〜©日本ピンサロ研究会〜
論文「風俗店舗数動態の数学モデル化に関する研究」
by 黒川洋介氏
性風俗関連特殊営業店の店舗数動態に関する研究は、風俗産業・経済研究室が担当しています。
本研究ノートでは、過去6年間の店舗登録数の推移から、風俗動態の数学モデル化を試みてみました。風俗学の研究において、
風俗嬢の魅力度や日ピン研会員の性的サービス許容度の予測などの応用的側面もあり、継続して研究を行って行きたいと
考えています。
■警察庁の資料
【表1】性風俗関連特殊営業の届出数の推移(平成12〜17年)
表を見ても判るとおり、無店舗型の性風俗業態は、実際に性適齢期男性人口の増加率より遙かに多くの店舗増加率であり、
それがそのまま生き残れば、あっという間に莫大な店舗数となります。
多くの場合、新規出店は経営判断から特定の時期に行われるので、店舗数増加は不連続な階段的な形を取ります。
しかし、数学的扱いを簡便にするために、日ピン研風俗学では、その増加も店舗数も連続した値をとるものと見なして扱います。
■爆発的増加のモデル化
無店舗型性風俗特殊営業の第1号営業(派遣型ファッションヘルス等)の届出数に見られる様に、あらたな性サービス業態が
発生すると、当初は爆発的に店舗数が増加します。
【グラフ1】デリヘル・ホテヘル等の届出数の推移(平成12〜17年)
この様な初期の出店ラッシュの型を、店舗数(届出数)の増加が幾何級数的であることを最初に指摘(注1)した
サンダーソン・ケンにちなんで、日ピン研研究部では「KEN型成長」と呼んでいます。
数式では、本店が作る系列店の数が一定であると仮定し、増加率をpとすれば、店舗数Sの地域における増加率は、
(dS)/(dt) = pS
で表されます。この様に指数曲線で表せば、あっという間に店舗数爆発が引き起こされるのが表現できます。
- (注1)最初に指摘
- 研究ノート「無店舗型性風俗特殊営業に関する一考察」
にて「間違いなく,今後爆発的な勢いで増えていく。単に増えるのではない。爆発的な勢いで,だ。」と考察しています。
■上限のモデル導入
現実の風俗店は、ある限定された地域で営業しており、そこで営業できる店舗数には上限があると見るのが自然です。
店舗型性風俗特殊営業の第2号営業(店舗型ファッションヘルス等)の届出数に見られる様に、店舗数が多くなると、その増加に
ブレーキがかかるものと想定されます。
【グラフ2】箱ヘル等の届出数の推移(平成12〜17年)
そこで、そのような、現実の店舗数変化を説明するために、次のような性質の式を導入する必要があります。
- 店舗数0では増加率が0になる。
- 店舗数が増加するにつれ、増加率は減少する。
- 地域の収容可能店舗数に限度があるから、その数をZとすれば、S=Zの時、増加率は0になる。
この条件を満たしているのが、兵站学(ロジスティクス)教官が考案したロジスティック式で、以下のような形で表されます。
(dS)/(dt) = (Z - S)pS
ここで、Zは地域収容力(その地域における店舗数の定員)です。pは内的増加率で、その店舗が出店できる可能性のある
最大の増加率です。実際の増加率はSがZに近づくにつれて減少し、SがZと等しくなれば増加率は0となります。店舗数がZより
大きい値をとると、増加率はマイナスとなり、店舗数がSになるまで減少します。
■なぜ上限があるのか
店舗数に上限があるのは、資源が限られているからです。
その最大の資源は、性適齢期男性です。そしてこの限られた資源を求める事から競争関係が生まれます。日ピン研風俗学では、
風俗業界においての競争を、同種性風俗業態の店舗間に見られる態内競争と、違う業態間に見られる態間競争の二つがあると
考えています。
次回の研究ノートでは、この競争関係についての数学モデル化を考察したいと思います。
以上、独断と偏見の上、乱文で申し訳ありませんが投稿いたします。
研究部 風俗産業・経済研究室長 黒川洋介 (H18.08.27)
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