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調査メモ「マカオ(中共)の現状(R3年9月)」

by ルノアール氏


 こんにちは、ルノアールです。
 今回は、大好きな(笑)マカオの現状についてまとめてみました。約1年前(2020年8月)のレポートでは2020年初頭に新型コロナが話題になり始めた頃から同年夏までについて取り上げましたので、今回はその続編ということになります。

【調査】レポートNO.178
【時期】2021年(令和3年)9月15日時点
【対象の場所】中共・澳門(マカオ)特別行政区

【マカオへの渡航について】
(1)マカオ直行の場合
・2021年9月の時点で、マカオへの渡航は原則禁止(外務省HPによる)となっています。「全ての非マカオ居民の入境を禁止する(中国本土・香港・台湾居民および同居民である外国人就労者を除く。」

・外務省がまとめ外務省が把握している、とされる、日本から海外渡航する際のデータが2つあります。
1.「日本からの渡航者や日本人に対して入国制限措置をとっている国・地域」が70か国/地域あり、マカオ、香港が含まれます。
2.「日本からの渡航者や日本人に対して入国に際して条件や行動制限措置を課している国・地域」が181か国/地域あり、こちらもマカオ、香港が含まれています。

・注目したいのは、「マカオ渡航は原則禁止」という部分と「入国制限措置」の部分です。原則と言うからには例外など何かありそうで、また入国も制限されるが特例があるようです。

・そこで、向こう(マカオ側)はどうなっているか調べてみました。
 マカオ政府の公式発表の中で、日本人(外国人)に関連する所及びその周辺のみ抜粋すると、
@過去21日以内に中国を除く外国・地域に滞在歴のある全ての中国本土、香港および台湾居民は、マカオへの入境を禁止。
→1年前は、過去14日以内だったので条件が厳格化。
A外国人(日本人)はマカオ入境前に中国本土に21日間滞在し、かつマカオに家族がいる場合やその他マカオと密接な関係のある例外的な場合は、衛生局の事前許可を得た上で入境を可能とする。
→マカオに家族もおらず、これで完全アウトか?
Bマカオ国際空港は無期限のトランジットサービス停止。

・まとめると、マカオ直行はまだ無理のようです。

(2)香港経由でマカオ入りの場合
(2−1)香港入境まで
・直行便がダメなら、香港を経由するルートはどうか?コロナ以前にも、日本からマカオへの渡航については、マカオ直行便以外、香港を経由するルート(海路、陸路)がありました。むしろ、香港を経由する旅行者の方が、直行便よりも多かったぐらいです。

・外務省HPまとめ、によると、(香港からみて)現在、日本はグループB(中リスク国)に分類されており、日本から香港に入境可能な対象者は以下の通り。
@香港居民(香港ID所持者など。以下省略)
Aワクチン完全接種者である非香港居民(香港ID又は長期滞在ビザ等を所持しない短期渡航者等)。
→ワクチン完全接種(関連する条項が多数あり)の条件に当てはまれば、日本人にも行くチャンスは有りそうです。
→香港域外でワクチンを接種した場合に接種済みと認められるワクチンのリストがあり、それによると現在日本で接種できるワクチンは全て認められている、とのこと。
→日本でワクチン接種した場合に、ワクチン接種をした自治体が発行するワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)は、上記の条件を満たすので有効であるとのこと。

・しかし、外務省HPの、新型コロナウィルス感染症Q&A2番の2(問2-2:香港へ向けて出発する前に準備すること)によると、さらに次の3項目をクリアする必要があります。
@ホテル予約
 日本を含め海外から香港行きの航空機に搭乗する際には、英語または中国語で記載された、香港到着日から数えて21日分以上(ワクチン完全接種者は14日分以上)の香港での指定検疫ホテルの宿泊予約確認書が必要。
→ワクチンパスポートが有れば14泊、無ければ21泊(以上)の旅行となるわけです。これはハードル高い!
APCR検査の陰性結果証明等の取得
・PCR検査であること(抗体検査、抗原検査等は不可)
・検査機関は、ISO15189の認定または、政府機関の認定のある研究所または医療機関であること。
・必要書類は2つ。
(1) 陰性結果証明書(英語または中国語)
・旅行者名(パスポート等と同じ名前)、検体採取時刻(航空機出発時刻の前72時間以内)を記載したもの。
(2) 上記検査機関がISO15189または政府機関の認定を受けていることを示す証明書(第三者が発行したもの)
B健康申告
・香港入境前に健康状態の申告が必要。申告は航空機搭乗前にオンラインで行うことが推奨される。

・以上まとめると、日本国内でワクチン2回接種し、自治体等で接種証明を取得する、と。ここまでは簡単?

