by えせ男爵氏
いつもお世話になっております、研究部のえせ男爵です。
新型コロナ禍は、風俗業界にも深刻な影響を与えています。とりわけ2020年4月〜5月の緊急事態宣言発令によって、多くの風俗店は休業を余儀なくされました。その前後の状況については小生が上梓した一連の調査報告「COVID-19による風俗業界への影響の現状報告」(4月18日・5月17日・6月21日)を参照いただければ幸いです。
その後、多くの店は営業を再開しましたが、この間に閉店に追い込まれた店も少なくありません。また、その後も感染症対策のため、様々な制約のもと営業している店も少なくありません。さらには、新型コロナ禍で慢性的に続く、客の風俗離れも深刻な影響を与えており、それは今現在も続いていると考えられます。
そうした状況の中で、店だけではなくそこで働く風俗嬢も、取り巻く環境は厳しいものとなっています。昨年、あるお笑い芸人が「新型コロナで仕事にあぶれた可愛い女の子が風俗に流れてくる」という趣旨の発言をして世間の批判を浴びましたが、現実は、新型コロナ禍が長期化することにより、風俗嬢という職業の状況自体が厳しいものになっていると言わざるを得ません。すなわち世間が思っているような「楽に稼げる」仕事ではなくなっている、ということです。
そこで新型コロナ禍における風俗嬢の現状を示す一例として、小生のオキニの姫から聞いた話をここで紹介したいと思います。なお個人が特定されないように、一部の情報については省略・改変させていただいていることをご承知おきください。
事例:A子(20代後半)
彼女は20代後半で風俗歴は数年となりますが、若く見えるので20代前半でも十分通用します。もともと都内のデリヘルに勤務していましたが、2020年4月〜5月の緊急事態宣言発令により、店は営業を続けていたものの、ほとんど客がつかない状況となったので、いったん退店しました。
しばらくは貯金を切り崩して生活していましたが、蓄えが乏しくなってきたことと、夏ごろの新型コロナ流行第二波が収まりをみせてきたこともあり、秋ごろから地方への出稼ぎ(ソープ・デリヘル)で風俗の仕事を再開し、あわせて出稼ぎの合間には都内のデリヘルで働くこととしました。
しかし仕事の再開後も、なかなか以前のように稼ぐのは難しいとのことでした。とりわけデリヘルでは顧客として一定層をなしていた出張族が、以前よりかなり減少してしまった影響が大きいとのことです。また定期的に風俗を利用する顧客層は、リピーターや太客となってくれる可能性がありますが、そうした顧客層が(経済的状況の悪化や、感染症へのリスクを警戒して)減ってしまったのも手痛いとのことでした。
また地方への出稼ぎに関しては、往復の交通費は自分持ちとなるため、ある程度売り上げがないと厳しいとのことでした。そしてせっかく地方に行っても、地方の雰囲気を楽しむ時間もなかなかないとのことでした。特にソープのような店舗での勤務だと、開店時間から閉店時間の24時になるまでずっと出勤しており、退勤後はコンビニくらいしか開いている店はないので、その土地の雰囲気を味わう余裕もないとのことでした。
さらに経済面のみならず精神面でも状況は厳しいとのことでした。上述の出張族やリピーター客の利用が減った分、お酒が入って粗野になった「好ましくない」顧客層が目立つようになってきたそうです。そうした顧客たちが「本強」してきたり、モラハラ的な言動をしてきたりして、傷つけられることも多いとのことでした。
上の事例は、あくまで個別事例ですので、ここから安易な一般化は慎重にならねばなりません。またいくつかの状況に関しては、必ずしも新型コロナ禍だけに起因するものではないかもしれませんが、新型コロナ禍によってより顕在化しているという側面もあるかと思います。それをふまえた上でも、新型コロナ禍における風俗嬢の現状は厳しいものであると思わざるをえません。
新型コロナ禍があとどれくらい続くかはわかりません。新型コロナ禍が収束すれば、風俗業界をとりまく状況も改善し、風俗嬢の状況も良くなることを期待しても良いかと思います。しかしその時まで持ちこたえることができない風俗嬢も少なくないでしょう。
風俗の同好の士のひとりとして小生は、今厳しい状況にある姫たちにとって、少しでも助けになるような遊びを心がけたいと思います。具体的には、下記のようなことを実践したいと思います。
・オキニには定期的に通う
姫にとって定期的に通ってくれるリピーターの存在は、安定した収入につながる存在です。仮に月に一回通ってきて、20Kで入るリピーターが10人いれば、確実に月200Kの売り上げが確保できます。私たちは、必ずしも「太客」になる必要はないと思います。月一回でも通い続けることにより、彼女の生活を支える一助となることができると思います。
・人に優しく
風俗嬢の仕事は、ある意味で「我慢」を売る仕事といってよいかと思います。姫が「我慢」して接客しているというと、客にとっては夢のない話になるかもしれませんが、姫にとっては嫌な客であっても笑顔で接客しなければいけないのは事実でしょう。その意味で多かれ少なかれ、姫は精神的なストレスにさらされています。せめて自分が遊ぶときは、姫にストレスをかけないような遊び方を心がけたいと思います。
これらのことは、風俗の同好の士としては当然心がけるべきことであり、言わずもがなのことかもしれません。しかし新型コロナ禍という厳しい状況の今だからこそ、なおのこと気をつけて心がけたいと、小生は思っております。
長文・乱筆のほど失礼いたしました。
研究部長 えせ男爵 (R03.03.29)