研究ノート「感染症治療の臨床例 その2」

by TAMA氏


 「その1」があると言うことは、当然「その2」がある。今回は3年前、風俗初心者だった頃の「ドウシヨウモナクナッテカラ」泌尿器科へ行ったレポートである。昔のことなのに詳しく覚えているなと感じられたならば、それは今回の治療にあたって、同じ医者と昔のカルテを見ながら「もっと薬をくれー」とやりあったからである。

11月20日頃
 梅田の某ピンサロに友人と2人で入る。オールタイム2980円/30分でDキス、指入れ有り、生フェラの当時としては他に例を見ない値段の店だった。(デフレスパイラル突入前の牛丼が400円だった時代の話である。)もちろん、美人が出てくる訳はなく、ぞうさんだったり、お顔がXXだったり、耳が聞こえない娘と筆談したりと色々あったが、値段とサービスを考えれば納得出来る店だった。しかし、潰れる直前にトンでもないのに当ったのである。

 コギャルだった。胸が小さく、茶髪だったが、逆パンダではなく、普通に化粧していてこの店で出てきたのが不思議なぐらい可愛かった。年に釣り合わないFテクに、近頃の若者の性の乱れを憂いつつ気持ち良く発射した。しかし、余った時間のトーク中にバカ女がトンでもないことを言い出したのである。

コ「今日、お医者さんで検査してきてん。」
T「ふーん。値段安くてもちゃんとしてるんやね。」(風俗嬢が病気に気をつけるのは大変好ましい)
コ「そんでLevel 7て言われてん。十段階で8以上やったら店出れんようなるからホンマ、ギリギリで危なかったんや。」
T「・・・ナニがLevel 7なん。」
コ「別にセイビョーとかちゃうんやけど、バイキンがちょっと多いんやて。でも、風邪とか引いてテイコーリョク弱ってたりしてへんかったら大丈夫やって」
T「・・・歯磨いた?」(何となく、コギャルの息がウンコ臭いような気がしだす。)
コ「うん。今朝磨いてきた。」
T「帰るわ」(バイキン多いの知ってるんやったら接客前に磨き直せー。)
コ「ハイ名刺。今度は指名してな」

 店を出てから頭が半分パニックになった。(レベル7のMAGEはLAHALITO、DALTO、MAHALITO等の大量殺戮呪文を唱える。いや、7と言えばTILT・・・、違う。カスTHIEFがPOISON NEEDLに・・・。いやBLUE LIBONの部屋の7レベル軍団の宝箱の中のRING OF DETHを役立たずBISHOPが装着したんだ。)
 一緒に入った友人はぞうさんにあたったらしく、何かブツブツ言い出したが、レベル7の怪談を打ち明けると、自販機でコーラを買い、ポケットからウエットティッシュを取り出して
「便所で洗らっといでや」と言ってくれた。本当にこんな時は一人でないことが有りがたい。

3日後の朝
 ポコチンがネチョっとする。真剣に神に祈る。「神様、仏様、オギャルのバイキンから私の可愛いムスコをお守り下さい。願いが聞き届けられたら今度こそ真人間になります。二度と風俗にも行きません。空き巣も粗略に扱わない人格者に生まれ変わることを誓います。・・・」

12月1日
 ウミがドンドン出てくる。排尿時に激痛を伴う。心地良いはずの尿の熱さが恨めしい。パンツが汚れないようにテイシュペーパーを入れる。個室でしか用を足せなくなる。周りには酷い下痢と言い訳する。信仰を捨てたのはこの時である。

12月6日
 有給を取って泌尿器科へ行く。自分の健康保険証を汚したくないので、こっそり弟のを使おうかと暫く悩むが、良識という2文字が兄弟喧嘩と家族会議を回避させる選択を促す。○○泌尿器科の電話番号は821-1887(ヤマイイヤヤナ)だった。この電話番号は一生忘れないだろう。しかし、せめて○○医院とか○○クリニックとかマシなのにと自分の専門にプライドを持っている医者のデリカシーの無さを恨めしく思う。

 看護婦(20代後半のルックスA-)に保険証を渡すと、問診表を記入するように言われる。
 海外旅行にいったか?、輸血したか?etcを記入する。
 問診表を返すと検尿のコップを渡される。透明なプラスチック製だ。採尿すると尿の中にウミが浮いているのが良くわかる。看護婦は慣れた手つきでサンプルをとって、暫くお待ち下さいと言う。

 15分程して医者に呼ばれる。尿を見るなり、
医「バイキンいっぱいですねー。失礼ですけど性交渉はどうでしたか?」
T「2週間前にピンサロでフェラしてもらっただけです。」
医「フェラだけでもクラミジアとか移るんですよ。危ないですよ。遊ぶときはフェラだけでもコンドーム付けないと危険ですよー。じゃ、見ますんでそこのベッドで横になってチンチン出して下さい」

 ベッドの周りはカーテンで仕切られていて外からは見えなくなっている。医者はナニを診るなり、「ヒドイナー。真っ赤だなー。」と言う。続いて触診、上下を指で押して尿道を開いて中を覗きこむ。「中までハレてますわ。次、前立腺行きますね。」と言って、指サックを付けた中指をアナルにプスリとやってグニグニ。こんなことは美人の看護婦さんと女王様以外にはして欲しくない。「良かった。前立腺は腫れてませんよ。痛くないでしょ。もう服戻していいですよ」

 再び机の前に戻る。ウミから菌の培養試験と、採血してクラミジアの抗体検査をすると言われる。もらった薬はミノペン(抗生物質)とイルザイム(消炎剤)。一日各2錠。1週間後にまた来るように言われる。塗り薬はもらわなかった。治療費は4000円弱ぐらい。

 1日目、2日目は何も変わらなかったが、3日目から痛みがグッと和らいだ。しかし、7日たっても何か先っぽがヌルヌル。

12月13日
 再び病院へ。検尿とナニの観察。クラミジアはシロ。菌の培養試験では、性病となる菌は検出されず。ただのバイキンと判定される。まだウミが少しでてるので、同じ薬をさらに1週間飲むように指示される。言われた通りに薬を飲みつづける。治療費は1000円弱。

12月20日
 再び病院へ。治ったと診断される。治療費は数百円。

12月30日
 何も悪いことしてないのに再発。チンからウミ。ヤブ医者は1月4日までお休み。

1月1日
 イタイ。小便出来ない。

1月5日
 再度医者に行く。前回の治療で菌が死に絶えて無かったためと診断される。でも、前回より症状はずっと軽いから今度は薬の量を1日1錠に減らして、2週間飲んでみようと言われる。治療費は1000円弱

1月19日
 治ったと診断される。治療費は数百円。今度は再発しなかったが、以後半年間、風俗に行かなくなる。

 前回のレポートと比較すれば、早期治療の重要性を理解して頂けると思う。私が薬剤の備蓄に努力した背景にはこのような辛い経験があったのである。

 大阪支部 大阪事務所長 TAMA