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研究論文「風俗情報需要の東西比較について」

by ぱるる氏


1.はじめに

 今年度の当会(日本ピンサロ研究会。以下,JPSRI)の目標として,会長が「東のテコいれ」を掲げられていた。実際にレポート件数を見ると大阪を中心とした近畿圏の件数が多く,東京圏は散発的にレポートが上梓されるに留まっている印象を受けた。このことを考えると会長の打ち出した「東のテコいれ」なる方針は妥当であるかのように思われる。
 しかしながら当会の目的上,特に研究会員は,ある程度は読者のニーズに答えた調査をすることが求められよう。その視点に立ったとき,果たして会長が打ち出した「東のテコ入れ」なる方針が妥当であるかは自明ではない。そこで本論文では,読者のニーズが関東と関西のどちらに向いているのかを検討した。

※本論文を書きかけのまま半年間放置していたため,用いたデータが若干古いものである。本来はデータを取り直すべきではあるのだが,簡便に集計が可能な日ピン研Pocket!の提供が終わったため,古いデータをそのまま利用することとしたことをお詫びする。

 

2.インパクトファクター(IF)の導入

 学術論文の世界ではインパクトファクター(IF)なる係数が,ある論文がどの程度に価値があるか,また繰り返し読まれているかを指標化するために用いられている。JPSRIの風俗レポートの需要を定量的に評価する指標として,JPSRI式IFを導入することとする。学術論文でのIFとは論文ごとに掲載される。JPSRIの場合は同一店舗に連続して大量のレポートが上梓されることは少ないこと,またこの研究の目的が「地域間格差」であることを鑑みて,地域別でのIFを計算することとした。

 当研究室が手軽に取り出すことのできる「どれだけ読まれているか」をあらわす指標として,JPSRIの携帯サイト「日ピン研ポケット」の閲覧数ランキングを利用して,IFを定義した。IFは以下のように定義される。

IF=(期間内のランク係数の合計)÷(期間内のレポート投稿回数)

 ここでランク係数とは,閲覧ランキングでの順位をポイントに換算したものであり,ある日にランキング1位ならば5pt, 2位ならば4pt, 以下3,2,1ptを振り分けた。つまりIFは,一回のレポートが公開されるとどの程度に閲覧ランキングに乗りやすいか,別の言い方をすると閲覧されるのかと言う値を表すことになる。例えば期間を2ヶ月にしてIFを計算し,日本橋のIFがIF=4だった場合には,「この2ヶ月では,日本橋のレポートは提出されると閲覧ランキングは,ほぼ1位か2位になる」ということになる。別の例で言えば,もし難波がIF=0の場合,「集計期間内(直近の2ヶ月)には閲覧ランキングには乗らなかった」ということになる。

 

3.風俗情報需要の解析

 前述のIFを基にして,地域間でのレポートの読まれ具合の格差,IFの差を解析した。
 解析に利用した期間は2008年3月21日から5月20日までの2ヶ月間である。2ヶ月間で閲覧ランキングに乗った数をベースにして,上位20地域をリストアップして,それぞれの地域についてIFを計算したところ以下のような結果を得た。


吉原(東京)	4.2 
大塚(東京)	3.8 
かんなみ(兵庫)	3.7 
上野(東京)	3.6 
日暮里(東京)	3.5 
鶯谷(東京)	3.3 
新宿(東京)	3.1 
巣鴨(東京)	2.8 
町田(東京)	2.3 
錦糸町(東京)	2.2 
池袋(東京)	2.2 
秋葉原(東京)	2.2 
大門(名古屋)	2.0 
福原(兵庫)	1.7 
堀の内(神奈川)	1.7 
大宮(埼玉)	1.6 
五反田(東京)	1.3 
難波(大阪)	0.7 
日本橋(大阪)	0.4 
梅田(大阪)	0.4 
首位の吉原(東京)のIFは,IF=4.2という驚異の値をたたき出している。そもそもランキングが5位までしか表示されないということを考えると,吉原のレポートが投稿されると,ほぼランキング2位以上が確定するほどに読まれていることを表している。
 なぜ吉原かということについては,推測であるが,必要予算が高いことにより十分な事前情報を求めるという行動につながっている可能性,また本番系風俗に対する回帰が起こっていることを示唆している可能性が考えられよう。本番系風俗回帰の流れについては,大門,福原,かんなみなどの所謂本番系の地域が軒並み高いIFを示していることからも推測される。

