〜©日本ピンサロ研究会〜

「風俗学の発展に向けて」

ピンサロ研究会
Pink salon rearchers labo.

1.はじめに


 風俗産業が世間の注目を集めるようになったのはつい最近のことである。この数年の間に風俗は急速に勢力を拡大し、いまや日本の代表的な産業にまで成長した。21世紀には、情報産業の事業規模を超えるのではないかとの予想もある。この魅力的な市場は研究者にとって恰好の研究対象となった。1996年代には、誰もがそのメカニズムの解明に躍起になったのである。
しかし風俗が研究者に注目されるようになってから日が浅いために、風俗を研究する学問すなわち”風俗学”の解釈も人によってまちまちであり、厳密に定義されていないのが現状である。そこで本投稿において、いままでに発表されてきた研究成果を整理するとともに、風俗学と呼ばれるものがどのようなもの、あるいはどうあるべきかを明らかにすることを試みる。

2.風俗研究幕開け


「風俗は1人で行き、1人で楽しむものである」。1990年以前は、このような風潮があったためか、風俗情報そのものが存在しなかった。しかし、風俗店の数が増え、利用顧客数が増えるにつれて風俗情報への需要が高まってきた。さらにインターネットの普及とあいまって、いわゆる風俗体験談がWEBページ上で数多く発表されることになった。これらは、その情報の量、質においてユーザを十分満足させるものであった。人々は得られた情報を自分の生活の中で積極的に利用するようになった。しかし反面、発信される情報の増大したために、人々がその情報を処理しきれないという問題点もあった。すなわち事実の列挙のみでなく、その背後に存在する本質的な法則/理論にたいする需要が高まってきたのである。

3.風俗論文


1998年、風俗産業を価格理論を用いて実証的に分析した一編の論文が発表された。「風俗業界における価格形成に関する実証分析」(M氏,1998)である。また、この論文を補いつつ、あらたな分析手法を利用した「対数線形モデルを用いた風俗産業における価格形成分析」(N氏,1998)が続けて発表された。これらは風俗論文という未開の領域を開拓した貴重な論文である。

続いて、「セーラー服指向度の経時的変化に関する一考察」(M氏,1998)が発表された。この論文は心理学と統計学を応用した学際的な論文である。これを皮切りに各学問領域の研究者がこぞって風俗を研究するようになった。また、この当時風俗研究者の中にイメクラ派とピンサロ派の2つの流れができあがってきた。これについては「人は風俗に何を求めるか」(日本ピンサロ研究会,1998)に詳しいので参照されたい。また、ピンサロ派の唱えるピンサロ至上主義については「ピンサロ物語 〜 第2回 常識を疑え 〜」(T氏,1998)に詳しく述べられている。

風俗研究の流れはとどまるところを知らず、さらに言語学/理論物理学までをも巻き込み、次々に論文が発表された。「関西風俗店における191.9kHz性欲共鳴効果」(M氏,1998)や「人は何故風俗嬢に恋するのか 〜風俗相対性理論の構築〜」(M氏,1998)等である。また、現在は情報システム学と風俗を結び付けた”情報風俗学”が主流になっている。中でも「風俗情報スーパーハイウェイ構想」(M氏,1998)や「FTTS(fiber to the soap)構想 」(S氏,1998)等は理論を超えて、現実社会への積極的な提案を行っている点で、評価に値するものと思われる。

3.風俗学体系


先に、風俗学に明確な定義領域は存在しないことを述べた。逆に定義しないことにより、バラエティに富んだ研究を行うことができる点が風俗学の魅力であると筆者は考える。参考までに現在までに行われてきた研究を整理し、風俗学を体系化すると以下のようになるのではなかろうか。

[風俗学]
  情報風俗学
  社会風俗学
  ミクロ風俗学
  マクロ風俗学
  風俗物理学
  風俗人類学

また受理されなかった論文の中には、数学者や地理学者、さらに医学会からの投稿もあり、これらの領域は今後さらに増えて行くものと思われる。

4.研究アプローチ


さて、今まで研究領域について述べてきたが、視点を変えてそれぞれの論文において、どのような研究アプローチが用いられているかについて言及してみる。

事例研究  24件
実証研究   3件
提案論文   3件
理論構築   2件
報告書    2件

やはり、体験談などに代表される事例研究が圧倒的に多いことがわかる。しかしここ数ヶ月を見ると、事例研究の増加率が減り、提案型の論文が多く発表されていることもわかる。これは、事例研究により十分なデータが揃ってきたために、理論の構築や現実への提案などが行いやすくなったためであろう。

5.おわりに


本投稿では、風俗学とはどのようなものかをテーマに論文の紹介及び、研究の傾向を調査した。風俗学はまだ立ち上がったばかりであり、誰もそれを定義することができない。しかし今後重要な学問領域になることは明らかであろう。学問として成立した暁には、小学校教育においては「ふうぞく」として、中等教育では「風俗」、高等教育では「風俗学」として、教育課程に取り入れて行く必要があると筆者は考えている。特に小学時における「ふうぞく」は、「たいいく」や「どうとく」と同様に、幼少期における道徳倫理教育に大きな役割を果たすものと考える。