〜©日本ピンサロ研究会〜

研究ノート「名古屋風俗の現状と今後の動向」

by マーシー氏


 こんにちは、マーシーです。
 17〜18年ほど前、名古屋市内にはヘルスが300店あると言われていました。当時、ヘルスが風俗の王道だと名古屋人は信じ切っており、ヘルスの一人勝ち状態が続いていました。
 そのヘルスに待ったをかけたのが名古屋式ピンサロ、いわゆるキャンパブと名古屋名物とまで言われたビデオパブです。これが名古屋駅西口界隈で爆発的に増加しました。「ミルク de GO」「奥さま戦隊Eレンジャー」「回っていいとも」「サワリーマン金太郎」「乳’sキャスター」なと当時の流行語をもじった店名で、各お店が趣向を凝らしたサービスを展開し、お店選びもそれは楽しいものでした。思い起こせば「日ピン研愛知支部」が大いに盛り上がっていたのが、この時期と重なります。
 さらにこの時期の風俗情報雑誌「City Heaven 東海版」は電話帳並みの厚さでした。ただこれも長続きせずに2005年の愛知万博前後からキャンパブとビデオパブの摘発が始まり、名古屋市内に約70店舗ほどあったこれらの業態は壊滅状態に陥りました。
 噂では名古屋駅周辺の都市開発で高層ビルが乱立し、大企業が何社もオフィスを構えたことから端を発し、新幹線のホームから見える、ピンクネオンは世界中から集まる顧客に悪い印象を与えるとのことから大摘発に至ったと言われています。
 これで需要と供給のバランスが崩れたのか、ヘルスも大規模グループのみが勝ち残り、その他は撤退に追い込まれます。
 そこで誕生したのが、サービスと女性の質の高さを売りにしたエステという業態です。このブランドを確立したのは大阪のグループだと言われていますが、ヘルスからエステに鞍替えするお店、デリエステの乱立など、この傾向は今でも続いています。
 またこのように店舗型が衰退していく中、急激な伸びを示しているのが無店舗型、いわゆるデリヘルです。おそらく愛知県の無店舗型の届出件数は1500件を超えていると予測されます。ちょっと古いですが面白いデーターがあります。2014年の全国のデリバリーヘルス店舗数ランキングです。

1位 東京都 3114軒
2位 大阪府 1728軒
3位 愛知県 1164軒
4位 福岡県 1105軒
5位 北海道 1100軒
6位 千葉県 663軒
<資料>都道府県別統計とランキングで見る県民性より

 しかし店舗型・無店舗型に限らず、新規に店舗をオープンしても1年後に残っているのは20%とも言われています。こうしたことからも現在の名古屋の風俗産業は完全に斜陽期を迎えていると思わざるをえません。そしてリニア中央新幹線建設で、名古屋の街はさらに大きく変わると予測されます。これで風俗王国まで言われた名古屋の風俗産業は衰退するのか、維持できるのか、……。名古屋の動向からは今後も目が離せないと言えます。
 反面、日本には13000軒もの風俗店があり、そこで働く女性は30万人以上にも及ぶと言われており、全国にあるセブン・イレブンの店舗数が16000軒というからびっくりです。風俗産業は現在では完全な供給過剰、買い手市場の状態にあり、今や貧困層の女性が最後の砦としてすがりつく場所ではなく、かつてのように腹をくくりさえすれば誰にでもできるというものではなくなり、選ばれた女性しか就けない特殊な職業になっているとも言われています。そう言われてみれば風俗嬢の低年齢化やレベルアップが名古屋でも感じられます。
 性風俗産業は決してなくならないとの見方もありますが、4年後には東京オリンピックも控えており、名古屋と同様に東京の動向も気になるところです。

 研究部 風俗基礎理論研究室長 マーシー (H28.09.21)

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