by R氏
群馬県の太田、伊勢崎は風俗産業が発展している。その原因は、よく言われるように両市が工業都市だからである。今回はこの二地域を例に、工業と風俗の関係を少し論じたい。
古くから中山道、例弊紙街道の宿場町として発展してきた両市ではあるが、近代に入ってからは工業化の一途をたどった。太田は自動車の町として知られているが、伊勢崎も工業都市である。下表に群馬県の県庁所在地である 前橋市、そして太田・伊勢崎、同じく工業都市として知られる愛知県豊田市の人口と産業比率を示す(都市デー○パック2003より抜粋)。
前橋市 | 伊勢崎市 | 太田市 | 豊田市 | |
人口 | 283,398人 | 123,592人 | 143,091人 | 344,607人 |
1次産業 | 4.0% | 2.9% | 3.0% | 1.8% |
2次産業 | 26.3% | 43.0% | 45.5% | 51.7% |
3次産業 | 68.7% | 53.6% | 50.9% | 45.4% |
上表の通り、太田・伊勢崎の産業比率は豊田市に近く、二次産業が50%近くを占めている。また、両市の人口の合計は県庁所在地である前橋市に匹敵する。この工業人口の多さが両市の需要の多さの主たる要因であると推測される。(豊田に風俗があるという話は余り聞いたことが無いが、その需要には名古屋が応えていると考えられる。)
では、何故工業人口の多さが風俗需要の多さに繋がると言えるのか?一般に大規模な工場は、土地の入手性等の問題から地方に建設するしかない。そして働く人間は、地元の人間だけでは当然数が足りないので、多数の地域から集めてくる必要がある。そして彼らの多くは(女性の少ない)機械系の学部を卒業したエンジニア達や、単身赴任者であったりする。
慣れない寮生活、厳しい労働、特に都心へのアクセスも悪く、これといって遊ぶところも無い北関東では、彼らを慰めてきたのは夜の一室で待つ優しい女性たちであることは疑いようも無い。
日本の工業の発展を支えてきたファクタの一つとして、風俗産業を捉える必要があるのでは無いかと思う。少なくとも、伊勢崎・太田の両市についてはそうであろう、
と言う事が出来るのではないだろうか。
無論工業だけではなく、風俗の発展している地域には他にも様々な要因があるだろう。今後も考察を続けたい。
(注.伊勢崎・太田在住の工業に携わる皆さん、ご不快に思われたら申し訳ございません。あくまでも私の主観です)
群馬支部 群馬機動調査隊長 R (H16.02.11)