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研究ノート「”萌え”はどこから来てどこへ消えるのか」

by やたり氏



 やたりです。日ピン研的には、ナイト内藤氏の京都「タコ社長」(既に閉店) から始まったと思われる、コスプレ喫茶、メイド喫茶に代表される”萌え”について、 個人的にようやく所感がまとまりましたので報告します。

1.とあるメイド喫茶との出会い

 京都にメイド喫茶”ミリタリーメディックカフェ”と称する、人気のメイド喫茶「Cafe de Joule(カフェ・ド・ジュール)」が あります。日本語に訳すと”軍隊衛生兵喫茶” (http://www.cafe-de-joule.com/) ホームページを見る限り、おふざけのコスプレ系喫茶?とでも 思うような、迷彩柄のメイド服ですし、書いている言葉がすべてわかりにくい。 しかし、悩む必要はありません!とにかく行って見るべし!!です。(笑)

ここは入店時は

「お帰還(かえ)りなさいませ!」と姫が敬礼。
(ふにゃっとわざとかわいくしてますが。)

「ご主人さま、イーグルチーム(席の呼び名のようですが)にご案内です。」
「イェッサァ!」
「ご主人さま、カレーご注文です。」
「イェッサァ!」

 と、間髪入れない姫達の小気味よい返事、それも、どこまでもメイドの トーンで元気すぎず、おだやかに、でもすばらしく訓練された反応の速さであり、 どうにも心地よかったです。 でも応対そのものは、まことに丁寧なメイドのしゃべりです。

 最後は、
「ご主人様、ご出発です。」
「いってらっしゃいませ!」
とまた間髪入れない小気味よい掛け声とともに、

「どうかご無事でお帰還(かえ)りなさいませ。」

 迷彩柄のメイド服もかわいかったし、元気をもらえるすばらしい 店舗運営でございました。(^^ さすがノーベル賞メンバを何人も輩出している街、独創的でありました。

2.”萌え”の本質とは?

 さて、今回の店でたいへんわかりやすく見えた組織で演出した”萌え”で ありますが、普通の優良メイド喫茶では、ごく自然に組織で演出をしており、 見えにくいところでした。例えば、上記の店の例にある「イェッサー!」という 表現はしないものの、それらの姫達のかけ声に確実に反応しているからこそ、 少ないメイドの数で店舗運営をしているのはまちがいないと思います。 で、この店でくっきりとそのしかけを知ることができました。 注文などを聞いてくれたり、若干のお話対応なども、余裕を持ってしてくれて いるのは、間違いなくバックでその時間の給仕対応を他の姫がカバーして くれているからにすぎず、目の前の姫だけが、特別に”萌え”なわけではなく、 店全体で”萌え”の空気を作っているからこそ、ご主人様、お嬢様も、 さらにメイドさん自身も、安心感を持って、給仕対応をしたりされたり、 できるにすぎないということです。

 次に、風俗などでは、実はこの給仕対応(受付、席までの案内、飲食品の運び入れ、 お会計)は、男性スタッフだったり、電話だったりするわけです。これは、 接客サービスをしてくれる姫への誘導であり、接客サービスそのものではない。 もちろん、接客する姫が、同時に行う場合も数多くありますが、あくまで サービス本体ではなく、それに付随する給仕対応でしかないと考えることができます。 例えば、給仕対応を変えれば、次のように風俗店ですら、次のように雰囲気が大きく変わることは容易に想像できます。(現実にできるか、客ウケするかどうかは別問題です、念のため。 笑)

・落ち着いた紳士や若い男性の落ち着いた対応・・スマートさ
・落ち着いた婦人や若い女性の落ち着いた対応・・安心感
・元気な男女青年の元気な対応・・・・・・・・・闊達(かったつ)さ
・萌え系女の子や小さい子供、かわいい動物・・・萌え

