by fuzoku19氏
１．はじめに
全国的に風俗店の無店舗化が進行する昨今、札幌もデリヘル店が急激に増えてきている。もともと出張者の多い土地柄なことに加え、広大な北海道にもかかわらず風俗街が札幌都心部以外に見当たらず、郊外からの利用者が多いことも、デリヘル店の成長に寄与しているものと思われる。
そこで本稿では、インターネットで閲覧可能な情報を元に、札幌市に所在するデリヘル店の大まかな店数を把握し、価格傾向を明らかにすることを目的とする。あわせて本会の未レポ店の傾向を示す。なお本稿は、先に提出した拙稿「「すすきの」における店舗型風俗店の店舗数と価格傾向に関する考察」と対をなすものである。
２．調査方法
デリヘル店の店数と価格傾向の割出には、インターネットで閲覧可能な風俗情報サイトのうち主に「susukino-hデリバリーヘルス情報」を使用した。このサイトは、他の風俗情報サイトにありがちな広告掲載料を払った店のみ記載するようなものではないため、店数の把握に一定の成果があると考えたからである。だが、実際掲載されている情報を閲覧するとかなり抜けが多く、その上、すでに廃業している店も多く見られたため、他の複数の風俗情報サイトでデータを補完し、実態の把握に努めた。価格については、各店の価格を60分換算した価格を便宜上、「①1万円未満」、「②1万円以上1万5千円未満」、「③1万5千円以上2万円未満」、「④2万円以上」、の4つに分類した。なお、時間帯によって価格が違う場合は、遅番の価格を主体に割り出している。また、各種割引料金適用前の価格を採用している。数値はすべて2007年2月20日現在のものである。
３．デリヘル店の店数と価格
デリヘル店は店舗型風俗店とは異なり、店舗という形で実態を目視することができない。そのため、インターネットに出てこないデリヘル店が多く潜伏していると考えられ、実際の店数の把握はほとんど不可能である。しかし、利用者にとってインターネットは紙媒体と並んで最も情報収集に活用される媒体であり、インターネットで情報収集可能な店がイコール利用者の検討する店と言っても過言ではないだろう。
今回のインターネットによる調査では、当地に187店のデリヘル店があることを把握できた。この数は、「すすきの」における店舗型エステ店の数を上回り、ヘルス店とソープランドとエステ店の総和に比するものである。187という数が他都府県に比べてどのような意味を持つのか定かではないが、店舗型のヘルス店とソープランド、エステ店をあわせて400店近い風俗店の規模は、札幌市と周辺をあわせた都市圏人口250万人のみに供給する規模としてはいささか過剰と考えられ、出張者向けサービスの割合の大きさを伺わせる。
デリヘル店の価格は、60分換算で「①1万円未満」が15店（8.0％）、「②1万円以上1万5千円未満」が130店（69.5％）、「③1万5千円以上2万円未満」が38店（20.3％）、「④2万円以上」が4店（2.1％）であった。②の比率は「すすきの」における店舗型ヘルス店とほぼ等しく、概ね相場であると言えよう。筆者は札幌の他に首都圏の風俗しか知らないが、首都圏の風俗に比べると時間単価が安いように思われる。
また割合としては小さいが、「すすきの」のソープランドでも１店しかなかった④の店が４店あること、最も安い①が１５店あることを考えると、わずかではあるが店舗型風俗店よりも価格のバリエーションが豊富である。
４．おわりに 札幌市のデリヘル店調査における本会の課題
本調査では、187店のデリヘル店を確認することができた。60分あたりの時間単価1万円～１万5千円の範囲の店が大多数を占めていた。店舗型のヘルス店やソープランドの最多価格帯と一致する。競合していることがわかった。
本研究会における当該地デリヘル店の調査状況は以下の通り。今回の調査で確認されたデリヘル店187店のうち、本会の既レポ店は12店、未レポ店は175店で、未レポ率は93.6％であった。デリヘル店は出店退店の動きが激しいので、未レポ率の高さは致し方ないところだが、当該地デリヘル店のレポ数自体が少なく課題は多い。
本来ならば、ホテルに宿泊する出張者のレポに期待したいところだが、出張者にとっては店舗型風俗店が集中する「すすきの」のネームバリューがあまりに大きく、デリヘル調査より優先して「すすきの」調査が行われている傾向がある。また本会においては札幌在住の調査員の絶対数が少ないため、他都府県からの出張調査に頼らざるを得ない現状であり、これもデリヘル調査が進行しにくいひとつの要因である。今後、更なる札幌周辺在住の調査員の増員が望まれる。
他都府県、特に有力な風俗街を有する地域では、すでに本会の調査がかなり進行し未レポ店を探すことすら難しい状況である。しかし当該地の場合、店舗型、非店舗型を問わず未レポ店がかなり多く、しかも巷では「優良店」として一定の評価を得ている店でも未レポな場合が多い。本会調査員にとってはいわば「宝の山」状態である。このような状態を鑑み、本会調査員のいっそうの奮起を期待するものである。
北海支部 石狩方面機動隊 隊員 fuzoku19 (H19.03.01)