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研究ノート「いわゆるメンヘラ風俗嬢についての一考察」

by えせ男爵氏


1. はじめに

 いつもお世話になっております、研究部のえせ男爵です。みなさまにおかれましても多くの方は、リストカットの痕がたくさん残った姫や、ちょっと言動やコミュニケーションの取り方が独特な姫に出会った経験があるでしょう。いわゆる「メンヘラ」と呼ばれる姫のことです。彼女らにはできれば出会いたくないと思われている方もいるかもしれません。しかしそうした中にも「オキニ」や「定番嬢」にしたくなるような、魅力的な姫がいることもまた事実です。
 そこで小論では、いわゆる「メンヘラ風俗嬢」について若干の分析を試みた後、彼女らとのよりよい付き合い方について考察してみることにしたいと思います。

2. メンヘラと風俗の関係

 まずいわゆる「メンヘラ」の用語について確認しておきたいと思います。この言葉はもともと「メンタルヘルス」に由来する通俗的な表現で、広い意味で「心に何かしらの問題を抱えている人」くらいの意味で用いられているのが一般的だと思います。その中には、医学的な意味での精神疾患の患者に限らず、コミュニケーション能力に問題がある人や、気分の浮き沈みが大きい人など、様々な程度の人たちが含まれているようです。また精神疾患においても、統合失調症やうつ病、ADHDなどそのあり方は多様であり、また個人によってもその程度は多様です。そのため、小論ではそれらを分類して分析することは保留し、一般的な用語としての「メンヘラ」を対象にしたいと思います。
 しかしここで注意しておきたいことは、いわゆるメンヘラとは現代社会が作り上げたものであるということです。歴史家ミシェル・フーコーが著書『狂気の歴史』(1961年)で明らかにしたように、「理解不能」な人間を精神障害と「診断」し、「治療」のために「収容・監禁」していったのは、近代(17世紀)以降のことです。
 例えば、映画『レインマン』(1988年)には知的障害を持ちながら、抜群の記憶力を持つ人物が描かれていました。彼のような人物は、現代社会においては精神障害として施設に収容されるかもしれませんが、もし古代社会に生まれていたなら、部族の歴史(口頭伝承)を記憶する「語り部」としての役割を与えられ、人々から尊敬される存在になっていたかもしれません。
 すなわちメンヘラであるから知能が低いとか、人間としての能力が劣っているというように考えるべきではありません。むしろ、現代社会において適応が困難な個性を持つ人たちである、と考える方が良いと思います。実際、小生がお会いしたメンヘラ風俗嬢の中には、偏差値の高い大学を卒業した方や、専門職として勤務した経験を持つ方もいらっしゃいました。
 一方で、風俗業界にメンヘラ気質の姫が比較的多いということはしばしば耳にします。それを裏付ける統計などのデータはありませんが、小生も自身の経験からそのように感じています。それではなぜ風俗業界にメンヘラ嬢が多いのでしょうか。ここでは「外的要因」と「内的要因」について分けてみてみることとしましょう。

1) 外的要因
 外的要因とはすなわち、メンヘラ気質の人が風俗業界を職業もしくは生活手段として選ばざるを得なかったという、外的な圧力のことを指します。
 先に述べたように、現代社会はメンヘラにとって生きるのが困難な世界です。学校や社会で生活していく上で、「普通の人」の生き方のレールからドロップアウトしてしまうことにより、生活のために風俗業界で生きることを消極的に選択した人も多いでしょう。  また逆に、風俗業界で働くうちにメンヘラになってしまった人も一定数、存在するでしょう。風俗の仕事はサービス業でもあり、我慢や忍耐をある意味で要する仕事です。時には嫌な客の相手をしないといけません。そのため元来メンヘラでなかった人が、風俗業に従事することのストレスによってメンヘラになってしまったということもあるでしょう。

2) 内的要因
 反対に内的要因とは、メンヘラ気質を持つ人にとって風俗業界が適応的であったため、積極的にこれを職業もしくは生活の手段として生活したり、あるいは居心地が良かったために風俗業界に落ち着いたりという、内的な動機のことを指します。
 メンヘラの人には、その人生の中で褒められたり認められたりする成功体験に乏しい人が多いようです。特に小さい時から親に褒められることの少なかった人は、自己肯定感が弱い傾向にあるといわれています。そうした中で、風俗嬢として接客し、客から容姿やサービスを褒められることで、それが成功体験となって自己肯定感を感じる人もいるようです。
 小生が出会った姫の中に、会社員として昼間は働きつつ夜の仕事として風俗嬢をしていた方がいます。彼女はメンヘラというほど心の病を抱えている人ではありませんでしたが、社会一般のコミュニケーションをとるのが苦手なようでした。そのため昼の仕事では自分のことを認めてもらえず、自信を失いかけていたのですが、夜の仕事では客や店のスタッフから自分のことを認めてもらえるようになったので、ついには昼の仕事を辞めて夜の仕事をメインに働いていくのを決めたそうです。

