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研究ノート「性感染症の臨床例〜尖圭コンジローマ〜」

by けいた氏


 油断していました。不覚にも被弾してしまいました。
 とある日、包皮に疣らしき小さな出来物があることに気が付きましたが、特に自覚症状もなく、仕事が忙しいこともあって、そのまま放置していました。
 すると数日後には、その出来物が複数に増殖しているではありませんか。インターネットで調べると「尖圭コンジローマ」と似た症状です。これはさすがにヤバいと思い、慌てて泌尿器科に駆け込みました。
 これが長期にわたる苦悩の日々の始まりでした。

【診察】( 6,690円−初診料、血液検査費用)
 医師から、診察台に寝て下腹部を出すよう指示されます。ヘルスと異なり、相手が同性だと大変気まずい雰囲気ですね。医師は、そんなことに一切お構いなく、薄いビニール手袋をはめて、患部を仔細に観察します。
医) コンジローマやね。いっぱい出来てるわ。
け) ・・・。
医) いつから?
け) 今月初めに気が付きました。
医) 心当たり、あるの?
け) は、はい・・(汗)
 その後、医師から「薬で治療する方法もあるが、中に出来ているので切除する」と告げられ、手術日時を決めて血液検査のための採血へ。検査項目は、一般的な生化学検査のほか、HIV抗原・抗体、淋菌、クラジミア、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などです。
 なお、「治療は10分程度だが、一応30分は見ておいてほしい」とのこと。その日は、重い足取りで帰宅しました。

【切除@】( 5,270円−再診料、陰茎尖圭コンジローマ切除術、病理判断料)
 診察から1週間。血液検査の結果に怯える不安な日々を過ごしました。もし何らかの項目が陽性だった場合、家庭や仕事がどうなるか頭の中でシミュレーションしてみましたが、答えは見つかりません。
 そして、いよいよ運命の日。再び泌尿器科へ。
 受付で順番待ちをしていると番号を呼ばれ、看護師さんから血液検査の結果表を渡されました。「全て陰性でした」と説明を受け、ほっと胸を撫で下ろしました。
 再び待つこと数分。番号を呼ばれ、処置室へ通されます。美人の看護師さんの指示に従って、下半身を露出した状態で診察台に仰向けになります。看護師さんに局部を見られている恥ずかしさから、目を閉じます。
 周囲で何やら物音がするので、準備が進められているようです。看護師さんに心拍数と脈拍を計測する器具を装着され、その電子音が虚しく聞こえてきます。
 程なくして医師がやって来て、まずは患部の確認。「ぎょうさん(たくさん)あるなあ」と呆れられ、いよいよ切除開始。まずは陰茎に麻酔を2本打たれました。その間、看護師さんは僕の肩を優しく摩りながら、「大丈夫ですか?」と気遣ってくれました。
 目を閉じたままなので、どのように処置されているのか確認できませんでしたが、一つあたりの所要時間は概ね数十秒。疣は多数あるので、作業は何回も繰り返されます。途中、追加の麻酔注射2本。更に淡々と作業が続き、10分程度で無事終了しました。患部に出血もなく、軟膏を塗られただけです。
 その後、椅子に座って、医師から説明を受けます。当日の入浴は可能で、1ヶ月後に再検査するとのことです。この時、今後の性生活に関する話や禁忌事項などの注意は特にありませんでした。薬も処方されず、医療費の支払いと次回の予約をして、帰路に就きました。
 家に帰ってから切除された部位を見ると、焼け焦げているような跡ではなく、白っぽくふやけた感じです。麻酔が切れてからも患部に痛みは残りませんでした。
 その後の治癒状況ですが、患部は1週間〜10日ほどでほぼ元の状態に戻りました。

【再検診】(540円−再診料)
 1箇月後、経過観察のため、再び泌尿器科を訪れました。診察台に横たわって患部を見せると、
医) また出来てるやん 。
け) えっ! そうなんですか・・
医) 気が付かなかったの?
け) はい、お風呂に入っても近眼と老眼で・・
医) 切除します。
てっきり完治していると思っていましたが、ショックです。そんなこんなで、また1週間後に再手術することになり、その日も重い足取りで医院を後にしました。

【再手術A】(3,670円−再診料、切除術)
 受付から施術の流れは前回どおりです。
 この1週間のうちに、また増殖しているとのことでした。陰茎に麻酔を2本打たれた後、再発している3〜4個の疣が切除され、10分ほどで終了しました。
 1ヶ月後に再検査を予約し、今度こそは再発していないことを祈るばかりです。

