論文「ソープランドとヘルスにおける同価格帯での満足度に関する一考察」

by 元店長氏


1.緒言

 我が国においては、合法違法を問わずして多種多様な風俗店舗が存在する。また、ゲスト(客)が対価に見合うサービスを享受する事が可能か否かは非常に重要な問題である。これは、M氏による「セーラー係数」の定義からも明白である。コストパフォーマンスにおいては、自動車の「燃費」と同義である「発射係数」(料金/単位時間による比較)によりある程度の推測は可能であったが、それと満足度とは必ずしも比例関係に無い。
 そこで本論文では、風俗業種のうちソープランドとヘルスにおいて発射係数が同一の店舗において「費用対満足効果分析(S/C:Satisfaction/Cost)」なる概念を取り入れ満足度に関する考察を行った。
 その結果、発射係数が一定であればソープランドよりヘルスの方がS/C値が常に高い事が明らかとなった。

2.実験方法

 風俗専門誌より両業種から無作為抽出した店舗において発射係数を比較し、これが同一となるまで抽出を繰り返し1店舗づつサンプルを決定した。それらの発射係数は、200円/分であった。

3.費用対満足効果分析のパラメータ

 費用対満足度はS/Cにより定義される(Satisfaction:満足度、Cost:費用)。本考察においては発射係数が同一であることより、Cは一定とみなすことができる。
 満足度Sは次の関数で定義されると仮定した。

 S=f(I,H,E)

ここで、
I:挿入度(本来の店舗における、挿入もしくはそれに類似する行為を挿入と関係づけるパラメータ)
H:卑猥度(行為の卑猥度に関するパラメータ)
E:期待度(満足期待度)

 各々のパラメータには、厳密には次元が存在し定量的に表現されるべきであるが本考察ではトレンドに着目することとして、定性的パラメータを表現するにとどめた。以下に実験から演繹された満足度Sを表現するための各パラメータを定義、検証する。

 (1)挿入度
 本考察における挿入度は0<I≦1の範囲であるものとする。定義よりソープランドではI=1の定数となり、ヘルスにおいては1にはなり得ない。一方、射精を行う事を考えるとヘルスにおいてI=0になり得ない。

 (2)卑猥度
 サービス度は、姫本来が持つサービス定数β(β>1)と挿入度の関数により定義される。

 H=β/I

上式は、挿入度が小さくなるほど卑猥度が増すことを示している。一般に、ソープランドでは、挿入度が最大で有るためにサービス時において、ローションを局部に塗布すること等によりドキドキ指数が低減することが多い。これらから本関数を推定した。また、ソープランドにおいては姫も最終的行為を行う認識により、卑猥度が低くなる傾向がある。しかしながら、本式においては定性的に卑猥度を表しているに過ぎないことに留意すべきである。

 (3)期待度
 心理学的観点において立証されているように、幼年期において「してはいけない」ことを「する」行為は快楽につながる。成人に達しても、挿入度が1であるソープランドにおいては期待度の寄与は少ないが、成功の可否問わずして挿入度が1以外においては、少なからずの期待を抱くものと考えられる。逆に、挿入度を求めずしてソープランドを避ける場合も考えられる。よって、「挿入したい」を0とし負であるならば「したくない」、正であれば「したい」とする客個人の思考定数αを導入し期待度を次の関数により定義する。

 E=(α+1)^2×I

 ここでαを乗じたことは、ソープランドにおける思考定数αが0であるにも関わらず、ヘルスにおいて思考定数が負および正であっても期待度に有利になることを表現するためである。また、対価を支払っている客自体の思考係数であり、この定義は問題が無いと考えられる。

4.満足度の表現

 先に示した満足度Sを定性的に次のように定義する。

 S=I×H×E

 よって前項までのパラメータを代入すると、次のように満足度が表現される。

 S=I×(β/I)×{(α+1)^2×I}
=β×(α+1)^2×I

 これより満足度は、次の要因により決定されると推察される。

 β:姫本来のサービス定数
 α:客個人の思考定数(挿入したい度)
  I:挿入度

 これより、ソープランドにおいてはα=0以外の値をとらないが、客個人の思考定数がソープランドを求めない限り満足度Sはαによりヘルスにおいて高値を示すことが明らかとなった。また、実験において発射定数が同一である店舗においてはβがソープランドにおいて著しく低値を示すことも付記する。

5.総括

 本考察において、きわめて定性的な指標ではあるが、「挿入」という観点から費用対満足度において、ヘルスが勝ることを示すことができた。
 しかしながら、各関数の定義に線形式を用い満足度の分離においては標本数も少ない事があり、きわめて定性的な指標を提起するに留まったが、「挿入」という観点から費用対満足度において、ヘルスが勝ることを示すことができた。

 風俗産業・経済研究室 主任研究員 元店長