〜©日本ピンサロ研究会〜

「当会創立25周年記念寄稿」

by えせ男爵氏


「振り返りとこれからの活動(研究部長・えせ男爵)」

 小生が当会の会員となって10年がたちます。非会員の時期を含めると13年ほどたちますので、当会の四半世紀の歴史から見るとまだまだ駆け出しと思うところもありつつ、今の会員の中ではそこそこ古株にもなってしまいました。会員の入れ替わりも頻繁な当会において、小生がこれまで活動を継続させていただけたのは、ひとえに会長による日々の運営のご努力と、会員のみなさまによるあたたかい会の雰囲気によるものと思います。あらためて感謝申し上げます。

 さてこれまでの活動を振り返ると、思うことはやはり「継続は力なり」の言葉に尽きるかと思います。当会の活動を続けるにあたっては、経済的な事情、健康的な事情、家庭的な事情など、取り巻く様々な事情を勘案しなければなりません。会員の中にはそうした事情によって活動を中断したり諦めたりせざるを得ない人がいるのも確かであり、小生がこれまで活動を継続出来たのは、そうした事情が許された幸運によるものと思っています。
 ただあえて個人的な意見を述べさせていただくと、継続の秘訣は「遊び心」だと思います。あくまで当会の活動は遊びであり、それ以上でもそれ以下でもないということだと思います。
 楽しく遊ぶというのは、ほど良く遊ぶということだと思います。つまり本気になってのめり込むのではなく、余裕を持つことが大事だということです。「ここ最近は金銭的に厳しいなぁ……」と思ったらしばらくお休みするのも良いと思いますし、「この前の懇親会で、〇〇さんに暴言を吐いて気まずくしてしまったから、今度から行きにくいなぁ……」ということがあったら、しばらく間をおいてから、謝罪の連絡とともに「今度、〇〇で一緒に遊びませんか……?」と声をかければ良いのだと思います。
 小生自身、けっして合同調査や懇親会などの活動の参加率が高いわけではありません。まだリアルでお会いしたことがない会員さんも多くいらっしゃいます。それでも研究部長の要職をいただけているのは恐縮ですが、新しい会員さんの中で「合同調査は敷居が高くてちょっと……」とか、「合同調査や懇親会は毎回、顔を出さないといけないのかなぁ……」と思って心配している人がいらっしゃったら、小生のような人間もいると思って気楽にしていただければと思います。

 さてこれからの活動ですが、小生はこれまで通り、細く長い活動を続けていきたいと考えています。これで終わってしまうと話が続かないので、以下ではもう少し具体的な目標を述べたいと思います。
 思えば、当会が発足した25年前と今日とでは、この業界を取り巻く状況も大きく変化しました。とりわけ懸念されるのは店舗型(箱店)の減少です。そこで小生のこれからの活動では、箱店を重点的に調査していきたいと思います。
 当会の名称の由来ともなっているピンサロという業態の店舗は、かつては地方都市の駅前には必ずあったものですが、この四半世紀の間にかなり数を減らした印象があります。またソープという業態の店舗は、法律上の制約があって新築はおろか改築も難しく、多くの店で施設の老朽化が目立ってきましたし、ある地域のソープ街のように、再開発によって軒並み潰されるという事例も見られます。さらには「ちょんの間」と呼ばれる特殊な風俗街も、この四半世紀のうちにかなりの場所が消滅に至りました。
 もちろん箱店の減少が風俗業界全体の縮小を意味する訳ではなく、むしろ無店舗型の数が増えて、業界全体は拡大する傾向にあるという感があります。しかしそれによってかえって、風俗に見られる地域ごとの個性というものが薄れていっているように思います。
 個人的な体験で恐縮ですが、小生の初めての風俗体験は大阪の飛田新地でした。飛田新地は、昭和から残る料亭建築と街並み、そして独特の遊び方で有名なところですが、その魅力は遊郭の時代からつながってきた歴史性によるところが大きいと思います。また必ずしもこのような古い街並みが残る風俗街だけでなく、近代的なビルの店舗からなる風俗街であっても、その土地の記憶、あるいは「ゲニウス・ロキ(地霊)」と表現される土地の雰囲気のようなものを纏っているように感じます。小生はそうした風俗街を歩く時、何とも言えない緊張感と高揚感を感じます。
 箱店あるいは風俗街が消えゆく運命にあるのは、時代の趨勢であり抗えない流れなのかもしれません。しかし今でもまだまだ多くの場所が残されています。これらが残されている間に、出来る限りこれらを調査し、記録として残していくことを心がけたいと思います。

 最後に、当会が次の四半世紀も引き続き繁栄することを祈念して筆をおきたいと思います。

 研究部長 えせ男爵 (R05.12.12)

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