〜©日本ピンサロ研究会〜

論文「ピンサロにおける、指名及びオキニの重要性」

by JT氏


1 始めに
<フリーこそ、風俗の醍醐味である。>これは、風俗愛好家にとって大命題である。特に、ピンサロ愛好家にとっては、教訓だと言ってもよいであろう。姫が来るまでの期待感と不安感、それはこれから過ごす30分間の時空を左右する、最重要決定事項だからである。
 しかし、不思議と回数を重ねる内に同じ姫を指名するようになり、オキニ化してしまう。そして気がつくと何年という時間を共にしている事もある。ここでは、フリーから始まり指名するようになりオキニ化するまでの時間経過と、そこに介在する心理的欲求を分析することにより、オキニの重要性と、不利益性を考察してみたい。

2 ピンサロにおけるフリーの意味合い
 ピンサロユーザーが、ピンサロに求める物は最終的に性的欲求を満たす事を、手伝ってもらう事であるが約30分の時間と狭い空間のなかで、その目的を達成することは大変な作業である。
 しかし、更にそこに条件を付けるのが男の本能であり欲望である。そしてそれの選択基準をみたすのが指名であり、そこからオキニへと発展すると考えられる。しかし、フリーから指名へ移る確立は、数%にも満たないと考えられる。そこで、まずフリーから指名に移るまでの行動パターンを検証し、そこに介在する心理的トラウマを導いてみようと思う。
 まず、ピンサロの選定については、以前発表した、<ピンサロにおけるエンターテイメンティズムとアマチュアイズムについての一考察>を参照して頂きたい。
 次にピンサロをフリーで楽しむという事は、勇気がいる事である。その主な理由は不確定要素が多いからであるが、その要素は風俗に見られる独特の選定基準に関わっているように思われる。それは、次のようになる。

1.ビジュアル→例、可愛いから・・
2.ボディ  →例、オッパイが大きいとか・・
3.性格   →例、やさしい、とか癒される・・
4.テクニック→例、他はどうあれ、とにかく上手い・・

 ピンサロの場合、この要素が時間差でやってくる。例えば、飲食系風俗の場合の選定基準はビジュアルとテクニック、つまり会話が主たる要因を占め、そこに口説くというニ次的要素が加わって構成されている。
 しかし、ピンサロの場合、抜くという特殊作業が加わる事にによって、構成が実に複雑になる。それは、フリーの場合選定基準の四つの要素が30分という時間の中で、序々に事実が判明するからである。最初に逢った瞬間にビジュアルが判定されるが、そこで好みではなくても他の三要素に期待をかける。最終的に失敗したと判断するときは、事が終わった時であり途中で変更できる要素は無い。
 ここで、問題なのは、30分の間に抱く期待感は(最終的には失望になる可能性もある)、CS(顧客満足度)に反映されるのかという事である。
 ピンサロにおけるCSは、いかに気持ち良く抜いてもらうかに集約されるが、そこに至るまでの経過をどのように評価するかで、CSの充実度が決定される。一般的な評価パターンは実質的結果主義であり、トータルパフォーマンスで決定されるので、経過推移における、精神的充実度は考慮され無いと考えられるが、ピンサロにおいては考慮されるべきと考える。それは、指名という保険料を掛けていない事が主なる理由であるが、もう一点重要な理由があると考えられる。
 それは、最初のピンサロに行こうと思った意思決定がどのようにされたかという事である。コストパフォーマンス的な問題でピンサロを選定したのであれば、全てのリスクはユーザーが背負わなければならない。逆に、ピンサロで遊ぶ事が前提としてあり、フリーを選んだのであれば、そこで共有されるべき時間は全てにおいてCSに反映されると考えられ、それはピンサロの正しい遊び方の一つを実践していると考えられる。(図1を参照)

 

  図1

ピンサロに行こうという意思決定

フリーを選定(どんな姫がつくであろうか、どんなサービスが受けられるかという期待感)

対面(ビジュアルの判定。ビジュアル的に好みであるか、否か。否の場合、他の要素に期待をかける。)

会話(性格の判定と共に、雰囲気作り、スキンシップの有無の判定。ここで好みで無くても、次に期待をかける。)

サービス(体形的な要素の判定と共に、SPの充実度の判定)

 このように、ピンサロにおけるフリーでの遊び方は四つのシチュエーションと四つの要素で構成される。この内、いくつの要素で満足が得られるかで充実度(オキニ化)が決定されるが、ピンサロという業態ではどれか一点でも該当すれば許されるように考えられる。つまりそれが、時空の共有と経過における精神的充実度と言う形での満足度である。すなわち、写真指名という保険を掛ければ、最低、一つの条件は満たすわけである。それでは、次にピンサロにおけるオキニの意味を考えて見たい。

3 ピンサロにおけるオキニの意味
 自分で持っている選定基準を満たしているのがオキニであるのは明白な事実であるが、ピンサロで遊ぶと言う意味では安直であると考えられる。それは、一定水準以上のサービスが保証されているからであり、逆に考えると新鮮味に欠け新たな刺激を得られないとも考えられる。
 それは、オキニ化してからの時間の経過と共に現れ、マンネリとも、慣れあいとも考えられる。故にオキニ指名は、性的欲求を満たす相手としては最適であると考えられるが(精神的安定感とでも表現できる)、ピンサロをトータル的に楽しむ為にはフリーが原点だと考えられる。しかし精神的安定感に癒し効果や安心感を求めるのであれば、オキニ指名は効果的である事には間違いない。
4 総括
 オキニという存在は、姫とユーザーの関係において、また姫と店の関係においても重要なファクターである。客数で稼ぐ商売では基本ベースになる売上、すなわち固定客の売上、プラスアルファーの売上として、フリー客の売上で売上値が構成されるが、この関係は姫においても店においても共通であるし、姫は指名獲得(オキニとして認知される)が、営業収入を増やす唯一の方法である。
 ユーザー側からすると、そこに安定感、安心感を求めるということになる。更に、店側としては、フリー客に対して一定水準以上のサービスを提供しなければ、フリー客の固定客化は成し得ないと考えられ、それは一重に姫の努力に依存している。
 しかしそこがピンサロの問題点であり、営業のリスクの殆どを姫に負わせる事になり、その象徴が指名であると思われる。今後ピンサロの健全的発展には、いかに、営業リスクを分散化させるかに掛かっているように思われ、それが逆にユーザー獲得に繋がるのでは無いだろうか。そして、ピンサロユーザーは、オキニ指名とフリーの遊び方の目的意識の違いを明確に持つ事が必要なのではないだろうか。

 風俗産業・経済研究室長 JT