 また、小生の場合、風俗店の★5段階評価を「姫」「設備」「対応」 で評価していますが、喫茶店はすべて「対応」しかないであろうと。 逆に風俗店のメイン評価である「姫」に当たるところが、喫茶店ならどうなるか というと、人によりいろいろであろうと。つまりは人により「飲食品」「立地場所」 「給仕対応する人とのコミュニケーション」などバラバラな”目的のサービス本体”を期待して来店している と思われます。このバラバラさが、まさに喫茶店が喫茶店として必要な機能で あろうと思われるわけです。人がそれぞれやりたいこと「時間つぶし」や同時に 来店した客同士の「会話」、さらに「とりあえずのものを飲食する」とか 「店の給仕対応者との個人的つながり」など、個々にもってきた ”目的のサービス本体”を果たせる場でなければならないはずだからです。 メイド喫茶もまさにこの状況にあると考えられます。 メイド喫茶との個人的つながりを、メイドさんとのコミュニケーションノート などで、とっている客に対しては限りなく、接客っぽくなるかもしれませんが、 すべてのお客さんにあてはまるものでないことは、自明のことです。 これらのことから、

「”萌え”は組織戦・チーム戦で演出している給仕応対であり、 目の前に立っている姫(メイドさん)が単独で”萌え”な存在で あるわけでなく、また、”萌え”な接客をしているわけでもない。」

ということを知ることができました。

3.日ピン研で取り上げられるメイド喫茶

3−1.レポートでの取扱い

 個人的には、メイド喫茶は、接客のないサービスなので、日ピンでは 対象外のネタなんだろうと、感覚的に感じていました。 さらに、以下のように業種の評価をしていて、一応店内など プレイルーム内での姫のプレイ内容だけに限定して評価すれば、 エロかそうでないかに分類できるものと考えており、胸出し、お触りなどある セクキャバはレポすべきもの、お話程度のキャバ以下はそうではないと考えてました。

 最も、実際にはキャバしかないような地域もあったりしますし、 単純に夜遊びの場、と考えて接客のあるキャバクラまでは一般に認められてる 感じもしますし、日ピン研会長はもっとおおらかで、 「個々に、風俗と考えるならレポは全てOK」とのスタンスでしたので、 本来給仕対応でしかないメイド喫茶などのレポも上がってきていますし、 今後も継続されることと思います。

 
  メイド喫茶系 キャバクラ セクキャバ サロンヘルス系
抜き      ×      ×      ×     
エロ      ×      ×(△※1) ○     
接客      ×(※2)  ○      ○     
給仕対応    ○      ○      ○     
         
  メイド喫茶系 キャバクラ セクキャバ サロンヘルス系
日ピンレポ   ○(※3)  ○(※4)  ○     
日ピン論文   ○      ○      ○     


※1店内でのエロトークやくどきの結果、店外での、、、などありますから 単純に「お話なのでエロはない」というわけではないのかもしれません。 ちなみに小生が呼び出されるキャバ姫(笑)とか、コスプレキャバ姫 などはこの線はまずない。。。

※2つききりメイド喫茶やメイドリフレなんちゅうのもあります。 男性スタッフの受付を経由してからフリーなり、姫を指名して 姫とのお話時間だったりふたりきりで個室にいる時間をチャージ として払って入店したりします。まるで風俗の香りですが、 高○3年とかが相手だったりと違和感ありあり。ま、エロの線は まずないでしょう。今後はどうなっていくかわかりませんが。(笑)

※3レポあり、状況としては賛否両論。個人的には興味なく×です。

※4レポあり、個人的には興味なく×です。

3−2.研究ノートでの取扱い

 一方、研究ノートなどの”論文”のコーナーが日ピン研という組織にはあります。 本来、風俗周辺ネタが対象なんでしょうが、ごじつければ、”なんでもあり” という、大変自由な受け皿です。小生はこのエリアを使って、諸先輩方が おそらく多大な苦労と、それを補って余りある、”萌え”への熱い情熱で レポされてきたものを集約し、日ピン研的なアプローチができない ものかと思い実施してきたのが、「大阪・メイド喫茶系への日ピン研的アプローチの考察」です。数多く店を訪問するたびに、なんとなく”萌え”の店と そうでない店があることがわかり、そのポイントをサービスがメイドSPなのか そうでないものなのか、などで評価する方法を考察してきました。

