by EPIC氏
勤務先の関係で、ちょこちょこと愛・地球博(愛知万博)の仕事に携わっております。東海三県以外ではそれほど話題になっていないとも言われる万博ですが、そんな名古屋に住む一会員が「万博」と「風俗」を無理矢理絡ませてつらつらと書いてみました。“元気な名古屋”の秘密が知りたい方、必見です(←大げさ)
「万博のお陰でお客さん増えた?」――「いや、全然ヒマ」「いつもと変わらないね」「週末はちょっとあるかも」「こないだ団体で来た。万博関係者風俗来すぎだよ」「モリゾーかわいいね!」
たまに嬢に世間話程度で聞いてみることがあります。フィールドワークの一環、ではなくただの好奇心で。答えは上のように千差万別、確かに景気の良し悪しを点で計るのは非常に困難です。本来ならば風俗店来客数や風俗関連業界総売上高などの増減と万博観光客と各種経済指標などのクロス集計から相関を考察するべきですが、そんな資料手元にあるわけないのであくまで印象論としてしか論じられませんが、それでも一応。
まず、万博そのものの入場客数ですが、これは確実に増えています。開幕当初の3月4月はせいぜい1日5〜6万人程度、少ない日は4万人そこそこで、このままでは「歴史的な不人気博」に終わると危惧されておりました。しかし5月の連休ごろから小中学校の遠足やバスツアーの客が徐々に増え始め、6月現在約10-12万人をキープ、土日は15万人近くまで達します。
*参考:中日新聞HP 愛・地球博入場客数の推移 http://www.chunichi.co.jp/expo/count/index.html
とはいえ、会場に行ってみるとわかりますが、客で目立つのはは40代以上のおばさんグループか、50代以上のリタイヤ夫婦などのシルバー世代、あとは中高生です。また、TDRの年間パスポート客よろしく顔写真入りの全期間入場券を首から下げている地元客も相当数おります。万博協会の集計では総入場者数の2割が全期間入場券の客だとか。全期間入場券のヒマ客は“一日一館”でトヨタや日立など人気館に120分平気で並んだりするからその根性はたいしたものです(お陰で人気館はさらに激混みに…県外からはるばる来た客に対するケアがそろそろ必要では?)。こういった客が名古屋の風俗業界に直接的な影響を与えるとは思えません。
県外からの観光客ですが、家族連れやカップルはそもそも期待できませんし、日帰りバスツアー客も論外。となると「男同士の大学生・社会人の友達連れ」などが一番のターゲットとなります。ただ会場の客層からみてその影響は限定的と言わざるを得ません。夏休みには期待できるかも?
では、外国人はどうか? 確かに名古屋のあちこちで外国人の数が増えました。会場で働く外国人スタッフ向けのマンションなどもあり、繁華街の錦・栄などでは週末に外国人の集団によるテンションの高い飲み会などを散見します。これについてはそもそも名古屋の風俗店で外国人OKのところがどの程度あるのかEPICにはわかりませんし(Japanese Onlyは何店かあった)、影響を調べるのは難しいです。どなたか詳しい方がみえましたら是非教えてください。
ところが一点だけ明るい要素があります。それは今年、会社・役所・学会・業界団体など問わず会議やシンポジウムや懇親会を開催する際、名古屋が選択されるケースが例年に比べ多いのです。だいたい金曜日を会議日にあて、土日で観光を入れるというパターン。こうすれば視察名目で堂々と万博に行けるので、全国各地のビジネスマンやら公務員やら先生やらに非常にウケが良い。そしてこういった会議に参加する人間と風俗との親和性もわりと高かったりするので、行く確率も高まっているのではないかと推測されます。事実、嬢の答えの中にも「風俗来すぎ」なんて発言もありましたし。
というわけで、結論としては「表面上影響は少ないが、間接的には恩恵を受けている」と言えるのではないかと思います。確かな根拠に基づいた見解ではありませんが。
開幕前は「万博でガサ入れが厳しくなるのでは?」ということが盛んに言われておりました。しかしふたを開けてみると、警察による取締りが厳しくなった様子は表面上ありません。もともと愛知県警は無届け営業や未成年者の就労・売春周旋は別としてそれほど風俗店摘発に熱心ではなく、2001年ごろの「栄クリーン作戦」で悪質客引きの一斉摘発を行って以来、それほど目立った動きを見せていません。東京の石原都知事による新宿・池袋の一斉浄化や埼玉県警による西川口のローラー作戦などの状況を伝聞するとずいぶん温度差があるなと思います。
ただ、これには警察の「万博で忙しすぎて手が回らない」という事情もあると推測されます。何しろ皇族はもちろん首相以下閣僚など頻繁に来訪しますし、「ナショナルデー(『ロシアデー』や『ベルギーデー』など、会期中毎日が出展国・機関・企業いずれかの特別な日となっている)」と銘打たれた日には各国の元首や閣僚、財界の大物などが来訪するなど要警護のVIPには事欠きません。また、連日の会場周辺の交通警備なども大きな負担となっています。
一例として、毎年8月に開催され50万人規模の観客を集める伝統ある花火大会、矢田川の「全国選抜名古屋大花火」が、警備体制が取れないという理由で今年は中止になるなどの影響が出ています。こういった事情から万博が終わるまではあまり目立った動きに出ないのではないかと思います。
