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研究ノート「性感染症の臨床例〜尖圭コンジローマ〜」

by アローゼン氏


 アローゼンです。今回は性感染症の治療記を書かせていただきます。

1.前書き
 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、当会の活動も大きな制限がかかっています。私はいわゆる「エッセンシャルワーカー」でして、職場に出勤して業務に当たらなければなりません。職場では新型コロナ対策として様々なことをしており、例えば「事業所への人の立ち入りを厳格に制限する」、「社員が県外へ出かける際は日時と場所を届け出る」といった措置を取っています。そのような状況なので、県外に出かけることもままならず、もちろん当地での調査など以ての外という状況です。
「それでは県内ならどうなの?」という話になりますが、私の住む県は日本有数の田舎でして、繁華街(風俗街)に行って店舗から出てくるところを職場の関係者に見つかったら、「この大変な時に何をやっているんだ?」と追及される可能性があります。デリヘルならその可能性は相対的に下がりますが、もしラブホテルから出てくるところを見つかったら、同じような追及を受けるでしょう。
 そういう事情もありますが、実は私自身が性感染症に感染してしまい、長い期間にわたって治療を行ったことが、長いことレポートを書けなかった最大の理由です。当会でも多くの体験記が掲載されている「尖圭コンジローマ」に感染して治療を受けたので、読者の皆さんの参考になれば幸いです。

2.治療記(前半)
 昨年の9月下旬、陰茎の「カリ」のあたりに小さなイボが複数見つかりました。しばらく放置すると一旦消えたのですが、同じ箇所にまたイボが出てきました。「もしかしたら…」と思い、泌尿器科を受診しました。診断は尖圭コンジローマで、発症前の1ヶ月間に性風俗店を利用したかを医師に訊かれましたが、上記の事情もあって利用はしておらず、正直にその旨を伝えました。
 医師によると、尖圭コンジローマは潜伏期間が長いことがあり、感染経路が追えないことも多いそうです。
 初診では、@イボの数が少ないこと、A発症箇所が「カリ」で切除をする際に痛みが強いこと、を踏まえ、塗り薬と飲み薬を処方されました。塗り薬はかの有名な「ベセルナ軟膏」、飲み薬は「ヨクイニンエキス」です。まずは1ヶ月服用するよう指示をされました。
「ベセルナ軟膏」は非常に強力な抗ウイルス薬で、週3回就寝前に塗り、翌朝に洗い流すことを繰り返します。「ヨクイニンエキス」は皮膚科でよく処方されるイボ治療薬で、1日9錠を上限に服用します。
「ベセルナ軟膏」はたしかに強力で、使用を続けるとイボがポロポロ取れてきます。しかし、効き目が強すぎて包皮がただれて炎症を起こしてしまい、激痛に悩まされました。
「ヨクイニンエキス」については効いているのかよく分かりませんでした。
 辛い治療を続けている最中なのに、県外の定番嬢からは「今度はいつ来てくれるの?」という連絡がきます…Orz まさか性感染症の治療をしているとは言えず、「新型コロナ対策で、大事な用事がない限り県外に行かないよう職場から言われているんだ」と誤魔化しました。
 1カ月間、包皮とカリの激痛に耐え、再診しました。イボが取れてきれいになっており、医師から「すっかり良くなったね」と言われました。「もしイボが出てきたら、また受診してください」と言われ、一旦、治療は終了しました。

3.治療記(後半)
 ホッとしたのもつかの間、2週間ほどすると再びイボが複数出てきました。仕様がなく、再び泌尿器科に行きます。医師は「塗り薬だけでは厳しいかもしれない」と話し、電気メスによる切除手術をすることになりました。
 患部に局所麻酔をするのですが、カリ部分に直接注射をするのが難しいため、その下の部分に注射を行い、ガーゼを使って患部に少しずつ麻酔薬を染み込ませる方法を取りました。
 この注射がとにかく痛いのです(汗)。神経が集中して粘膜がむき出しになっているため、予防接種のような注射とは訳が違います。患部の近くに複数回にわたって針が刺さる度に、激痛に襲われます。麻酔薬が行き渡ると、今度は電気メスで切除します。麻酔が効いているため痛みはありませんが、カリと包皮を焼いているので、焦げた臭いがしてきます。
 治療が終わり、化膿止めの「ゲンタシン軟膏」と抗生剤の「フロモックス錠」の他、引き続き「ベセルナ軟膏」と「ヨクイニンエキス」が処方されました。
 再び、自己治療に入ります。切除して火傷した箇所に「ゲンタシン軟膏」を塗り、「フロモックス錠」を服用します。火傷が治ったら、再び「ベセルナ軟膏」と「ヨクイニンエキス」を使用します。包皮の炎症と激痛に悩まされつつ、1ヶ月経ちました。
 しかし、今度は切除箇所とは違う箇所に再発してしまいました。医師からは「まだウイルスが残っているようだね」と言われ、再び切除手術をすることになりました。麻酔注射の激痛に耐え、再び電気メスで患部を切除します。前回と同じく、「ゲンタシン軟膏」「フロモックス錠」「ベセルナ軟膏」「ヨクイニンエキス」を処方されます。また1ヶ月、同じ治療を繰り返します。
 しかし、またまたイボが出てきます。結局、3度目の切除手術をすることになりました。厄介なことに、前回切除した箇所の他、その周りにも広がっていました。当然、注射の回数と切除の回数も増え、激痛が増えました(汗)。そして三度、同じ治療を行います。ようやく「これで終わるかな…」と思ったら、途中で顔面にヘルペスが出て体調を崩してしまい、またまた再発してしまいました。
 結局、4度目の切除手術を受けることになり、激痛に耐えます。ヘルペスが出ていたので、上記のセットに加え、抗ウイルス剤「バルトレックス」も処方されました。
 そして1ヶ月が経ち、2月も下旬になりました。「これ以上は電気メスは嫌だな…」と思い受診したところ、イボは跡形もなく消えていました。医師からは「良かった。ようやく完治したようだね」と言われます。ということで、半年近くかけ、ようやく治療が終了しました。

4.まとめ
 治療をしてくれた医師によると、「最近よく診る尖圭コンジローマの型は、良性ではあるけど再発しやすい傾向にある。組織を詳しく調べたわけではないけど、君の尖圭コンジローマは多分その型だろう」と話してくれました。先述した通り、潜伏期間が長く、感染経路を特定できないことも多いそうです。
 当然ですが、医師からは「そういうお店にはしばらく行かないようにね」と釘を刺されました…。
 今回、思わぬ形で尖圭コンジローマの治療を体験することになりましたが、想像以上に時間とお金がかかり、物理的にも精神的にも痛い目に遭いました。性風俗店に行く以上、感染症はある程度は覚悟しないといけないところもありますが、イソジンやグリンスなどで消毒し、コンドームなどの装具を使用すれば、かなりの確率で防げます。新型コロナ対策と相まって、最近は店が消毒のためのグッズを嬢に持たせることが増えているようです。

 拙い文章ですが、ご精読ありがとうございました。

 会長付属調査隊 西部方面調査隊長 アローゼン (R03.03.09)

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