 そしてこのIFで評価をすると,日本橋(IF=0.42),梅田(IF=0.39),難波(IF=0.69)と,大阪のレポートのIF値が他の地域をぶっちぎって低いことがわかる。リストアップされた地域は,ランキングに乗った地域の中で,ランク係数の合計が高い地域(すなわち,2ヶ月の間に閲覧ランキングに入ったレポートの合計数と理解していただいてよい)である。また大阪近県のレポート数は,非常に多い(日本橋43件,梅田23件,難波16件。ちなみに吉原20件,池袋20件)。にもかかわらず,大阪のレポートのIFが低いことは何を示しているだろうか。
 すなわち「大阪のレポートは大量に投稿されているものの,頻繁に読まれている割合が低い」ということを示している。
 個人別の比較は今回の主目的ではないので表示はしていないものの,日本橋のレポートで閲覧ランキング入りしている,すなわち多くの読者に読まれているレポートのかなりの部分を,みんなの人気者「不動産鑑定士」氏のレポートが占めている。またその他にも,出会い系喫茶レポートなど普通ではない風俗のレポートが,大阪地域ではランク入りしている。すなわち難波/梅田/日本橋レポートに対する興味は地域的な需要というよりも,投稿者に対する興味本位であると考えるべきであろう。
 このほかの大阪地域のレポートも多数投稿されているものの,閲覧ランキングに載ることはなかった。例えば京橋は,期間中に17本のレポートが上梓されているものの,ランキングにはかすりもしていない。もっとも京橋のレポートは同一レポーターによる同一店のレポートという,情報量がほぼゼロに等しいレポートが件数を押し上げているだけであり,当然の結果と言えるかもしれない。

 また今回は関東と関西の間の差異を主なターゲットとして議論をしているが,今回の解析の結果は,大阪のレポートの需要のみが少ないことを示しているわけではない。例えば北の聖地「すすきの」のレポートも当該調査期間内で17本投稿されているが,一度も閲覧ランキングには入っていない。

 

4.まとめ

 会員のアクティビティとして地域差を考えた場合と,レポートに対する需要として地域差を考えた場合とでは,全く逆の傾向があることが本研究から明らかになった。会員としてのアクティビティをレポート件数ではかることができるならば,明らかな西高東低傾向である。しかしいざ公開されたレポートに関する需要という側面で議論するならば,明らかに首都高西低であった。西のレポートが粗製濫造というわけではなく,そもそもの読者からの需要が東西で大きな差が出ていると考えるべきだろう。

 この状況は需要と供給のバランスとして考えると最悪な「需要に供給が追いつかない」状態であり,東の,正確には首都圏のレポートの拡充が急務である。ではどうやってこの現状を解消するか。
 妙案はない。結局のところ,東の会員に頑張ってもらうしかないというのが現状である。そういった意味では,会長の「東のてこ入れ」という発想は,非常に時宜にかなったものであったといえる。なかなかやるな,白いおっちゃん。
 しかしJPSRIは上官命令絶対の軍隊組織でもないし,調査費用が天から降ってくるわけでもないので,会長歌えど会員踊らず…となることは往々にして起こりうる。そもそもが,調査費用自体が個々人の財布頼みなので仕方の無いところではある。
 とりあえず大きな財布を持っていそうな第13独立調査隊の働きに期待しつつ,さらにはReel氏がその財をばんばん消費してくれることに期待しつつ(非会員の氏に期待するのは本末転倒であるが),くわえて呼塚氏が全国を飛び回る交通費を関東調査にぶっこむこともうっすら期待して,本稿を終わりたい。

 研究部長 ぱるる (H20.12.31)

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