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「風俗愛好者のための法律講座 その9 〜風俗店における民事上の諸問題〜」

by KEN氏

 我々の生活に法律とは欠かせないものである。すべての行為は何らかの形で法律に守られ規制されている。例えば道を歩いているときは道路交通法により規制され、コンビニでの買い物も民法に言うところの売買契約である。子供たちが成人しても親のスネをかじり家庭で食事をしているのも家族法に言うところの扶養の義務が親(と言うか親族)にあるからで、恋愛も相互に他者を自己の専有下に置く契約であり、それに第三者対抗要件を与えるのが「婚姻」(少し無理な理屈かもしれないが・・・)突き詰めれば人間が生きて行くために、常に法律が付きまとい時には邪魔をし、時には保護を与えてくれる。

 しかし法律はすべての者に平等ではない、総ての者を守ってくれるわけではない。常に弱者が守られる訳でもない、知っている者だけが守られるのである。
 何事もなければいい、それに越した事はない。実際の人生で裁判所のお世話になる人の方が少ないのが現実であろう。しかし、法律を知らなかった故に人生がめちゃくちゃになった人がいるのもまた現実である。
 その昔、死刑囚が「無知の涙」という本を出版したが、あえて言う、現在の法治国家である日本において「無知は罪」である。知らなかったでは済まされないそれが法治国家に生きる我々の宿命なのだ。

 さて前述のとおり何事も法と言うものが付きまとう、では我々の愛して止まない風俗ではどうであろうか?風適法が平成10年に改正され今までグレーゾーンにあった風俗が「性風俗特殊営業」という名目でほぼ合法化された。色々な制約があることはあるが取り敢えず合法化されたことは非常に意義深いことだ。(最近のマスコミの報道で「風俗店店員のA子さん」などとよく聞くがこれは風適法が改正されてからである。以前であればサービス業だとか接客業だとかとにかく違う呼び方をされていたはずで、合法化の意外な波及効果の一例と言える)つまり国家が認めた立派な「商売」ということである。
 しかし風適法は行政による風俗営業者に対する規制がメインで我々愛好家は取り敢えず蚊帳の外である。では風俗店と我々の間を繋ぐ法令は何か?それは民法である。

 風俗とは,突き詰めれば,店の我々に対する役務(サービス)提供の契約と言える。契約の内容は本番以外であれば「性的好奇心に応じ」たあらゆるサービスをして構わない、手を使おうが口を使おうが構わない。風適法では単に「客の性的好奇心に応じて提供する役務」としかされていない。ここでは本番の禁止をしていない。(肯定もしていないが禁止していなければ基本的には公序良俗に反しない限り認められたものと言い得る)本番を内容とする契約ができないのは「売防法3条」で禁止されているからである。これは不法な契約(不法条件)であり無効な契約となってしまう。無効な契約と何か?その名のとおり「効果の無い契約」と言うことである。いったいどういうことかと言うと、店側も客側も債務を履行する必要が無いということである。つまり店は客に本番サービスを提供する必要がないし、客は本番しても対価を払う必要がないと言うことである。無効行為の追認としても、追認して新たな契約と看做される契約も相変わらず不法条件の無効な契約なのだからやはり無効に変わりはない(循環参照)。

 ただし禁止されるのは金員の授受を伴うサービスの提供契約である、この意味がお分かりであろうか?これでただでできる!などと思っていたら大間違いである。手痛いしっぺがいしを食らいますよ。もちろん合法的なしっぺ返しです。あまり詳しく書くと不届きな愛好家がとんでもないことをしそうなのでここでは控えさせて頂く。ある意味経営者の方も注意が必要、ちょっと賢い客なら・・・他の店がそうしてるからとか漠然とした経営姿勢ではいけませんよ!どっから叩かれてもいいように根拠をしっかり把握した経営をしなければいけません(まっその辺は取っぱぐれがないようにしてると思いますが)。愛好家のみなさん、じっくり六法を読んでカラクリを解いてみて下さい。

 このとおり、契約の内容は明示できるのであるから明示してある事はしてもらわなければならない。(ただし、性風俗特殊営業は飲み屋等の風俗営業と異なり料金表等の掲示・明示義務は法令上必ずしもありません。しかし明示してあれば当然それに拘束されます。)もし40分のところ35分で終わったり、ディープキスありとしていながらキスがなかったり、下お触り自由のはずが生理中につきNGだったりすればこれは店側の債務の「不完全履行」として完全履行請求権または契約解除権それに伴う原状回復請求権若しくは不当利得返還請求権及び損害賠償請求権が発生する。要はカタログどおりのサービスをしてくれ!と請求できるし、少し金返せ!と請求できる訳である。ただし全額の返還の請求はできない。

 と言うように愛好家として事前に十分サービス内容をチェックしなければいけません。いくらで一体何をしてくれるのか。でなければ請求することもできませんし、もしかしたら、あれもこれもオプションかも知れませんし、ボッタかもしれません。風俗営業者が「商人」としての意識を持つのも大切ですが、我々も「消費者」としての意識を持ちましょう。さしずめ我が日本ピンサロ研究会は「風俗消費者センタ」といったところでしょうか(笑)

 また、よくお店に「禁止行為」として掲示されていることがあります、そして罰金50万円とか100万円とか記載されていますね?これも一つの契約と言えます。店側がよく読んで下さいとか従業員が説明し、その上で遊んだのであればこれは承諾したことになると言わざるおえません。罰金は本来刑罰ですから裁判所以外が科することはできませんが文言に囚われる必要はありません、これは違約金若しくは損害賠償の予定と言えるでしょう。そうするとこれは争えません、もし禁止行為を犯せばその額を支払わなければいけないのです。賠償額の予定をした場合は裁判所でもこれを変更することができません。十分注意しましょう。

 そして店側と女の子との関係は,雇用主と労働者ということになります。当然各種労働法が適用されます。有る意味法令上はサラリーマンと同等の立場なのです。女の子は胸を張って権利を主張できますし,正面から労働基準監督署に出向こともできます。これも風適法改正により風俗が合法化された副次的効果でしょう。実際労働組合が立ち上げられたと新聞にでていましたが,これからの風俗経営の難しさ,経営者はしっかりと覚悟しておりたほうがいいでしょう。私はそう遠くない将来にそう言った労使関係でつまづく店が必ずでてくると思います。そのうち「本日はストライキのため営業致しません」とか「ロックアウトにより,当分営業しません」とかそんな時代がそこまできている・・・・かもしれません。

 最近よく聞かれるボッタクリ・・・確かに民事上も,場合によっては刑事上も,法令上は騙された方が色々損害を回復出来る規定があります。が,現在の民法は残念ながら穴だらけです。権利はあってもそれを行使するのにかなりの困難が伴うのが実状です。裁判は時間がかかります,たとえ勝訴の判決を受けても何年も後では何の意味もない,と言うことが多々あります。ましてボッタをするような連中は社会的に失う物が何もないので(例えば信用とか・・・)幾らでも判決の実現(強制執行など)をすり抜けることが出来るのです。極論すればボッタにあったら損害をより増やさないように努力するのが精一杯であり,損害の回復はかなり難しい・・・そういう状況です。みなさん十分注意しましょう。

しかし!ボッタクリに泣く愛好家を減らすべく我が研究会は日夜努力して研究を重ねていきます,被害を局限するためにも,ボッタクリ情報は皆で共有しましょう