 なお、この店の評価の方法を考察するにあたり、サンプルとなる店舗情報を 同時に掲載したのですが、最初は、日本のメイド喫茶の2大拠点である、 ”秋葉原””日本橋”の一方を預かる大阪の日ピン研メンバーとしては、誰かは 掌握しないといけないのではないか?という素朴な使命感から、夢中で実態把握を してきました。しかしながら、風俗店ですら栄枯盛衰の激しい昨今、このメイド喫茶 なるあまりに水揚げの少ない、経営の難しい店が、萌えビジネスなどという、 耳障りのいいところだけのマスコミ情報などに踊らされ次々に、新規開店しては、ごく短期間で閉店に 追い込まれていく、実態を知ることにもなりました。これはまるで文化祭の出店を 調査しているようなもので、最新情報を追いかけるということの意味を 見いだせなくなってきました。一方で、そういう状況だからこそ、こんな時代も あったんだよ、と歴史に残す意味はある程度”アリ”なのかな、とも思えるように なり、とりあえず現時点での関西の店舗情報を把握したのをきっかけに、考察の ためのサンプルでしかなかった店舗リストの更新を次回で完結させることにしました。

4.”萌え”はどこから来てどこへ消えるのか

 さて、タイトルの答えなのですが、小生なりの結論としては

(1)”萌え”は、店の組織・チーム全体で演出した結果発生する。

(2)”萌え”は、ご主人様・お嬢様のお帰り時(来店時)に、 各人各様の目的を果たすことができるようにするまでの給仕対応 として存在する。また、”目的のサービス本体”を果たした後、 ご出発されるまでの給仕対応としても存在する。こちらは、 次も帰りたい(来店したい)とご主人様・お嬢様に思わせる 大事なポイントであることは確かです。

(3)ご主人様・お嬢様が目的を果たそうとする時点で”萌え”は消滅する。 喫茶店で言えば、飲食したり、会話を楽しんだり、メイド姫との個人的 つながりを強めるコミュニケーションが、目的の一例になると思います。

 ”萌え”と”個人的なつながりのあるメイド姫”とを、ついつい 混同してしまいかねませんが、店としてはそれは本意ではなく、 たいていの店には但し書きに、次のようなものがあります。 「店外でメイドさんをみかけても声をかけないでください。」 組織・チームで”萌え”を演出している以上、当然のことですね。 しかしながら、一方で”メイドでない時の姫”自身が純粋に ”メイド好き”、”萌え好き”であることも少なからずあります。 しかし、これをもって、”メイドでない時の姫”に”萌え”的なものを 要求するのは筋違いということになるでしょう。

5.最後に

 現在のように”萌え”がブームのまっただ中にあり、さらにそれが、 給仕対応の中で作られている以上、あらゆる目的のサービスに応用される ことは自然な流れであると思いますし、今後も広がっていくと思われます。 また、その広がりの中で、”萌え”好きな姫達の供給が増える方向に あることもその現象を加速させるものになるのではないかと思います。

 一方、現在は、”萌え”自体にサービスの対価(チャージ)を乗せる 店は少なく、どこまでも給仕対応の範疇(はんちゅう)としてとらえられて いるようです。しかし、”萌え”そのものが”目的のサービス本体”だという 考え方を取り入れ、サービスの対価(チャージ)を利用客に請求し、経営の安定に努める店も少しずつ出てきているようです。 一方、それに乗じて、ひどいサービス本体を平気で提供してくる、本末転倒な 店も出てくると思われますので、このあたりは、だまされないようにしながら、 ”萌え”を楽しんで頂きたいと思います。

 特殊強襲調査隊 アルファ中隊長 やたり (H18.05.21)
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