by マーシー氏
これは前回の「色恋営業についての一考察」の続編とも言えます。
これから述べる風俗嬢たちのことはずいぶん昔の話ですから、ここに登場する姫は皆、すでに引退、もしくは卒業をしています。ですから、もう時効ということもあり、深く印象に残っている姫たちのことを今回ここに、小生の歩んできた足跡として、書き残すことを思い立ちました。
@「ビデパ嬢/当時20代前半」
この姫とはメアドを交換しており、訪問の際は必ず事前にメールで知らせていました。ある日、お店に行くと「ねぇ、お金貸してくれない?私、困っているの・・・。」と擦り寄ってきます。その理由も何か言っていたような記憶がありますが、はなから取り合う気もなかったので良くは覚えていません。風俗嬢としてそれなりに稼いでいたと思われますが、ホストにでも入れ込んでいたのか、お金を無心してきたことで幻滅をしました。この日を境にして、この姫からのメールは受信拒否に設定し、それ以降は顔を合わせることを避けました。
@「ビデパ嬢/当時20代後半」
この姫ともメアドを交換しており、訪問の際は必ず事前にメールで知らせていました。ある日、お店に行くと「お腹空いているでしょ。遅い夕食は身体に悪いよ。」と言って、なんと小生に手作りのお弁当が差し出されました。もちろんポットに用意された温かいお茶と共に・・・。これは思ってもみなかったことで本当に驚きました。小生は仕事柄、労働時間が長く、当時は夕食をとるのが、午後11時前後になると姫に話していたので、それを気遣っての姫なりの思いやりでした。
この日はプレイを返上して、狭いブースの中で、このお弁当を美味しく頂きました。もちろん完食致しましたが、当時はビデパ全盛期で、現在のようにブースがキャンパブ仕様で、周りが見渡せるような事がなく、それなりにプライベート空間が保たれていましたから、このようなことが可能だったと思います。この後、姫は訳あって、故郷に帰っていきました。
A「イメージヘルス嬢/当時20代後半」
初めて訪問したイメージヘルスで、勝手がわからず戸惑う小生に対して、「好きにしていいんだよ。私の下着とパンストも汚していいからね・・・。」と優しく声を掛けてくれた姫です。M性感系などの言葉責めで、「どうして欲しいのか、言ってごらん!」と迫ってくる姫はいますが、こんなに優しい言葉を掛けてきた姫には、この日初めて出逢いました。おかげで小生の望みはすべて叶って、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
その後、この姫ともメアドを交換して、「オキニ嬢」としての存在が続きました。お店も転々と変わりましたが、「追っかけ」のごとく、追い続けましたが、いつしか音信不通となりました。
B「ヘルス嬢/当時20代後半」
この姫ともメアドを交換して、「オキニ嬢」として通い続けました。ある日、「お店に退店を申し出たんだけど、辞めさせてくれなくて困っている。従業員がマンションを見張っていて、お店を休むこともできない。もう怖くて、怖くて、どうしていいのかわからない・・・。」と助けを求めるメールが届きました。まるで吉原遊郭の足抜けを想像するかのような話です。
代わりに店側と話をつけてあげようかとも考えましたが、素人の小生には余りにも荷が重過ぎます。結局は姫といろいろと相談し合った結果、しばらくの間、姫の知り合いのところに匿ってもらうことになり、その日の最終時間に予約を入れ、プレイ終了後にお店から出てきた姫を、その知り合いのところまで小生がマイカーで送り届けました。
もしも、小生が姫の代わりに店側と話をつけるなんてことになっていたら、今頃は生きていなかったかもしれません(笑)。お店と縁を切る目的もあり、携帯の番号とメアドを変えたので、その後は音信不通となりました。今頃、幸せに暮らしていればいいのですが・・・。
C「ビデパ嬢/当時20代前半」
この姫にはずいぶん入れ込んで、かなりの頻度で通っていました。もちろんメアドの交換も済ませていました。この頃、風営法の改定があり、ビデパという業種が摘発の第一候補となり、閉店に追い込まれるお店が続出しました。
訪問の約束がしてあったある日、この「オキニ嬢」からメールが届きました。そこには「今日は警察のガサ入れがありそうだから来ないでね。」と記されていました。何かそんな情報がお店にでも入ったのでしょう。しかし、この「オキニ嬢」に舞い上がっていた小生は、「そんなこと気にしなくていいよ。○○ちゃんにどうしても逢いたいから予定通りに行くよ。」と返信しました。すると、「馬鹿なことを言わないで!あなたは普通のサラリーマンなんだから、その経歴に傷を付けたくないの!私の気持がどうしてわからないの?絶対に来ないで・・・!」というメールが返ってきました。擦った揉んだの末、この日は結局、行くのを止めましたが、どうやら本当にガサ入れがあったようで数日後、このお店も閉店に追い込まれ、姫は消息不明になりました。
