〜©日本ピンサロ研究会〜

風俗愛好者のための法律講座 その3

「風俗関連諸法(総論)」

by KEN氏


 風俗を規制する法令は複雑多岐に渡り,風俗を研究し,また楽しむ者はその概要をつかんでおかなければならない。風俗に限らず,何かを行うときはその行為に関する法令を「知っているのが当然」というのが法令の原則的な精神であり,「知りませんでした」「わかりませんでした」は全く通用しない。知らない事はそれ自体が「罪」なのである。そこで風俗愛好家のために風俗に関連する法律の概要を以下に紹介しておく。(条例等は地方により若干の差異があるので今回は法律のみの紹介に留める)

 蛇足だが「法令」というときは法律のみならず,地方自治体の条例,政令(内閣の命令)及び省令などを含くみ,「法律」はそれらを含まない場合に用いる用語である。

1.刑法

  (明治40年4月24日 法律第45号)

 制定以来幾多かの改正を重ね,平成7年に全条文の現代語化等をへて現在に至る。関連する条文は

 @ 第174条(公然わいせつ)
   我が国初のピンサロ摘発(平塚ジャンジャン)の際適用された。
 A 第175条(わいせつ物頒布等)
   アダルトホームページ摘発の際適用される。加納典明もこれ。
 B 第182条(淫行勧誘)
   客側に余り関係ない。
 C 第60条(共同正犯)
   一般的な共犯者のこと。全犯罪に共通して適用。
 D 第61条(教唆)
   そそのかして犯罪を実行させること。全犯罪に共通して適用。
 E 第62条(幇助)
   犯罪を手助けすること。全犯罪に共通して適用。

2.売春防止法

  (昭和31年5月24日 法律第118号)

 本法でいう売春とは,対償を受け,又は受ける約束で,不特定の相手方と性交することをいう。適用される可能性のあるは,当然のことながら売春とそしてソープである。性交を伴わない他の風俗は適用され得る余地はない。
 本法は売春する者若しくはさせた者を取り締まることを主たる目的としており,その相手方(客)となることを一応第3条で禁止しているものの,客に関する罰則規定(懲役や罰金)はない。

3.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

  (昭和23年7月10日法律第122号)

 本法は我々のいう風俗(狭義の風俗)のみならず,ゲームセンター,パチンコ屋及び飲み屋等かなり広い範囲で適用される。昭和59年の大改正によりかなり厳しい法律に変身した。主として営業の規制を目的とし,営業の方法,行政処分(営業の許認可及び停止若しくは禁止)等に関する事項が詳細に規定されているが,客に関する規定又は規制は全く存在しない。客にとっては余り関係ない法律だが,風俗営業者にとっては最も重要な法律である。

4.児童福祉法

  (昭和22年12月12日 法律第164号)

 風俗に関係ないように思えるが,第34条(禁止行為)第1項第6号に恐ろしい規定が存在する。それによれば,何人も児童(18歳未満)に淫行させる行為をしてはならない,とされている。何人も=客だろうが何だろうが,ということである。
 これに反すると10年以下の懲役又は50万円以下の罰金。条例などは2年をこえる罰則規定を設けることが出来ず,青少年育成条例の類もその規制を受け,罰則は2年以下の懲役だが,本法を適用すれば10年以下である。くれぐれも子供には手を出さないように・・・。女の子の年齢は確認した方が無難。相手が虚偽の事実を述べても確認のしようがないので,とりあえず本法の適用は免れる(ハズ)。すべての風俗に適用される。

5.軽犯罪法

  (昭和23年5月1日 法律第39号)

 読んで字の如く軽い犯罪を規制する法律。本法によれば並んでいる列に割り込むことも犯罪となる。罰則も拘留又は科料で最も軽い刑罰である。風俗関係では第1条第20号がピンサロに適用しうる可能性がある。

6.その他

 風俗営業者には労働関係法令,児童福祉法等の各種社会法に注意する必要があるが,我々愛好家は特に各地方公共団体の条例に注意しなければならない。呉々も忠告しておくが,法令は「知らない」「分からない」が通用する甘い世界ではないので充分注意していただきたい。

 今後は条例並びに実際の適用例及び判例の研究をしていきたいと思う。