【再検診】(540円−再診料)
 さらに1箇月後、経過観察のため、泌尿器科を受診。
 この間、ジュニアの様子を時々観察していましたが、やはり・・・再々発です。正直言ってショックの一言に尽きます。もういい加減にしてくれ〜。
 三度目の切除手術の日時を1週間後に設定し、厳しい現実に憔悴しながら帰宅しました。

【再手術B】( 3,670円−再診料、切除術)
 3回目ともなると段取りは熟知しています。
 切除手術の終盤、医師から「はい、これで終わりますよ」と言われ、これでようやく終了かなと思った矢先、「広すぎて1回では無理でした。次回に仕上げをしましょう」との非情なお言葉。
 ついに切除手術は4回目に突入です。もう悪夢としか言いようがありません。

【再手術C】( 3,670円−再診料、切除術)
 前回処置した箇所が再びぶり返しており、取り残した疣と合わせて、切除は数分で完了。医師から「これで一応終わりました。また1箇月後に見せに来て下さい」と言われ、次回の診察日を予約して帰りました。
 私が罹患したヒトパピローマウイルス(HPV)は、どうやら耐性が強く、今回で本当の完治になることを願うばかりです。

【再検診】(540円−再診料)
 治療もとうとう越年してしまいました。4回目の切除から1箇月後、泌尿器科を受診しました。
 この間、患部の状態を毎日確かめていましたが、いつの間にか陰茎には気になる出来物が・・・
。  やはり再発です。エンドレススパイラルに陥ったまま、どうしても抜け出られません。次回で5回目となる施術日を予約して、途方に暮れながら医院を後にしました。

【再手術D】(3,670円−再診料、切除術)
 もう何回目の泌尿器科通いでしょう。施術前、医師に「気になる箇所が3ヶ所ぐらいあるんです」と言うと、「もっと出来ているよ」の非情な宣告。
 処置は数分で終了し、1箇月の診察日を予約して帰りました。まだ続くかも知れません。

【再検診】(3,380円−再診料、血液検査費用)
 今回も完治している自信は無かったのですが、やはり小さい疣が一つできていました。また切除手術です。
 苦悩の日々がいつ終わるのか、長いトンネルの出口は未だに見えません。更に、血液検査の有効期限6ヶ月が経過したということで、採血されました。
 次回で本当に終わってほしいと切に願います。

【再手術E】(3,670円−再診料、切除術)
 今回の切除箇所は2つ。陰茎への麻酔注射はチクッとして、何回やっても嫌ですね。ともかく、医師から「きれいに取れました」と嬉しいお言葉をいただき、1箇月後の検診日を予約して、本日は終了です。
 なお、血液検査の結果もすべての項目において陰性で、安堵しました。

【再検診】(540円−再診料)
 受付番号は77番。今度こそ大丈夫のはず。患部を仔細に観察した医師から「大丈夫です」との非常にありがたいお言葉です。
 それでも今後3箇月は様子を見てほしいということで、仮ではありますが、一応の治癒となりました。

【感染】
 国立感染症研究所のHPによると、尖形コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となるウイルス性性感染症で、性交またはその類似行為によって感染し、生殖器とその周辺に発症します。一般的に自覚症状に乏しく、表面が刺々しく角化した隆起性病変が特徴で、 淡紅色?褐色の乳頭状、鶏冠状、あるいはカリフラワー状と表現されます。

 通常、HPVの感染から発症には数週間〜3カ月程度と言われているので、自分の場合、5月〜7月の間に利用した店舗のうちどこかで被弾したものと思われます。確かに、秘部どうしを擦りつけてフィニッシュしたことがあるので、それが原因かも知れません。
 感染予防は、もちろん性交またはその類似行為を行わないことが確実ですが、そういう訳にもいきません。
 研究所のHPでは、「コンドームの使用が効果的であるが、外陰部にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などがある場合は特に感染しやすい」と記載されていますので注意が必要です。

【感想】
 初めての性病罹患で、しかも発症から完治までなんと8箇月も要しました。1回の治療費は大したことはなかったのですが、長期にわたる12回の通院で総額35,850円にのぼったのがかなり痛い出費となりました。
 なお、疣を焼勺する方法は、痕跡が残りづらく、痛みも施術の際の麻酔注射だけです。施術後も特に患部に痛みは無く、治療効果として直ぐに疣は消えます。
 しかし、この方法では、疣の表面だけを切除しても再発してしまうので、ある程度深く広範囲に焼勺する必要があるようです。

 いずれにせよ、今後、大人の遊びは、あらゆる感染リスクを念頭に置いて、細心の注意を払わなければいけないと反省しています。

 以上、私の苦い経験が会員諸兄の参考になれば幸甚です。

 京都支部長 けいた (R02.04.21)

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