もしこの時、姫が小生を気遣い、真剣に叱ってくれなかったら、下半身丸出しの小生が警察の事情聴取を受けていたかもしれません・・・。今、思い出しても心が熱くなります。
D「ヘルス嬢/当時20代後半」
この姫はもともと、キャンパブ嬢でした。そのお店に行くときはいつも指名で入っていました。当時は結構、注目を集めていた人気店でしたが、いつしか閉店に追い込まれ、メアド交換をしていなかったことで、姫とは音信普通となりました。
何ヶ月か経過したある日、偶然にも情報サイトのヘルスの中に、この姫の姿があることを見つけました。それを見つけた感動と、懐かしさから、このヘルスに電話をして予約を取りました。
そして久しぶりの再会となりましが、それは顔を見合わせた瞬間に感動の雨嵐となり、抱き合って喜び合いました。そして姫はよっぽど嬉しかったのでしょうか、プレイに移ると過剰サービスを連発し、本来はあってはならない行為がごく自然なカタチで営まれました。それはもう風俗店にいることを忘れさせるような目眩く世界で、まるで官能映画のワンシーンのようでした。
しかし、その後間もなく、姫はこのお店からも姿を消し、消息不明となりました。姫にとってはこれが最初で最後の献身プレイだったのかもしれません。
E「ビデパ嬢/当時20代前半」
ビデパ最盛期に出会った姫で、とにかく多彩な手コキテクニックの持ち主で、特に小生の心に強烈な印象を残しました。まず初対面での姫の第一声です。「あなたはこんなお店に来る人じゃない・・・。」。小生は風俗店で遊ぶような人種ではなく、高級クラブかどこかに行くべき人として映ったようです。
この第一印象のことは後から姫に聞いたことです。しかし、姫の人当たりの良い接客とテクニックに見せられて、当時は3日に一度の頻度で通っていました。三度目くらいに自分のメアドを記したメモを姫に手渡しましたが、メールをくれたのは、それから一ヶ月くらい経過した後でした。それから小生のあの手、この手を駆使したアタックの末に、お店では本来、ビデオパブではNGであるサービスを受け入れてくれたり、プライベートでも食事やドライブ、映画やお茶、日帰り旅行にまで発展しました。
こうした関係が一年以上続き、ついには「奥さんと別れて下さい。」とまで姫は口にするようになりました。自分と子供のような歳の差です。これについて姫は、歳の差は歳を重ねていけば、感じなくなるものだと言いました。姫が20代の時に感じる歳の差と、40代になった時に感じる歳の差を比較すれば、確実に縮まって感じるのだと言うのです。
最近、タレントの「歳の差婚」が続出して、トレンド化されていますが、こうしたことがブームとなる以前に、20歳そこそこの姫がこう言い切れたのは大したものだと逆に感心しました。
しかし、離婚などできるはずもなく、内心は穏やかではありません。この話は上手く交わしながら関係は続きましたが突然、姫は休養を宣言してお店に出なくなり、やがて音信不通となりました。
閉店後、姫を自宅マンションに送り届けたことも何度かあり、住まいは承知していましたが当然の如く、行方を捜すようなことはしませんでした。風俗嬢に対して、深入りをしてはならぬことを身をもって実感した出来事でした。
以上6パターンを紹介させて頂きましたが、まだ他にもいろんな姫と出逢い、いろんな体験をさせてもらいました。風俗嬢も人間であり、そこで働く理由も様々でしょう。また風俗という業種についての姫の考え方も、それぞれです。中には「何で貴女が風俗やってんの?」と、不思議に思うタイプの姫もいます。
お客は姫との距離をどれくらいに置くのがベターなのでしょう。最後の事例である、「奥さんと別れて下さい。」にはさすがに参りましたが、恋愛感情よりも怖いのが、「情」だと思っています。姫のことを必要以上に知ってしまうと「情」がわいてきます。すると、ここからズルズルと深みにハマっていくパターンが多いと、小生自身では思っています。
やはり遊びと割り切って、風俗を楽しむのが「達人」なのでしょう。しかし、小生はいまだにこの「達人」の域には到達できておりません。
研究部 風俗基礎理論研究室長 マーシー (H24.09.12)