by えせ男爵氏
いつもお世話になっております、研究部のえせ男爵です。
今年に入ってからのCOVID-19のパンデミックは、本研究会の研究対象である風俗業界にも深刻な影響を与えています。4月17日付のレポートで先走り二等兵さんが調査メモ「名古屋における,COVID-19による風俗業界への影響の一端について」を報告されていますが、氏もおっしゃられるように本研究会は「我が国の風俗アーカイブ」という役割がありますので、小生の方でも全国的な現状について情報をとりまとめてみました。q ただし状況は刻一刻と変化していますので、以下の現状はあくまで4月18日現在のものとご理解ください。その上で、4月16日に政府から緊急事態宣言が全都道府県を対象に発令されましたので、それを受けて事情が大きく変化する可能性があることもご承知おきください。q 以下では、業種ごとに現状を概観しますが、緊急事態宣言化のため現地調査を差し控えざるを得ないため、各店舗のウェブサイト情報や、会員の方々から寄せられた情報をデータとしており、網羅的ではないことにご留意ください。
【関連する事柄の時系列】
3月13日 新型コロナウイルス特措法成立
3月25日 都知事による外出自粛要請
4月7日 政府による緊急事態宣言の発令(対象は東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡、効力は5月6日まで)
4月16日 政府による全国47都道府県を対象とした緊急事態宣言の発令(効力は5月6日まで)
・ソープ
4月7日の緊急事態宣言の発令を受けて、対象地域の多くの店舗では一時休業を余儀なくされています。
吉原では4月13日頃より多くの店が一時休業に入りました。
栄町でも4月9日頃から多くの店が一時休業に入りました。20日頃から再開する予定のところもあるようですが状況によって変わるかもしれません。
堀ノ内では一部の店が一時休業に入りましたが、多くの店は営業を続けています。しかし中には閉店に追い込まれた店もあるとのことで、影響は深刻です。
福原では4月15日頃からほとんどの店が一時休業に入りました。ここでも閉店した店があるようです。
中洲では4月15日頃から多くの店が一時休業に入りましたが、一部の店は営業を続けています。
4月16日の緊急事態宣言(全国)の発令により、他の地域の店にも影響が広がっています。
すすきのでは今のところ多くの店が営業を続けています。
金津園では4月18日頃からほとんどの店が一時休業に入りました。
熊本および那覇では、今のところ多くの店が営業を続けています。
・ヘルス
ヘルスは全国各地にあり、網羅的な把握が難しかったので、全国的に展開する3つのグループの状況を概観します。
系列A:4月7日の緊急事態宣言(7都府県)の発令を受けて、東京・埼玉・神奈川・福岡の全店は4月8日より一時休業しています。すすきのでは4月14日より一部の店を閉めて残りの店で営業を続けています。熊本では今のところ営業を続けていますが、4月10日より営業時間を短縮しています。
系列B:4月9日より横浜の店で営業時間を短くして営業を続けているほか、16日より福岡の店は一時休業に入りました。すすきの・水戸・土浦・松山・熊本・那覇の店では今のところ営業を続けています。
系列C:横浜・京都・神戸・福岡のいずれの店でも、4月15日より一時休業しています。
これらの系列以外の店でも、一時休業や営業時間を短縮する対応をしている店が多いようです。4月16日の緊急事態宣言(全国)を受けて、今後、各県でも自粛要請に応じて一時休業に入らざるを得ない店が増える傾向にあると予想されます。
・ピンサロ
ピンサロも全国各地にあり、また店のウェブサイトを持っていないところも多いため、網羅的な把握はできませんでした。首都圏だと、池袋や大塚、川崎、横浜の店は今のところ営業を続けているところが多いようです。ただし営業時間を短縮したり、出勤する姫の数を減らしたり、待合室での人数を減らすために外で待ってもらうなどの対応をしているところが多いようです。
・セクキャバ
セクキャバも全国各地に点在するため、ここではいくつかの地域の状況を概観したいと思います。
すすきのでは今のところ多くの店が営業を続けています。
東京、大阪では4月6日からの週の間に多くの店が一時休業に入りましたが、一部で営業を続けている店もあります。
福岡では、中洲では4月7日頃から多くの店が一時休業に入りました。久留米も同じ状況のようです。
・ストリップ
ストリップは劇場が早い段階から自粛要請の対象に挙がっていたため、多くの店が一時休業を余儀なくされています。
首都圏では、ロック座の系列(浅草・新宿・川崎・横浜)が4月8日より一時休業しています。また池袋ミカド劇場、渋谷道頓堀劇場、大和ミュージック、わらびミニ劇場も4月7日〜8日から、ライブシアター栗橋では4月11日から、それぞれ一時休業しています。
地方では、芦原ミュージックが4月1日から、東洋ショー劇場が4月7日から、広島第一劇場とA級小倉劇場が4月8日から、まさご座とDX東寺劇場、晃生ショー劇場が4月11日から、それぞれ一時休業しています。伊香保銀映と熱海銀座劇場は一時期、週末のみの営業としていましたが、現状については把握できておりません。
またニュー道後ミュージックは、以前より経営が厳しくクラウドファンディングによって施設の修繕費を募る活動をしていましたが、3月頃から来場者数が減少し、その苦境がニュースで報道されたこともありました。そしてついに4月3日からは一時休業を余儀なくされています。
・新地
飛田新地では4月3日から、かんなみ新地では4月6日から、松島新地と今里新地では4月7日から、信太山新地では4月8日から、それぞれ一時休業に入っています。滝井新地と生駒新地(宝山寺)については現時点では把握できておりません。
・デリヘル
デリヘルは数が多く、無店舗型であることから、状況の把握が困難なため今回は分析の対象としませんでした。多くの店は営業を続けているものの、一時休業に入った店も少なからずあるようです。
以上、あくまで本日(4月18日現在)の状況ですが、その影響は深刻であることがよくわかりました。これをきっかけに閉店に追い込まれた店も散見しますし、この状況が続けば残念ながらその数はさらに増加することも予想されます。
また店で働く姫にとっても文字通り死活問題です。店が一時休業に入ることは、そのまま収入がなくなることを意味します。また店が営業を続けていたとしても、客の入りは大きく減少して売り上げも減少しますし、さらにはウイルスへの感染のリスクも抱えることとなります。
一日も早く事態が収束し、平穏で心置きなく遊べる日が戻ってくることを、切に祈ります。
研究部長 えせ男爵 (R02.04.22)