〜©日本ピンサロ研究会〜

「風俗業界における価格形成に関する実証的分析」

ピンサロ研究会
Pink salon rearchers labo.

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The purpose of this paper is to grasp the relationship between the services and price in the FUZOKU industry. Resentry, this market is growing up higher and higher. The number of people who relate to the FUZOKU industry is about seventeen millions in Japan. So we think there is the "Price-Mechanism" like other Industrys has. The FUZOKU industry will be analyzed emprically and the mechanism will be revealed.

1.はじめに


近年の我が国における風俗産業の成長には目を見張るものがある。文部省の調査によれば、産業全体の年商は10兆円に達し、顧客数も全国で1700万人を超える巨大なマーケットに成長している。(経済白書, 1998) マーケットが成長を続ける要因については、多くの研究者が分析を行っているが、いまだに明らかにされていない。分析を困難にさせる要因は大きくわけて2つある。1つは市場において取り引きされる商品の価値が客観的に測定できない点である。もう1つは、このような新しい産業を分析するための手法が確立されていない点である。本論文では前者の要因に重点をおいて、風俗業界におけるサービスが客観的な3つの指標で評価できることを提案し、それを実証することを試みる。

2.風俗業界におけるサービス


現在の風俗業界には様々な種類の店舗が存在するが、それぞれ途中から派生したものであり、その元となる店舗は以下の4つである。
・ピンサロ
・ヘルス
・イメクラ
・ソープ
以上4つの系列ではそれぞれ目的が異なる。ピンサロならば手軽に抜くことができ、ヘルスなら恋人気分を味わうことができる等である。当然これらは主観的なものであり、顧客によっては恋人気分を味わうためにピンサロにゆく場合もある。しかしこれらの店舗が同じ風俗産業に属している以上、何か共通の指標が存在するものと考えられる。
男が風俗に求めるものはまず女の子である。このため女の子の質はどの店舗においても価格形成の大きな要因となっていることは間違いない。では、女の子の質のみによって価格が決まっているのだろうか。それならば、入り口で女の子を決定するまでが風俗のすべてということになりかねない。すなわち、入店後の行為についても指標が必要である。
複数の人間が限られた空間においてコミュニケーションを行う場合、そこには必ず相性が存在する。ある客が高い評価を行った女の子が別の客にとっても良いとは限らないのである。では、この相性と言う非常に数値化しにくい指標をどのように評価すべきであろうか。そこで、筆者は相性と客が入店後に受けたサービスの質が高い相関にあることを提唱する。すなわち以下を指標に用いる。

・女の子の質
・サービスの質
・価格

3.分析


データは筆者が各店舗を採点した5段階評価を用いた。評価に当たっては、可能な限り客観性を重視した。なお、サンプル数は9店舗であり、以下のとおりである。

(女の子,サービス,価格)
A:(3,3,4)
B:(4,5,1)
C:(0,0,3)
D:(3,4,4)
E:(4,6,3)
F:(1,2,4)
G:(3,2,2)
H:(3,4,4)
I:(0,1,2)

分析手法には重回帰分析を用いた。すなわち、風俗における価格とサービスの関係が

Price = a*Girl + b*Service + c (1)

というモデルであらわせるものとした。ここで、Priceは割引料金を含んだ価格であり、Girlは女の子の質、Serviceはサービスの質である。なお、近年ではニューハーフ風俗の台頭などにより、Girlを女の子に限るべきではないとの指摘もあるが、ここでは例外として扱うことにした。

分析結果は以下のとおり。

-------------------------

重決定係数:0.02

a:-0.25

b:0.18

c:3.03

-------------------------

4.考察


上記結果より、風俗業界における価格とサービスは相関関係にはないことがわかる。これは、高額な店がかならずしも良い女の子、良いサービスであるとはかぎらず、逆に良い女の子、良いサービスは高額な店以外でも得られることを表している。この結論は従来の「高額な店ほど満足度が高い」という学説を否定するものあり、大きな成果であると思われる。これにより従来の学説では説明しきれなかった、風俗業界の成長の要因を説明することができる。すなわち、風俗産業は支払った金額に相当するサービスを受けられるとは限らない、ギャンブル的な性格を持っているものと考えられる。この高リスク高リターンの市場は顧客の射幸心をあおり、多くの顧客の獲得に成功したのである。風俗業界の成長は競馬業界やパチンコ業界の成長と同じ要因なのである。

5.今後の課題


本研究における分析では、1つの手法しか用いていない。最近経営科学の分野で脚光を浴びている手法を組み合わせて多角的に分析を行うことが今後の課題であろう。また、多くの体験者から集めたより客観的なデータを用いることも必要である。

6.謝辞


今回の研究にあたり、惜みなくご協力頂いたピンサロ研究会のN氏、S氏、T氏、Y氏に感謝いたします。

[参考文献]

[1] San Publish, "Night Walker Vol.12", pp.1 - 23, 1997.
[2] Works corp., "City Heaven Kansai Vol.10", pp.62 - 70, 1997.
[3] メディアックス, 「夜遊び隊 11月号」, 1997.
[4] ピンサロ研究会,「ぼったくりに関する一考察」, 日本風俗学会紙 Vol.11, pp.100 - 300, 1997.