・旅行日程が決まれば、航空機搭乗前72時間(3日)以内にPCR検査を受け、陰性証明と検査機関認定証明を取得する。さらに航空機搭乗前に、健康申告」を行う。

・しかし最大の関門は、その旅行日程でしょうね。ホテル14日間予約って、そもそもそれだけの期間、休暇を取れる人って居るのか?費用もメチャかかるし。

(2−2)香港到着以降
・仮に、ここまで全部クリアしたとしましょう。で、航空機は無事、香港国際空港に到チャック。しかしここからまた一筋縄ではいきません。箇条書きにしてみます。
@香港国際空港内の臨時検体受付センターで入境手続き前にウィルス検査を受診が求められる。検査結果が出るまでその場で待機するが、通常2〜3時間かかる。
A検査結果が陰性であれば、政府が用意したバスで、予約した指定検疫ホテルに移動。
Bホテルでは、21日間の強制検疫を受ける。
C強制検疫期間中は、廊下、ロビー等ホテル内を含め、ホテルの部屋を出ることは出来ない。
→(もはや大爆。)
D強制検疫期間中はホテルの部屋に、家族・友人を含めて来客を迎えることは出来ない(当局の許可がある場合のみ可)
→デリ○ル嬢も来客となるので、一縷の望みも消え・・・。
Eワクチン完全接種者は14日間に短縮されるが、その後7日間の自己観察を行う。
F自己観察中は外出可能である。ただし一日二度の検温、適切な手洗いの実施等が求められる。
G自己観察中に香港を離れることは認められている。
→キターーっ。これは、マカオ政府発表の条件とようやくリンク(外国人は21日間、中国本土に滞在の後に〜の部分)か・・・しかし香港って、「中国本土」に含まれないような。

(2−3)強制検疫終了の後
・香港滞在15日目から、ホテルを出ることが出来、香港から離れることも出来ます。が、しかし今度はマカオ側の条件があるので、素の日本人ではマカオに入境できなさそうです。因みに、マカオ入境できるのは特別の条件を保有する者(例えばIR推進派の某国国○議員や、日○研会長等、権威と官位、人徳を持つと認められた者)のみ可能です。
あ、最後の2行はジョークなのでサーセン(すみません)。

【マカオIRの現状等】
(1)カジノ売上高
・去年(2020年)が、新型コロナの世界的蔓延について元年だったと言えるでしょう。そこでカジノ年間売上高の推移を調べてみました。
マカオカジノ売上高(2018年)4兆0809億円
(2019年)3兆9412億円
(2020年)5735億円
・2020年は対前年比、年間で85%の減少となりました。

・月平均ベースの数字では、2018年が3400億円、2019年が約3300億円に対し、2020年は480億円。

・コロナ騒動が始まった去年1月はまだ影響が少なく、マカオを訪れる観光客もほぼ従来通りでした。因みに、私も1月に訪問したのですが、それが去年唯一のマカオ旅行でした。コロナの影響がモロに出始めたのは2月以降です。

(2)観光客数について
・マカオの観光客(訪問客)数のコロナ以降の動向についてですが、前述の通りまず去年2月から、コロナ対応として外国人の入境禁止措置が行われました。その結果、月別の数字が最大瞬間風速では対前年比99%減少。平均でも対前年比90%台の減少が去年7〜9月まで継続。

・100%減でない理由は、中国本土・台湾・香港の居民は当局の許可等の条件付きで入境が認められているからです。

・厳しい措置を取った結果、マカオ域内でコロナ新規陽性者は0(ゼロ)人にまで減少。そこで、まず隣接する広東省市民に対し渡航許可証の発給を再開(去年8/26より)。さらにそれを中国全土に拡大しました(去年9/23より)。

・その結果、観光客も少々戻り、去年10月〜12月までの間対前年比90%減程度まで回復(それでも、モノ凄い減少ではあるが。)

・ところが、昨年末から新たに変異株の問題が起こり、実際に変異株による世界的な蔓延が拡大。マカオでは、年を越した頃(2021年1月)から、観光客数が再度減少へ。

・例年なら、中華圏では年末年始と、春節と呼ばれる旧正月の期間まで、カジノもそれ以外もいわゆる稼ぎ時なのですが、去年、今年と2年連続で空振りになったようです。

・マカオの観光客数の推移は、最近3年間で以下の通り。
マカオ観光客数(2018年)3,580万人
(2019年)3,490万人
(2020年) 590万人
・2020年は対前年比、年間で約83%の減少となりました。

(3)サウナ等への影響
・上記の通り、2020年のマカオの観光客は対前年比83%減少、カジノ売上高は対前年比85%減少しました。減少率が、ほぼ同じ傾向になりました。

・マカオのサウナ・スパ等の訪問客については、上記のような統計は無いです」が、ルノアール調べによると、サウナ訪問の国別内訳は、
・中国(本国、大陸):85%
・中国(香港・台湾):10%
・その他(日本、韓国他):5%程度
ぐらいの割合でした。数字からみて中国本土からが圧倒的に多いです。入境制限が緩和されたとは言え、観光客数減少に伴ってカジノ売上高は85減少。サウナの訪問客も同様に80〜90%は減少していると思われます。

【エピローグ】
・マカオについて、外国人の入境禁止、直行便は運行休止のままです。香港は、条件付きで入境可能であるものの、前述した通り14〜21日間の強制検疫期間がある等、自由な往来はまだ出来ません。

・ワクチンパスポート等の普及を手始めに、もっと何か画期的な方策が見つかり実施されるまで、まだ時間がかかりそうです。

・・・また投稿させて下さい。

 四国支部長 ルノアール (R02.09.27)

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