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指名性向についての一考察

日本ピンクサロン研究会、DON客員研究員

1.はじめに

「フリーで入るのか、それとも指名するのか」
 この問いに対して独自の主張を持って即答できる人は、風俗人として名乗る資格のある人であり、初心者にとっては常に頭の痛い選択である。業界では、指名料なる料金が設定されており、サービスという観点からすれば、指名することは「より質の高いサービス」と定義付けることができるが、金を払ってでも指名したくない、と考える人もおり、必ずしも(追加コスト)=(付加サービス)という等式は成り立たない。本論文では、風俗においてなぜ人は指名する(しない)のかについて考察し、今後の課題である風俗における意思決定プロセスモデルの作成に資することを試みる。

2.指名とは

 単に指名と一言で言っても、その種類は多い。サービスにより、同じ指名でも呼称の違いがある場合もあるが、基本的には、写真を見て指名する「写真指名」、既に名前がわかっている場合に電話で予約する「本指名」、"顔見せ"といわれるように実際に何人かの風俗嬢を見て指名する「直接指名」、等がある。また名前では指名しないものの、容姿やサービス内容等の要望を出して、それに合致した風俗嬢を手配してもらう場合もあり、これは業界では「非特定指名」というカテゴリーに分類されている。

 いずれの場合も、サービスの受け手側が、受けたいサービスについて明確にし要求を出しているという点で一致しており、これに対してフリーとは、そうした期待されるサービスの中身をその店で提供されるサービスとして緩やかに定義しており、風俗嬢により提供されるサービス内容の相違を許容するという立場にある。

3.指名とフリーとの関係

 では、指名とフリーとの間にはどのような関係が成り立つのか。まず、一番大きな違いは、金額の差である。一般に指名する場合は、その種類によっても異なるが、1000円〜2000円程度(個室付き特殊浴場等の場合は10000円という場合もありうる)の指名料金が課される場合が多い。但し、指名料は割引券により割り引かれるような例が多いので注意したい。また、指名料金の支払い(あるいは支払わないこと)は、サービスの受け手に対してある期待感を生じさせる。

すなわち、

@指名をしたのだから、、その特定嬢がサービスしてくれるだろう、もしくは、特定のサービスもしくは特定のカテゴリーに属する風俗嬢からのサービスが受けられるだろう、という期待

A指名をしたにもかかわらず、その特定嬢がサービスしてくれない、もしくは、特定のサービスもしくは特定のカテゴリーに属する風俗嬢からのサービスが受けられない、という不安

B指名をしなかったのに、非常にいい娘がつく、もしくはいいサービスを受けられるかもしれないという期待

C指名をしなかったことで、悪いサービスしか受けられないという不安

D指名をしなかったことで、果たしてどのようなサービスが受けられるだろうか、という探求心や冒険心にも似た期待

の五つに大別される。

 これらの期待と、指名コスト、充実感の関係は以下の図で表される。赤色で示された範囲は何としても避けたい部分である。

図1:指名コストと充実感の関係

4.考察と結論

 指名する、しないは、過去の経験に基づく場合が多い。さしたる冒険心のない挑戦者がフリーで入って期待以下のサービスしか受けられないと、次回にフリーで入る確率は10%以下になることがわかっている。初心者は特に、自分の行動性向を上記図に当てはめ、リスク管理をした上で、指名、フリーの選択をするのがベストと言えるだろう。

 余談だが、プロ野球では、指名打者(DH: Designated Hitter)という制度がある。指名派の筆者としては、指名したのに振り替えられる悪質サービス店に対しては、指名出せ制度(DS: Designated Server)の導入を働きかけたいと考えている。

 なお、本論文の著者および日本ピンクサロン研究会は、本論文を参考にしたフリーと指名の選択の失敗による損害については一切責任はなく、当然ながら損害について補償もしないので留意されたい。