〜©日本ピンサロ研究会〜

論文「韓国エステに未来はあるか?」


by KEN氏

1 はじめに
 数年前まで「駅前風俗」と言えばピンサロがその代表選手であったが,ここ数年その地位を脅かすように台頭してきたある業種...そう,韓国エステである。
 最近のその増殖振りには目を見張るものがあり,その原因と将来を考えるのは有益な事と考える。

2 韓国エステ台頭の原因
 韓国エステがここまで数を増やしてきたのは当然にそれなりの原因がある。
 まず第一に出店に伴い「地域的制約」を「全く」受けないと言う事である。いわゆるヘルス等の性風俗特殊営業は風適法により厳しい地域的制約を受けているのは読者諸氏ご承知の事と思う。また,ピンサロは性風俗特殊営業ではないが,基本的に表向き喫茶店・バー等と言う事で「風俗営業」「深夜における飲食店営業」等として性風俗特殊営業ほどではないにしろある程度風適法の地域的制限を受ける。
 ところが,韓国エステはいわば「マッサージ」「エステティックサロン」であり,風適法による地域的制限を全く受けない,つまりどこでも自由に出店できるのである。この立地制限がまず他業種に比較優位なのである。

 第二に第一に絡んでの事だが,個室でのサービスが原則と言う事である。地域制限がないところで個室でのサービスなのであるから,ピンサロに対しては設備上のサービスの優を(基本的に個室の方がより上級のサービスと考えられる),ヘルスに対しては地域的な優を(どこでも出店できる)それぞれ有する事になる。
 今まで車や列車で時間を掛けてヘルスに行っていた顧客も若干サービス面では不満があるとしてもすぐ近くの地元の街で個室サービスが受けられる,また,今まで地元のピンサロに行っていた顧客も少し余計にお金を出せば個室でのサービスが受けられる,これら両者の顧客を取り込める可能性があるわけである。これは非常に重要な事と認識しなければならない。

 第三に人件費の安さである。これら韓国エステに勤めるのは当然の事ながら韓国人という事になる。彼女たちは日本の異常に高い物価水準の賃金を要求する日本人よりも安価な労働力を提供してくれる。最近ではさらにコストに優れた台湾・中国系の女性も多いようである。単に人件費が安いと言うだけではなく,これにより本場のサービスが提供できると言う一石二鳥的なメリットがあるのである。

3 韓国エステに見る付加価値
 韓国エステは当然の事ながらサービスに「マッサージ」が含まれる。これが実は韓国エステに大きなメリットを与えており,実に多様な形態で営業できる強みがある。
 エステであるのだから当然女性客でもいいわけであるし,抜きをメインにしてもよし,マッサージをメインにしてもよし,と色々な形態が考えうる。最近は二極化が進み,抜きは手で申し訳程度にして本格的なマッサージをするところと,マッサージはまさにマッサージのためのマッサージでほとんどヘルス状態のところと,である。中には昼間は女性も来る本格的エステとして稼動し夜は抜きをプラスする店もあるやに聞いている。
 また,営業面のみならず,韓国エステにおけるマッサージは確かに「疲れが取れた」「気持ちよい」と比較的評判はいいようである。そこでさらに抜けるという事がもつ意味合いは非常に大きい。体のコリも取れてかつ性欲もある程度満足させ得るという健康的な面と非健康的な面をフューチャーさせていると言うのは心理的にも大いに男を助ける。「俺は抜きよりこのマッサージがいいんだよ!」と男に言わせ得る,これは自尊心の高い者にとっては非常に有り難い事である。人間なかなか風俗に行ってきたとは言いがたいし,風俗初心者のころは特に風俗に行っているという現実を自身で認識したがらないものである。

4 韓国エステの今後
 韓国エステに与えられた数々の有利な事情も実はその裏に大きな危険性を孕んでいるというのも紛れもない事実である。韓国エステが地域的制約を受けないのあくまで「エステ」であるからである。ところが個室で抜きのサービスを実施すると言う事はどういうことか?これはすなわち,まさに「店舗型性風俗特殊営業」に該当する事となる。すなわち韓国エステの実態ではヘルスと同様の制限を受けるわけであり,禁止区域違反のみならず,無届営業という風適法違反の状態なのである。逆にピンサロは(刑法犯ではあるが)風適法上の違反は何もない。ヘルスにいたっては区域内なら完全な合法的行為である。韓国エステの摘発件数がずば抜けて多いのも頷ける。
 さらに,外国人を労働力として使用している点も容易に摘発を受ける要因の一つである。彼女らは大抵,旅券不携帯だったり在留期間を超過している,すなわち出管法違反なわけである。基本的に風適法違反で摘発できるのは経営者やそれに準ずる管理的立場の者であり,従業員たるエステ嬢は逮捕される事はない。しかし,韓国エステであれば経営者は風適法違反,エステ嬢は出管法違反で一網打尽で検挙できる,これは警察としては非常に効率的に業務を遂行できる事を意味するわけで,この辺りも摘発を積極的に進める要因になっている思われる。
 しかし,だからと言って韓国エステが消滅する事はないであろう。経営者にとっても十分メリットがあり,またユーザの側にも十分なメリットがある以上今後も増えていくであろうし,ここまで普遍化してしまった以上,すべてを規制するのはもはや無理である。
 数はある種の力を生み出すものであり,違法行為も「赤信号みんなで渡れば怖くない」の通り,摘発は「見せしめ」的なものになっていくと思われる。
 しかし,警察が黙って見過ごすことも考えられない。サービスをあまりにヘルスに近くすればこれは摘発されると考えていい,かと言ってあまりにソフトなサービスではいずれ飽きられるのは目に見えている。要はどの辺りが許容範囲なのかそれを見極める眼力が今後の韓国エステ業界の浮沈を左右するであろう。

 日本ピンサロ研究会 会長 KEN