〜©日本ピンサロ研究会〜

ぼったくり遭遇危険度の算出について

By DON氏 (客員研究員)

1.はじめに

 風俗をこよなく愛する者の天敵と言われている物は、世に三つあると一般に言われている。すなわち、STD(Sexually Transmitted Diseases、性感染症)、(ソープランドにおける)振り替え、そしてぼったくりである。STDについては次号の論文において深く検証することとし、本号ではいわゆる“ぼったくり”について、ぼったくり遭遇危険度算出式を用いてその遭遇危険度を算出し、広く一般の風俗人に自らの抱える危険性を簡単に認識してもらう方法について考察する。

2.定義

 ぼったくりと一言で言っても、その意味するところは非常に幅広く、概念的であいまいな部分を含んでいる。ここで、改めて、出来る限り普遍的な尺度でぼったくり度を表せるよう定義付けしてみる。

 そもそも、ぼったくりとは何か。それは、ポン引き(後に詳述)もしくは受付で提供可能と言われて期待していたサービスを実際に受けられたか否かという尺度(期待差)と、期待していた(もしくは一般的な相場としての)料金と実際に請求された料金との差(価格差)によって定義されると考えられる。すなわち、生サービスOKと言われて期待していたのに、実際にはゴム付きのサービスしかされなかったという場合は期待差として表され、「5,000円ポッキリだから」と言われたのに、5万円払わされたような場合は価格差として表される。(図1参照)

図1:ぼったくりの位置づけ

 期待差が許容範囲外となるAと、価格差が許容範囲外となるPの和集合A∪Cが“ぼったくり”であり、A∩Cは悪質なぼったくり(悪質ぼった)、(A∪C)’が優良サービス店で受けられるサービスである。
 ただし、許容範囲の設定は各個人により異なるため、AさんにとってのぼったくりはBさんにとってぼったくりでない場合もありうる。しかし、その可能性は極めて低く無視してよいと考える。

3.キーファクターと危険度の算出

 ぼったくり遭遇危険度を導く場合、キーとなるのは、(A)ポン引きの存在、(B)相場料金、(C)理性、の三点であり、いずれも、先の期待差および価格差と密接な関係がある。また、これらのぼったくり遭遇危険度に及ぼす影響は一様であることもわかっている。
 ポン引きの定義は、「ぼったくりに関する一考察」( M氏、日本ピンサロ研究会, 1998)に詳しいが、その名前は、「お兄さん、ほんと5,000円ポッキリですからと巧みに誘い、話がまとまったところで、『ポン』と手をたたいてカモを『引っ張って』いく」ことから名付けられたとされている。ポン引きには近寄らないようにしたいものだが、ここでの問題はその本質を理解しているかどうかである。ポン引きに過去に遭遇した者、もしくは、インターネット等で十分に情報収集している者にとっては、

(ポン引きについていく事)=(ぼったくりに遭遇する事)

という定式が完全に理解されているはずである。この理解度についてPとする。

 次に、相場料金の認識についてであるが、これも事前の風俗雑誌、インターネット等による情報収集により認識度が上昇する。また、風俗経験値によっても上昇する。「3,000円で60分花びら回転」という看板を見て、「お、これは安い、行ってみよう」と思うか、「そんなバカな」と思うかの違いである。この相場料金認識度をCとする。

 最後に、ポン引きから甘い言葉をかけられた場合や、たけのこはぎに遭遇した場合等に特に顕著になるのだが、肉体的欲求に負けずに断る理性が、ぼったくり遭遇危険度を低下させる。ミニスカート姿で「お兄さん、あと一万円くれたら好きな場所にタッチありよ」と言われて、我慢出来ずに払ってしまうか、「今なら引き返せる」と思うかの違いである。これをRとする。

P=0,1
 理解していない場合0、理解している場合1

C=(i/10+k/10+y/10)/3
 iは一週間にインターネットで風俗関係のページを見る時間数で
  10を超える場合は10とする。
 kはピンサロ、イメクラ、ソープ、ヘルス、性感マッサージ等、
   これまでに体験したことのある風俗の種類を表し、10を
   超える場合は10とする。
 yはこれまでの風俗経験年数で10を超える場合は10とする。

R=r
 rはピンサロで好みの女の子に「3万円くれたらやらせてあげる」
と言われた時の行動で測定可能。

  「ごめん、お金ないしもう帰るわ」(本当にお金がない場合を除く)……1
  「3,000円で素股してくんない?」………………………………………0.5
  「1万円にしてくれたら払うよ」………………………………………………0.1
  「ホント?嬉しいなー」…………………………………………………………0

これらにより、ぼったくり遭遇危険度は

B=3/(P+C+R)

で表されることになる。

また、参考までに、Bは過去の統計により、

   1.0≦B<1.2……ぼったくりに遭遇する危険性は極めて低い
   1.2≦B<1.4……ぼったくりに遭遇する危険性は低い
   1.4≦B<2.0……ぼったくりに遭遇する危険性は普通
   2.0≦B<5.0……ぼったくりに遭遇する危険性は高い
   5.0≦B………………ぼったくりに遭遇する危険性は極めて高い

であることが求められている。
なお、(P+C+R)=0になる場合は、Bは算出不能になるが、その場合は絶対に歌舞伎町、池袋等ぼったくり多発地帯に近づいてはいけない。

4.まとめ

 本論文では、あいまいな概念である“ぼったくり”について、改めて定義するとともに、ポン引き理解度、相場料金認識度、理性という三つのキーファクターを数値化することにより、客観的尺度である、ぼったくり遭遇危険度Bを算出した。

 B式は幅広く応用可能であり、これを活用して、自らのぼったくり遭遇危険度を十分に認識し、それに合わせた行動を取るよう、今後も提唱していきたい。