ただ、裏を返せば万博終了後はどうなるかわからない、ということでもあります。最近「名古屋人妻流」などという言葉がチラホラ出つつありますが、そういった言葉で象徴されるサービスがいつ一斉摘発の対象となるのか。首都圏の動きを見ているとそれほど遠くはないのではないかと思います。
現在、東海地方は全国で最も求人倍率が高い地域となっています。愛知県労働局が発表した今年4月の有効求人倍率は1.72倍と、全国平均の0.94倍と比較して倍近く。2位の群馬県1.37倍、3位の三重県1.35倍からみてもダントツです。これはもともとトヨタ自動車など製造業が好調であるのに加え、空港自体を観光地化させた中部国際空港(セントレア)や万博でサービス・飲食・宿泊業などで大量の人材需要が生み出されたためです。
*参考:愛知県労働局HP 最近の労働市場 http://www.aichi-rodo.go.jp/index5-3.html
事実セントレアは休日などに行くとありえないくらい観光客がいて肝心の空港利用客が昼食を食べられないなんていう本末転倒な話もありますし、万博の各パビリオンがスタッフを確保するためにパビリオン間で高時給をエサに引き抜き合戦をやったなんて笑える話もあるくらいです。
こうした数字はもちろん風俗産業にも影響を与えているわけで…何が言いたいのかというと、ガサ入れで職場を失い困っている首都圏の嬢にはぜひ名古屋に来て大いに活躍してくれないかなあ、と愛好者としては思うわけですよ。確かに東京と比べれば田舎ですが、過ごしやすい街だと思いますし。広告に「歌舞伎町の某人気嬢が当店へ!」と打てば田舎者の名古屋人は殺到しますよ多分(保証はいたしかねますが)。東京からのぞみなら1時間半強、下手な近郊都市に行くよりはよほど近いですし…
なんか怪しい勧誘みたいになってしまいましたが、雇用の確保と名古屋風俗の活性化を願うEPICの独り言です。ただこれも2.同様、万博終了後どうなるかわからないという問題点がありますが、まあトヨタがある限りはしばらく大丈夫だと思いたいです(願望)。
と、万博と風俗について思ったことを書き連ねました。意義があるかどうかはわかりませんが、愛知の「いま」を会員の皆様に少しでも伝えられることができれば幸いです。
ただ、今年9月25日に閉幕する万博について、常に「ポスト万博」の問題が付きまとっていることも事実です。長野五輪の「祭りの後」のように地盤沈下は避けられないという見方は根強くありますし、警察当局による全国的な治安浄化の流れから、愛知も東京や埼玉のように摘発が厳しくなる可能性もあります。他の多くの自治体同様、愛知県も県内全域で店舗型ファッションヘルスの新規出店は禁止ですし、派遣型ファッションヘルスの広告・宣伝も県内全域で不可となっており、他自治体と比べ甘いというわけではありません。
参考:愛知県警HP 風営適正化法に係る許可・届出手続 http://www.pref.aichi.jp/police/tetsuzuki/hoan/seifuuzoku.html
まあ、あまり暗いことばかり考えても仕方ないので、せっかくの万博、是非全国の皆様に来ていただきたいと思います。おそらく今後、日本でこれほど大規模な開発型の国際イベントが開かれる機会はそうないでしょう。韓国館アテンダントのきれいなおねえちゃんと会い、アルゼンチン館でタンゴを、ニュージーランドのマオリ族の民俗舞踊を楽しみ、バングラディッシュのスネークショーのショボさに失笑し、民芸品のフリーマーケットとしか見えないアフリカ共同館で怪しげな置物を値切って買うなど、混雑する企業系パビリオン以外にも見どころはたくさんあります。個人的にはソニーが開発した幅約50m、高さ約10mの2005インチのスクリーンは一見の価値があると思いますし(ちなみに「ブルーホール」という施設にありますが、類似の店とは無関係です)、NHKによるスーパーハイビジョン、瀬戸日本館で連日繰り広げられるパフォーマンス「群読 叙事詩劇〜一粒の種」などは素直に見てよかったなあと思います。
*愛知万博HP http://www.expo2005.or.jp/jp/
そしてアフターは“夜も元気な名古屋”でぜひ夜の万博を体験し、昼の疲れを癒して下さい。日ピン研にも熱烈なファンの多い「べっぴんコレクション」「ぢんぢんぢん」、名古屋駅からJRで20分の岐阜駅にはその名を全国に知られるソープ街の金津園、マジックミラーのJJグループ、愛知支部で“人妻同盟隊”が結成されるほど熱い人妻系の各店、べっコレと並ぶ回転系の雄「AV HEARTS」、外見が普通の古びたマンションなのに中は全部風俗店という栄名物「チサンマンション」、ハズレも多いが70分1万円と時間単価だけならピカイチのブルー系、その他愛知支部各員が自信を持って薦める店の数々etc、きっと皆様に満足していただける店が見つかると思います。なにせ電話帳以上の分厚さ1300ページを誇る風俗情報誌「City Heaven」が売れる土地ですから(一誌独占の弊害もありますが…)。
これを読んで少しでも「今年の夏は名古屋に行ってみようかな」と思っていただける方がいていただけると嬉しく思います。もちろんご予定が合えば、私ことEPICがエスコートいたします。愛知支部のメンバーも快く迎えてくれることでしょう。
では、愛知でお待ちしております!
愛知支部 愛知機動調査隊 先任隊員 EPIC (H17.06.17)