 実際には、メンヘラ嬢が風俗業界で生きることになった理由は、上記の「外的要因」と「内的要因」が組み合わさったものであることも多いかと思います。ともあれここで指摘しておきたいことは、風俗業が彼女らにとっては欠くことのできない生き方になっているということです。もし仮に風俗業が無くなってしまえば、彼女らには生きる場所を奪われることを意味します。
 風俗業を「女性の搾取」とみなして否定したり、あるいは反対に「必要悪」として是認したりする見方は、いずれもそこで生きている人の視点に立った見方ではない、上から目線の見方と言えるでしょう。

3. メンヘラ風俗嬢とのよりよい付き合い方

 上で見たように、メンヘラ風俗嬢といっても、本質的には私たちと何ら変わらない人たちです。ただ現代社会の状況が、彼女らを生きづらくしているため、消極的もしくは積極的な理由から風俗の仕事をしているに過ぎないのです。こうしたことを前提に小論では、彼女らとよりよい関係で付き合い、風俗遊びを満喫するために、以下の三つの提案をさせていただきたいと思います。

1) メンヘラを個性として受け入れる
 彼女らは、時にこちらが面倒と思える言動をとることもあります。例えばある日は上機嫌だったのに、別の日は不機嫌になったりすることもあります。しかしそれは必ずしもあなたに悪気があっての言動ではなく、本人もどうしようもない精神状態でそのような言動をとっているのかもしれません。そうしたことも含めて、メンヘラを個性として受け入れ、寛容な心で受け止めるのがよいと思います。
 もしあなたが「普通の人」として現代社会に適応した生き方を送ってこられているなら、あなたは彼女らよりは少しは恵まれた状況にあるといえます。だからこそ,その恵まれた分だけ、少し大きな器で彼女らを受け入れてあげるのが良いかと思います。もしあなたにそれを受け入れるだけの器の余裕がないなら、メンヘラ嬢に対して深入りするべきではないと思います。

2) 否定しない
 上で述べたように、彼女らは人から褒められたり認められたりした経験が少なく、自己肯定感が少ないことが多いのです。ですから、彼女らを否定する言動を慎むのがよいと思います。
 例えば、姫の気分が乗らずに、満足なサービスを受けられなかった場合があるとします。そうした時に一番言ってはいけないのが「プロとしての自覚がない」とか「他の仕事では言い訳できない」といった言葉です。彼女らは、他の仕事で上手な対応をとるのが困難だったから、風俗の仕事をしているのかもしれません。そうした時に他の仕事を引き合いに批判をすることは、彼女らの今の生き方を否定することにもつながり、傷つけることになります。
 また時に「こんなところで働いていてはだめだよ」と忠告する人もいます。しかし彼女は他の仕事で生きることができないから風俗の仕事をしているのかもしれませんし、あるいは風俗の仕事に自分の居場所を感じて働いているのかもしれません。上のような忠告は、しばしば悪意なく発せられることが多いのですが、その実、彼女らを傷つけてしまうことが多いのです。

3) 適度な距離感を保つ
 だからといって、彼女らに同情し、寄り添うのが良いとは限りません。なぜなら彼女らの困難は、他人が完全に理解できるものではないからです。あなたがいわゆる「普通の人」であったらなおのことですが、もしあなたが仮にメンヘラ的な気質を持っていたとしても、メンヘラの内容や個人の置かれた状況は多様であり千差万別ですので、同じ立場にたっての理解などは、決してかなわないと思います。
 またメンヘラ嬢の中には、他人と「共依存」の関係になる傾向の人が多いようです。いったん「共依存」の関係に巻き込まれたら、あなた自身もメンヘラになってしまう可能性もあります。「共依存」の関係は「恋愛」の関係にも似ているのでしばしば錯覚しがちですが、もしあなたが彼女と心中する覚悟か、彼女の人生を自分の責任で引き取るだけの覚悟がないなら、メンヘラ嬢と「共依存」の関係になるべきではないでしょう。
 ですから彼女とのよりよい付き合い方は、彼女のことを否定せずに受け入れ、なおかつ適度な距離感を保った関係を築くことです。距離感というと少し冷徹な言葉に聞こえますが、それは彼女のことを一人の自立した人間として認め、尊重することでもあります。

 何度も繰り返しになりますが、彼女らは本質的に私たちと何ら変わらない存在であるにもかかわらず、現代社会という状況の中で適応するのが困難な個性を持った人たちです。そうした彼女らを、一人の人間として敬意を持って接することは、彼女らにとっても幸せなことであり、あなたも彼女から信頼される存在になることにつながるのだと思います。

 以上、長文・乱筆のほど失礼いたしました。

 研究部長 えせ男爵 (H31.02.15)

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