あの一瞬の至福の時を忘れられないかもしれない。

 今もあの時貰った水銀軟膏のチューブだけは引き出しの中、静かに眠っている。A子ちゃんへのほのかな恋心と共に。。。。

 風俗産業・経済研究室 風俗構造改革特別研究班長 サブちゃん